なかみの見えない「駅近」機能。本庁舎建替え。

本庁舎建替基本計画特別委員会でした。公式ホームページには特設サイトもあります。特別委員会の一員になっているのは、たまたま総務常任委員会に所属する委員だったから…なのですが、メンバー入りしている限りは、ちゃんと議論に加わり、前向きに議論を進めたり、市民のための協議を重ねる責任を果たさないとと思うものです。しかし、そのために必要な議論の材料が十分に示されているとは言い難い状況で、せっかく委員会を開いたところで、議論の深めようもない感じに終始しています。

まだ、基本計画ではなく、「基本計画の骨子案」を協議している段階であって、議論するために必要な材料の準備中なのかもしれませんが、こんな準備状況で、どうやって、基本計画、実施計画と今、示されているスケジュールにのっとって進めていくのか疑問です。

…と思って、帰宅したところ、「多摩市政策情報誌 vol14」がポストに投函されていて、ここにも「本庁舎建替え」に関する記事が掲載されていましたが、見開きページの右下のところには「旧多摩ニュータウン事業本部の建物解体工事の完了」についてのコラム。

「なぜ、この位置関係で掲載しているのかしらん?」と思ってしまいますが、日本医科大学多摩永山病院の移転については、先日の本会議、代表質問と一般質問に対し、「現在はまだ協議中。新型コロナウイルス感染症の影響を見極めるため一時中断を迫られた。その後、協議は再開したが、建設費の高騰等、様々な環境の変化から、現在はこれまでの計画を保留せざるを得ない状況。法人側では現在、様々な方策の検討を進めている。現時点で新たな病院の詳細や移転・建替えの時期について、具体的な内容は示されていない。」という答弁があり、さらに、病院側から今後の方針が示されない間、「空き地にしておくのではなく、資産活用していく方向。コインパーキングとして暫定活用していきたい。」という答弁がされていました。一体、今後、どうなっていくのでしょうね。いろいろと耳にする情報もあり、かなり移転建替え、厳しそうだと私は見ているのですが、現段階では「意向が示されていないから、わかりません」というのが市長の見解。

さて、話しを本庁舎の建替えに戻すのですが、現在地での建替えをするコンセプトとは「市民が、本庁舎へ行かなくていい」であって、身近なところで手続きができてしまう便利を実現しましょう…ということになっています。

以前、そのまた昔の昔は、それこそ「旧多摩ニュータウン事業本部の跡地」(日医大の移転予定地)が市役所移転先の候補地だったのにな…と今でも思います。土地の形状は病院にせよ、市役所にせよ、決して使い勝手良いとは言えませんが、駅前に市役所を移転させるとして、永山駅前は最適だと考えてきた私にとって、現状に照らし、もし日医大の移転が見込めないとすれば、あの土地に市役所移転することが望ましい。とにかく今、時代と共に人口も減少し、駅前が空洞化していく傾向にも歯止めをかけていく必要があります。他市でも駅前空洞化に対応し、駅前移転の選択をしているところもあり、私はそれもありだと考えてきました。特に多摩センター、永山…。ただ、市長の意向は「また別の方策で活性化をしていく」という考え。

それはさておき、とにかく現在地建替えの案では「駅近機能」の充実が示され、聖蹟桜ヶ丘の出張所、多摩センターの出張所、そして、ベルブ永山に拠点を設け、そこで各種手続きを含め、市民が便利に利用できるようにしていきましょう…ということなんですが、「便利に手続きができるってどういうものを考えているの?」とか、「そのために必要な床面積はどのくらい?」とか、具体的なことがほとんど皆無に近いほど示されておらず、わかっているのは、政策情報誌にもある通り、「定型的なもの。マイナンバーカードによる発行」、相談については「ちょっとした相談」「本庁舎とのオンライン相談」ということのようですね。

しかし、ここでもまた、「その定型的なものって何?」「マイナンバーカードによる発行はコンビニでもできますよね?」とか、あるいは「ちょっとした相談って何?」ということすら、全く見えてきません。

ちょっとした相談というのは、オンラインで手続きができるようにして、もしわからない人がいたら、ブースを設けて、そこで本庁舎とモニターとかでつないで相談ができるようにする・・・・みたいなこと?…

想定しているのは、銀行のオンラインブース風?今でも、駅前などの銀行ATMで、困ったときに「もしもし」と電話ができるようになっていますが、それと同じようなこと?でちょっとバージョンアップで「モニター画面」があって、職員さんが直接応対するということなのか?

銀行のオンライブース、体験したり経験したらわかるのですが、決して便利とは言えません。しかも、高齢者ともなると、ホント、大変になります。耳も遠くなったりすると、それこそ…簡単ではありません。画面越しというのは。市役所で仕事をしている現役世代には、私も含めてですが、たぶん、想像して想像しきれないのが、歳を重ねるということではないのか…とも思うのですが。これからはインターネットに慣れ親しんだ世代が歳を重ねるので問題はないと考えるのもわかるのですが、私はそうでもなさそうだなーと思ってみたりするのです。

いずれにせよ、政策情報誌によると「オンライン、駅近、本庁舎」ということで、市民サービス全体の提供スタイルの方向性が示されていますが、肝心な「駅近機能」の内容が漠然とし過ぎていて、「これで、一体何をどうするんだ!」…と思います。何をやるのか、よくわからないまま、このまま議論を進めてしまっていいのかしら?

また、京王多摩センター駅の高架下にある「多摩センター駅出張所」については、今でも手狭ですし、あの場所で何をどう充実することができるのかも疑問。また、ずっと賃貸していくつもりなのかどうかも…「一体、何をどう考えているのか?」という疑問は議員全員が心の中でモヤっとしている点ではないかと思います。もちろん、「駅前の充実」のために、必要な工事があって、それは聖蹟桜ヶ丘の出張所、ベルブ永山で実現したい「駅近機能」についても「大規模改修工事のタイミングで」となるそうですが、そこに必要な工事をどう想定して、どの程度の予算を見込むのかとか、きちんと明らかにできるのか。

 

「焦り。」

 

以前から、市長が「令和11年度から新しい庁舎を稼働させる」と発言していることから、そこをめどにして議論をしているんだなと思いますが、このまま単に時間に追われただけの見切り発車的に取組みが進んでいって(強行されているようにも思う)、本当に良いのでしょうか。結局、すべてのツケは市民が背負うことになるのです。そしてまた、市役所建替えの事業費についても約123億円となっていますが、これは一年前の試算になっていて、グリーンライブセンターの大規模改修工事が1年で3割も値上がりしたわけで、そのこと念頭に考えれば、「約200億円規模」が目の前チラつきます。市長は「すべての公共施設を維持しきれません」と公言しておきながら、それとは相反するような行政活動を進めているような気がしてなりません。まずは、その矛盾を正していくことを優先してほしいのですが、施政方針の言葉を借りれば「走りながら、ブラッシュアップして考える」になるのかもしれませんね。「ブラッシュアップされているのか?これは?」という渦が広がる傾向がありますが。

 

このまま黙ってしまうと、将来への「ツケ」がみるみるうちに膨らんでいくのではないかと危惧しています。これから私たちが避けて通れない超高齢化、人口減少・・・・今に始まったことではありませんが、もう一度、向き合うべき現実を直視した対応をしていくことが求められる。市長には「未来を担う子供や若者たちのビジョンをしっかりと次世代につなげられるよう、一人の大人として市長として責任を果たしていきたいと考えています。」という姿勢をもう一度確認してもらいたいものです。

議会の傍聴に「親子室」は必要?

本庁舎建替基本計画特別委員会で「議会エリア」をどうするのか取りまとめ、行政側に提示しました。先週末、事前にある程度まで文章内容…一言一句を確認したものを事務局がまとめてくれていたのですが、それについて、「子どもや声を出すことのある障がいのある方の傍聴のしやすさに特別に配慮した対応も必要ではないか」‥‥ということで、いわゆる、「親子室」的なものを念頭にした意見が再度、出されました。

しかし、「親子室」のような部屋は本当に必要なのか?「親子室」のように防音機能のある部屋の有無が議会傍聴のしやすさしにくさにつながっているのでしょうか?

実際に、清瀬市議会に視察に行った際、傍聴席の一角に「親子室」があり、子ども連れでも気兼ねなく傍聴ができるような設えがありましたが、それほどには活用されていないようでした。親子室って…逆に言えば、閉じ込められる空間になっていて、はっきりいって、空気が薄いんですよね。私も昔の記憶でしかありませんが、数回、使ったこともありますが…逆に落ち着かないというのか。親子室だからゆっくり鑑賞できるというものでもありません。むしろ、「親子での鑑賞可能」とか、子どもが声を出してもいいこと前提になっているコンサートなどは居心地よく楽しめるわけで…そのことを思い出しても、「親子室」の必要性はどうなのかなあと。

それに、コンサートや演劇などの演出上「静謐」が必要であれば話は別ですが、傍聴するのは…会議であって、市民の広場…のイメージもわくような「議会」。そうなると余計に、「親子室」などのような場所はなくとも、良いのではないかなあと?

一方で、「市議会」については、荘厳にする必要はなく、市民に身近な存在でありたいとしていることを考えても、それこそ、市民の生活感など含めて、そのまま持ち込むことを良しとすることのほうが大事ではないかなあと?

で、そもそも、議会に傍聴に来ないというのは、「親子室」の有無とは関係ないはずで、足を運ばなければならないということも含めて、足を運ぼうという市民の動機が全く後押しされるような状況になっていないが原因だと思うので。もちろん、足を運ぶまでのことはなく、安定的に市政が運営されているから‥‥とも言えますが、まあ、必ずしもそうは言えず、「関心を持たれていないから」というのがかなり正確に近い回答かも。

いまや多様性の時代。「インクルーシブ」が重要視されている時代のなかで、議会でもその発想を持ち、傍聴席での多様性をみんなで受け止められるようにしていきたいものです。もちろん、ものすごーくものすごーく会議が妨げられるようなことがあれば、そこはきちんと整理をするのが議長の役目かなとも思いますし。

最初から「区別」して、専用エリアを設けることも考え方の一つかもしれませんが、私の考えとは違うかな。

結果的には「親子室」などを設置するようなことではなく、私たちの受け入れる姿勢というのか、気構えも大切になってくるということ、あるいは、もし、傍聴する当事者が気になったときに本会議場の傍聴席から退出しても、そのまま追い返すことなく、ロビーなどでも引き続き見れるような工夫など、クールダウンできるようなスペースというのか、空間があるとか…まあ、とにかく、そもそも場に応じて、最良の対応ができればいいのではないかと考えています。

というか、今度できる本庁舎というのは…そもそもその発想が「市民がわざわざ足を運ばなくてもいい」というのがコンセプトなんですけどね‥‥(私は同意しがたい)。わざわざ大層に足を運ばなければならないような現在地での建替えだから、そのコンセプトを取り入れることになっていることは頭に留めておかなければですね。つまり、気軽に議会に足を運び、五感を使って傍聴できるような環境をつくるとして、最初からハンディがありすぎるってところで。

「開かれた議会」

無病息災を願う伝統の行事についても、時代環境と共に肩身が狭くなるというのか、取り巻く事情が異なってきて、今は「点火をしない地域」もあるやに聞きました。諏訪小学校で恒例行事として開催してきたどんど焼きも同様で、近隣に配慮した新たなやり方を模索…。結果的にはキャンプファイヤーのようなやぐら?になっておりますが、それでも、辰年生まれの子どもたちが点火し、炎が立ち上がれば歓声が上がり、天にたくさんの祈りが舞い上がってくれたかな?とは思います。

「字が上手くなりますように」…って書初め用紙も多数、燃えていきました。終わった後に校庭をきれいにするところまでが大事。各地域でのことを聞いても、裏方をやる人手の確保など、長く継続していくためにはいろんな意味で理解が広がっていかなければならないんだろうなと感じます。

夕刻から、諏訪神社のどんど焼きものぞいてきましたが、「こんなの今でもやっているんですね」って声を掛けられて、「そういえば、私も、多摩市に引っ越してきてから体験した行事の一つだな」と思い起こしました。「学校とかでやっていて、驚いた」とも耳にしたことがありますが、多摩市内ではわりと学校の校庭を使用したどんど焼きが行われていて、市内に限って言えば、物珍しい感じはなく当たり前なのですが。それだけ、広々している校庭と周辺環境と…恵まれた条件がある証拠かもしれません。

さて、今日は市庁舎建替基本計画特別委員会の意見交換がありまして、ざっくばらんに話し合いながら、各会派の考えを出し合いながら合意点を探る作業でした。意見のすり合わせというのは、文字面だけでは伝わってこないことまで理解できる点がよいなと思います。本当はこうした場こそ、市民に「見える化」できると、「議会って、意外と面白い」と思ってもらえるかも。そのことが「開かれた議会になる」ために大事な要素の一つになるのではないか…とさえ思うのです。

今日の話し合いでも、新たな本庁舎の「議会フロア」をどう設けていくか…そのために最低限でまず合意できる「こうしてほしい」についてざっくりと意見の方向性を纏めていきましたが、「開かれた議会にするためにも、設計思想は大事。だから、本会議場を市民開放していく。使ってない時にはどんどんいろんな人に使ってもらうべき」という意見が出され、それに対し、賛否両論。議会が開催されていないときの本会議場は「稼働率が低い」とする意見も理解できないわけではありませんが、本会議場を市民などに貸し出していないのは「閉じられている」という考えに、私自身はどうもついていけず。なぜなら、例えば、市長室を「ガラス張り」にすると「行政運営の透明性が高まる」と直に結びつくものではないことと同様。要するに実が伴っていかなければ、単なるパフォーマンスに陥るだけですね。また、本会議場の貸出の有無が「開かれた議会」かどうかを測るような評価指標にならないと思うからですね。

「開かれた議会。」

これを考えていくうえで、やっぱり大事だなと思うのは、会議の公開とか資料の公開やら共有とか、そこから始まる気がするのですね。まずは、傍聴しやすくすることが最優先であって、さらには傍聴した市民が「また、見に行きたくなる」というような議論が行われているとか…が何よりも重要。「議場を市民に使ってもらう」よりも前に取り組むべき点、改善するべき点がいっぱいありそう。まあ、「だから、使わないで」というわけではないのですが、多摩市ってこれだけホールとして使用できるような公共施設もそろっていて、あえて本会議場なの?‥‥とも。

「そもそも、市民って本会議場を利用したいって考えているのだろうか?ニーズが把握されていないのでは?」

という意見も出されたのですが、市民のニーズはそれほど高いとは思えないです。「使って!」と宣伝していなければ市民は使えることも知らない…というのもご尤もですが、でも、正直言って、現在地での建替えを考えると、ニーズが高まるようにも思えません。興味本位で議場を使うということはあったとしても、それ以上でもそれ以下でもないような…もっと便利な立地によい公共施設があるのでは?みたいな。そしてそっちをまず使用してもらう方がよいのでは?みたいな。

 

また、議会は1階に配置して、市民から最も見えやすい場所にしたらいいのでは?という意見に対しても思ったことですが、とにかく既に決定している「現在地で建替え」ですし、「どうにもこうにもわざわざ来なければならない」多摩市役所本庁舎であって、そこにある「多摩市議会」にならざるを得ません。1階に設置をすることで得られる効果とか、意味も期待されるほどにはならなさそう。いずれにせよ、「わざわざ来てもらう議会」になってしまうわけですから。「わざわざついでで、どこの階にあろうが、まあいいかな」とも思ったりするのです。「わざわざ来なければならない」について、私は今でも引っ掛かっていますが、「みんなにとって等しく不便な場所での建替え」を選択している現状を直視したいものです。まず、大事なことは「開かれた議会」になるための内容の充実。わざわざ苦労して、人をかき集めて「議会報告会」などをやるようなことではなく、人が集まっているところに議会が出張していって、見える化していく取組みとか、もっとできることもあって工夫するところは別。個人的には「議会フロア」のセキュリティについては高めておいた方がいいと考えています。そのことが市民をシャットアウトするとか、そういうことと思われないようにするのもまさにソフト、内容次第ではないかなと。

華美にせず、必要な機能がきちんとある議会があればいいなと思ってます。そして、議会図書室は行政資料室と一体化することで充実が図れないかな…という点だけは考えておきたい。

市役所建替え~清瀬市役所、府中市役所視察

今日は多摩市本庁舎建替基本計画特別委員会で、清瀬市役所と府中市役所に足を運んできました。清瀬市役所は新庁舎が稼働して間もなくの頃、会派視察で足を運んだことがありました。もう2年も前のことなんだな…と思って、自分の備忘録を読み直していました。今回は改めて、特別委員会で足を運ぶことができ、他のみなさんとも一緒に現場を周り、感想などを共有できるのはいいなと思った次第です。

さて、清瀬市議会は議院内閣制のミニ国会を模倣するのではなく、議長席は行政側と議会側の間にあって、議論をきちんと仕切れるようになっている議場レイアウトになっていますが、前回、会派視察の時も同様の感想を持ちましたが、これ一押しです。「イギリス方式」と言うようですが、地方自治は二元代表制であることを意識すれば、このレイアウトの方がいいなあと。また、大抵は議席の後ろ側に設置されることが多い傍聴席も、傍聴者の方からは「議員の背中しか見えない」とあまり好評とは言えず。ですので、「イギリス方式」のレイアウトを採用し、傍聴席についても行政側も議会側も双方をしっかり見ることのでき、発言者の顔つきもちゃんと捉えることのできる位置にはすると良いのではないかと思います。それだけ緊張感も高まりそうです…。

かたや、府中市議会はスタンダードというか、従来どおり踏襲にて。

こちらの方が見慣れていると言えば、見慣れていて、親しみを感じると言えば感ずるとも言えますが…。

今回も市役所他のフロアを見学させていただきましたが、市役所職員の皆さんの働きやすい空間づくりとともに、市民に開かれた市役所を体現するためにも市民からの「見通しの良さ」は確保されていくべきですね。そのためには「柱」を少なくするとか、キャビネットの高さとか、あとは、職員さんが机にモノを積み上げたりしないとか、そんなことも必要で大切ですが、それとともに何よりも明るさ!照度がとても大事。建物に入った瞬間に「陰」を感じさせないこともまた必要。清瀬市役所も府中市役所も「明るいな」と感じました。

2か所をまわり、かなり盛りだくさんの情報が得られたように思いますが、そして、じゃあ多摩市はどうするのか?という話し。議会関係でいえば、「議会図書室」の在り方は少し議論を深めても良さそうだなと思いました。清瀬市議会の場合は立川市と同様に「市政情報コーナー」の一角を「議会図書室」にしていたようですが、諸事情があり、現在は「市政情報コーナー」そのものを解消し、別の用途に転用する必要があったのだとか。そして、「議会図書室」を議会エリアに引き取らなければならず…ということですが、もともと「議会図書室」のスペースを確保していなかったことから、「倉庫」スペースにとりあえず、必要な資料などを保管している状態。

ここ、頭を悩ませているところなのかな?とも思ったのですが、今のところ、それほど支障がないようで。そして、府中市議会の「議会図書室」についても、ロビーのところに書棚と調べもの机が置いてあり、これからまだ資料の整理をしていくとは聞いたものの、ディスプレイとして素敵な空間とはいえ、機能させる「議会図書室」という視点から考えると、なかなか難しいのかも。

本当は「行政資料室」「議会図書室」で「市政情報コーナー」にして、職員さんが配置されて、日々、情報収集や資料整理をしているような、そんな場所であることが望ましい。徹底的にやろうと思うと、終わらなくらい大変なことなんですよね。そして、そこで収集した情報が政策づくりの力になっていき、市政の下支えをしていけると本当に理想的。

さて、今後に向けて、どう議論を深めていけるのか…まずは「議会エリアどうする」ということもあるのですが、当然ながら、「ずっと使っていける」にしていかなければならないので、それを考えるのはなかなか難しく大変なこと。市民のための「議会」とは…からもう一回、考えてみようかなと思っています。そのためには議員一人ひとりのパフォーマンスを高めることのできる環境整備は必要不可欠ですね。

市役所建替え~立川市役所視察

今日から議会活動が始まりました。多摩市役所本庁舎建替基本計画特別委員会です。今日は立川市役所、明日は清瀬市役所、府中市役所への行政視察が予定されています。近年、建替えをした自治体へのヒアリングです。立川市役所は竣工したのが2010年5月のことなので、既に10年以上が経過しています。当時、市役所建替えを担当していたという職員さんが私たちのヒアリングに対応してくださったのがありがたいですね。市議会議員でも当時のことを知っている人が少ないとの話を事前に伺っていたので。

個人的には新庁舎を建設するために市民100名が集まって「100人委員会」で議論をしてきたという経過などに興味関心があるとはいえ、既に、多摩市議会での議論はその先に進んでいる段階。ヒアリングでは建替えまでの経過なども説明されましたが、どちらかというと、今回は、もっと具体的なレベルでレイアウトや設備やら機能やらについて、学ぶことが目的かなと思っています。当然ながら、取り組み方が違うと、その結果も当然かわってくるわけですが、「100人委員会」のような取組みは選択せず進めているのが多摩市です。一応、市民が参画したり、専門家の意見も聴くなど、一定必要な手続きだけは重ねてはいます。

さて、私たち特別委員会に対し、行政側から「議会スペースの在り方」が宿題として投げかけられていて、「どんな議場にしていく?」など含めて、今月中にとりまとめていくこととなっています。基本的には‥‥多くの地方議会は国会議事堂の会議場を模倣したカタチになっている議会が多く、立川市議会でもそんな感じ。議長席の位置、傍聴席の数、入口の在り方や、議場に入らない職員の皆さんの待機場所となるスペース、あとは議会の進行管理をしている議会事務局職員が発言時間を操作したり、インターネット中継のための危機を動かす場所などなど、スタンダードに必要な機能は兼ね備えてあり、それらを確認してきました。最近、流行っているというのか?、明日、行くことになっている清瀬市議会にある「親子室」はありませんでした。まだ、10年前だと、そうしたスペースの必要性はあまり言われていなかったかな。私は親子でも傍聴席に座ってもらうことの方がいいのではないかと思っていて、「親子室」要らない派ですが。

あとは、会派の控室のこと、議会事務局の場所のこと、傍聴席と議席の距離も含め、セキュリティ対策なども確認することができました。実に驚いたのは、議長室や副議長室もあって、しかもとても立派なこと。特に設置されていた議長応接室の広さには目を見張りました。驚きました。会派代表者の会議などを実施する場所にもなっているのだとか。

多摩市議会の場合は代表者会議も「公式の会議」という位置づけになっていて、「応接室で開催」が基本の文化ではないので、わざわざ議長のための応接室は設置しないだろうなと思いましたが、とにかく広々としている格式高い場所に見えました。また、立川市議会は議会図書室と行政資料室が一体になっているようなことを聞いていて、その運営体制などに注目していましたが、一体になっているというよりか「市政情報コーナー」という場所の一角に「議会図書室」としての本棚が置いてあり、行政資料室の運営は図書館ではなく、文書法制課が管理していました。係長、係員と3名が常駐していて、一応、議会図書室の本棚も目の端っこで見守りしている印象を受けました。そもそも、市民の利用がそんなに頻繁にあるわけではないというのは多摩市も同様と思いますが、こうした市政情報コーナーが議会エリアの並びにあると、議員は便利ですね。

議会エリア以外の場所も見学をさせてもらいましたが、すでに庁舎が手狭になっていて、職員の皆さんが見た目にもスペースが窮屈に働いておられる様子、会議室の数が足りないため、フロアの一角に簡易な打ち合わせコーナーが増設されていること、あとは、「市民協働会議室」があり、その会議室は「市民と一緒でなければ原則使用できない」ことになっているというのには驚き…。市民の意見を反映させた結果を感じる場所もありました。

私は快適なトイレがあることは重要だと思っていて、建物の見学に行くとトイレ重視です。居心地のいいトイレ…という言い方も変ですが、きれいがどれだけ維持されているのかで、その建物を管理している方の意識がわかりますね。立川市役所はトイレの数は最低限になっているのかなと思いまして、もう少し戸数を増やしても良さそうだと思いました。

あとは、市役所に「食堂が欲しい」という意見があるのですが、立川市役所の食堂は運営事業者さんが撤退してしまったとのことで、今は会議室として使用されたり、昼食時にお弁当を販売する場所になっているのだとか。以前は賑わっていたとも伺いましたが、食堂の経営については採算を取っていくのがやはり難しいのが現実なのでしょう。今、特別委員会の中でも「食堂あった方がいい」「食堂はあった方がいいけれど、現実的には難しいから、つくらないほうがいい」の考え方に分かれているので、他市事例から学べるところかなと感じた次第です。

ところで、既に、多摩市役所本庁舎は現在地で建替えることが決まり、動いているとはいえ、まち全体の将来を考えた時、本当に現在地建替えの選択になるのかどうか…。そこまで議論を差し戻すことは難しいのかもしれませんが、どうしても、議論全体がちぐはぐなまま進展している気がしていて、そこに不安を感じています。「今やらなければ、いつやるの?」と進んでいかざるを得ない状態にあるのかどうか。何となく、自分の中ではすっきり納得できないところがあるので、行政視察なども重ねつつですが、きちんと市民に説明ができるように議論を高めたり、深めたりしていかなければいけないなと思っているところ。これからの時代は「DXで便利に」とはいうものの、決してそれだけではないと考えているので。

そんなわけで、また明日も清瀬市と府中市で学んできたいと思います。

市役所の建替え。どう議論を重ねるのか。

今日は市役所本庁舎の建替えに向けて設置された議会の特別委員会「多摩市役所本庁舎建替基本計画特別委員会」でした。いずれ建替えは必要になり、どこかで対応もしなければならず、決着もつけていかなければならない課題とは言え、ずっと先送りもされてきて、そして、阿部市長が何とか一歩を踏み出したところとも言えますが、だからと言って、いけいけどんどんと議論が十分に煮詰まっていないのに進めていくわけにはいかない…と私は思っていて、後々、辻褄が合わなくなるようなことになっては困りますので、今できるだけの協議をしなければいけないと感じています。

とりあえず、外観上は市民や有識者の参加も経て、「現在地での建替えが適切」とする結論を導き出し、議会としてもそれを前提にした議論が進む予感。今のところ、私としても前提を覆すようなことはせず、議論に臨んでいますが。

しかし、「市民に来てもらえるような市役所」とか「市民協働を進める拠点になれるように」とか…「市民とまちづくりを進めていくための場所になれるように」なんていう意見が出ていることに、今さらながら驚きます。

この場所に市民がもっともっと来てもらえるようなことを求めるわけ?

「だったら、市民が来やすい場所に移転しないと。」と。「わざわざこの場所に市民は足を運ばないでしょう」と。あるいは、「ぜひ、市役所の中に食堂とかカフェを」という意見についても、飲食店を経営するってものすごく大変なことであって、現在地に開設することって極めて困難だと思うけれど‥‥と、もちろん「職員さんがランチできる」とか「市民にも食べに来てもらえるようなお店に」…という絵は描けたとしても、実際に価格帯はどうなのか?などなど考えると厳しいことは目に見えます。つい最近と言ってもいいほど、数年前のことですが、不便な立地にある多摩市総合体育館の食堂・カフェ機能をどうするのか?でさんざんスッタモンダしてきたことを思い出してしまいます。

もちろん、かつては、職員に対する福利厚生という名目のもと、当時のやまばとホール、図書館本館のあった建物に食堂「ハーベスト」って名前だった気がする…が併設されいて、破格でうどんやそばを食べれた記憶はあります。食堂については家賃はゼロでした。でも、それは今の時代はなかなか難しく現実的とは言えないでしょう。赤字補填をすること前提でなければ格安200円台からの食事を提供することは難しい。そんなに安くで食事ができる…があり得ない。とにかく、今の場所に建替えていくことを前提にして、食堂機能を取り込むこと等は不可能と思っています。

事程左様といいますか、「市民とまちづくりを進めていけるような場所」についても同じく。やぱり、立地は大事。便利な場所にあるからこそ、市民は立ち寄れるし、だからこそ市民が気軽に立ち寄れる場所と空間をつくりましょう‥‥の議論になるわけです。市民が市役所を利用するイメージ‥‥もし、まちづくりの拠点としてこの場所を…というならば、今でもやれているはずなので。

市役所が駅前に移転して、そこにまちづくりカフェ的なものを設置して、少し、飲食も提供されていくようなイメージだと、「そういうのもありかなあ」と思いますが、そもそも、現在地で市民が「行き交う」なんてことはあり得ない。「じゃあ、今日、カフェでお茶しよう」なんて、駅前なら見込める状況が想定されても、現在地では全くもってイメージすらわきません。

なのに、特別委員会のなかで、そうした観点からの意見が出ることに、個人的には違和感なのです。

ところで、今日の委員会で最も「???」と思ったのは、新庁舎については「エネルギー削減目標」の掲げ方。建物の環境性能について、これからも長く使うことになること前提、そして未来を見据えて、新たな建築物をつくるからこそ、市役所が率先して省エネと創エネの組み合わせの「100%CO2排出ゼロ」にでもするのかな?とも思いこんでいましたが、どうやら、「費用対効果を考える必要」があるのだとか。だから、鼻から諦めるような提案がなされていたところです。

「環境共生都市」と言ってみたり、「気候非常事態宣言」をアピールしたり、気候市民会議を開催して、市民も巻き込んで「脱炭素化」に取り組んでいく道筋などを議論したり、「サスティナブルアワード」やら「ESD」やら「学校の屋根貸」などなど…いろんなことやっていて、なかなか難しい課題とは言え、それなりに努力を重ねてきた環境部についても評価をしてきたのですが。

にも関わらず、市役所建替えにあたって建物の環境性能については、省エネで再生可能エネルギーの最大限導入をめざすとはいえ「ZEB」をめざすことはせず、「ZEB Ready以上にする」(資料でも環境省ホームページから引っ張ってきた図が掲載されていた)ということで、「え、それが、多摩市の環境政策なの?」とつい疑いたくなるようなレベル。

 

何といっても、あまりにも正直に「費用対効果」と言われたことには、思わず開いた口が塞がりませんでした‥‥。「何、それ!」みたいな。それを言ってしまえば終わります。すべての取組み、ゼロになっちゃうような発言に心底ガッカリでした。あ、この議論、ものすごい既視感がある。そういえば、多摩市立中央図書館の時と同じなんですよね。図書館を建設するときにも既に「ZEB」にすることの提案もありましたが、費用対効果云々で結局、それよりも後退して後退させた「ZEB Ready」…。

ますます地球環境問題が深刻化していること、この状況のなかで「待ったなし!」と市民に呼び掛けている多摩市が自分たちのところはさておきで…いいの?!と素朴に思います。「ZEB」をめざすけれど、大所高所から考えたうえで、「ZEB」にはできなかった、諦めたということであればまだ話しはわかりますが、最初から「ZEB Readyで」というのはないと思います。

こういう場面で、市長の腹の中がますます見えないというか、「結局、市長って環境問題どう思っているの?」…と感じざるを得ません。あちこちで、市民向けには環境政策の必要性を強調したり、きちんと取り組んでいきたいとか威勢のいい発言を議会でしている割には伴っていないというか。ここは、ホント、私、譲れないです。阿部市長は何のために、一旦は廃止されていた「環境部」を再設置までして「環境政策」に取り組まねばならないと考えたのですか?市長の真意や本気を問いたいです。

ということで、他にも「今の市役所に高校生に来てもらって、ここで働くとは」を想像してもらいながら、アンケートを取って、市役所建替えについて意見を聴くこと等する予定だとか。事前学習で何らかの準備をし、高校生にも学んでもらい、知識を習得してもらってから、実際にアンケート調査をするそうですが、一体、それってどんな目的と意図があり、どんなアンケート項目にしていくつもりなんでしょう?それを「若者参加」にしていきたいというのも、ホント、ピントズレているとしか思えませんでした。乏しい私の想像力では及ばないようなことに取り組むのかもしれませんが。アリバイ作りにもならないようなことだと時間がもったいない。それこそ「費用対効果」ですよね。「高校生の皆さんに学びの場を提供するため」が目的であれば話は別ですが。

 

今後、どんな風に議論を重ねていくつもりなのか。その議論の過程のなかで、議会はどう役割を果たすべきなのか。いろいろ考えさせられることは多いです。少なくとも議会全体での合意形成を大事にしながら、どう進めていくのか、ここは丁寧にやっていけるといいなと思いますが。いい議論をしていくためには、議論をするための前提として情報、知識なども必要。行政側がどういう情報を出そうとしているか、議会側に共有して、議論してもらいたいと考えているか…そこにもかかっていると思います。「当たり障りのない情報」だけしか出さないという従来型行政では、何も変わらない。よい議論をしようと思ったとしても限界があります。「当たり障りのない情報」のなかでしか、議論できないのは本当に残念。

市役所建替え。

児童館を巡った時に「児童虐待防止月間」だったことを思い出しました。愛宕児童館でも入り口で紹介されていましたが、図書館がディスプレイをするときの素材などを提供してくれるのだとか。職場体験の中学生が壁面を飾ってくれたそうです。

今日は多摩市役所本庁舎建替基本計画特別委員会があり、前回は会議時間を十分に確保できなかったこともあり、現状確認など質疑をするところから始まったのですが、すでに、基本構想が決定していて、そのうえで、基本計画、基本設計、実施設計みたいになっていくのかな?‥‥というところで、まずは「骨子」をつくるというのです。基本構想と基本計画の間の骨子というのはどういうものなのか?私には未だに理解できず、一体、何を策定しようとしているのか、そして、市民に意見を求めるつもりなのかしら?と思っております。「骨子」は箇条書きのもので、「基本計画」は文章化されたものという説明なのですが、何をどう区別すればよいものか。イメージが全然掴めません。どうやら要点だけをまとめたもののようですが。こちら、多摩市役所本庁舎建替基本構想です。

議会側では、とりあえず、「議会エリア」について検討すること。

まずはここから議論を進めるわけですが、来年1月末までにお願いします‥‥とか言われているという。しかし、その前提になっているのが「総務省は議員一人当たり35平米」という基準?目安を示していますということが示されていて、そういう意味で、議論するにはとても窮屈。以前、議会でのやり取りで「総務省の示している基準に縛られる必要はありません」という回答があったとも聞きましたし、未だに「総務省の基準」を持ち出さなければ議論できないという状態だとすると、これまた、「地域主権」とかっていう言葉が泣きますね。

そして、既に‥‥ご丁寧にというか、行政側が作成してくださった?資料が私たちには与えられ「市役所建替基本計画ボリュームイメージ(議会機能)」、これをさらに簡素化させればいいだけのような気もしますね。

せっかくなので、議会に示されている策定スケジュールと、議会で検討するときのポイント・・・あくまでも「例」議会機能を検討するための参考資料-圧縮済みについてもここに共有しておきます。

今日は特別委員会でワークショップ風なことをやりながら、意見を集約していくための準備をしたのですが、4月に改選があって、やや仕切り直し感もある議論になっているところもあり、意見集約をしていくためには相当根詰めてみんなで頑張っていかないといけないだろうなあと感じました。そもそも論で「どんな議会にしたいか」まで遡ることはできませんが、特別委員会のメンバー同士の意思疎通を図っていくのも…言ってみれば、これから!…という段階なので。

 

そして、今日は12月の定例会に先立つ、市長提出議案の説明がありました。市税が約4億円強の増になったというのは、ちょっと驚き。納税者の皆さんの賃金増などが影響しているという説明でしたが。