今日も予算審議でした。他の議員の方がとりあげてくださった事業についてなるべく避けて、より多くの事業が議場で取り上げられるように…なんて思っています。ですので、余程のことがない限り、他の方が触れない事業について質疑してみようと考えたりしています。議会の予算審議で日の目を見る事業というのは市の行っているすべての活動からすれば、ほんの一部に過ぎないのです。
先週末に引き続き、民生費から。高齢福祉、障がい福祉については質疑が少なめの印象でした。障がい福祉のところで、「障がい者差別解消条例」のことがとりあげられていました。昨年7月から施行されていますが、コロナ禍ということもあって、なかなか周知不足の感が否めないですね。啓発に力を入れて…というのは、全くその通りであって、条例ができて何かが激変するものではなく、条例があることを意識しながら、少しずつ取組みを進めていくことが大切であると思っています。そしてまた、まずはこの条例があることを意識して行動していくのは職員さんたちかもしれませんね。障がい福祉課の職員さんたち以外の職員のみなさんも。もちろん、業務の範囲とかそんな狭いものではなくて、議員も含めてですが、私たちの日常から「多摩市には差別解消条例がある」ということを踏まえて、日々の暮らしの中から、行動を見直してみて、変わる必要があるかなあと思われるところは「変えていく」ことから。
さて、児童福祉分野にはいり、公立保育園のことや学童クラブ、児童館のこと、あとはひとり親支援についても質疑がありましたが、「誰かが触れるかな」と思っていたところで、誰も聞かない感じでしたので急遽、「パルテノン多摩4階」のキッズスペースについて質疑することにしました。紛れもなく「新規事業」と言えるものであって、市長の言うところの「未来への投資」の一つかなと思っております。す。
このキッズスペースについては、パルテノン多摩の大規模改修にあたって、議会側から提案した内容なのですが…。個人的には多摩センターには「たまっこ」…「子育て総合施設」があり、子ども家庭支援センターや子育て広場もありますし、リフレッシュ一時保育もあって、それこそ、子育てに関する講演会や講座やイベントなども行われているので、新たに設置するというパルテノン多摩内にできるキッズスペースをどんな機能にするのか気にしてきましたが、昨年、事業者の決定があったとは聞いているものの、その後についてはまだ何の報告もされていないので、ちょっと気になっていました。しかし、今日の質疑で分かったことは、新たにできるキッズスペースには「子育て広場」があり、「一時保育」もしてくれて、「子育ての相談」にも対応できる場所もあって…もちろん集客もできるような楽しいイベントなども実施して…。
正直、現在の「たまっこ」とますます重なって見えてしまう。そして、確か、これは「子ども若者政策担当」で事業を進めていたと思っていましたが、いつの間にか「子ども家庭支援センター」の所管に移っていたのにもやや驚きがありまして、つまり、ますます「たまっこ」のブランチ機能なのか?!とも思った次第。
しかし、キッズスペースの利用にあたっては「親の同伴」が必須になっているようで、子どもたちが「ちょっと遊んでくる」という感じで行ける場所ではなさそう。ちなみに対象年齢は就学前から小学校3年生くらいとなっていて、「親の同伴が必要な年齢」が対象とも言えます。今日分かったことは、一時保育の利用は市民は1時間700円で、市外の方は1時間1000円。利用については現金のやり取りをなくすために「券売機」をリースする。利用できる時間は9時から18時まで。夜間は閉鎖される。基本的にオープンスペースになっている部分はキッズスペースを受託している事業者とパルテノン多摩の指定管理者の共有スペースである。ちなみにキッズスペースの開いている時間帯にスタッフは7人配置されるが、閉鎖時間には人がいなくなるため、おそらく監視カメラがどんな形でか設置されてモニターで管理されることになりそう。
また、夜間の催しなどで「子どもの預かり」を実施する場合には、キッズスペースは閉鎖しているのでイベント主催者のほうで別の部屋を借りて、保育士などを手配するとか…別途対応が必要…ということになるらしい。
私は監視カメラがどこに設置されるのか…なんてついつい気になります。もう、私たちも監視カメラがあることに慣れていて、監視カメラが犯罪の抑止効果になる一面も認めざるを得ないとはいえ、しかし、子どもたちが遊んでいるスペースに監視カメラが見守るという違和感があるんだよなぁ。私にとっては監視カメラは居心地悪くするツールなのですが、そうも言っていられないのか…。窮屈な世の中になったものだなあ。ちょっと悲しい。
それにしても、いろいろと聞けば聞くほどにまるで「たまっこ」のブランチのようにしか思えなくなってしまう。それがいいとか悪いとか…そういう問題ではなく、本当は、将来にわたっての維持管理費のことまで視野に入れて考えるなら、いっそのこと、思い切って、現在の「たまっこ」をパルテノン多摩内に移転させてしまうとか、あるいは、「たまっこ」の子育て広場など一部の機能をパルテノン多摩の4階に移転すること等も検討してもよかったなと今更ながら思います。
先にも書いた通り、キッズスペースのオープン時間帯に配置される人員は7人。今回は来年3月なのかな?プレオープン時(10日間ほど)も視野に入れた予算が約660万円。年間にすればどのくらいの運営費を想定しておけば良いのでしょう。ちなみに「たまっこ」の子育て広場については1年間でだいたい3500万円くらいではなかったかなと思うのです。それと同様かそれよりも水準高い場の設定をしていくともなれば、かなり支出としては大きいですね。
正直…来年度予算はとんでもないようなところが切り詰め切り詰めされていて…あえて触れませんでしたが、児童館で外部から講師を呼んで実施しているイベントなどについても約100万円削り取られていたり、いろいろなやりくりをして対応を考えていることは分かったものの公立保育園のピアノの調律費用を削っていたりと…細かいところは「塵も積もれば」とばかりに現場職員がいろいろと腐心していることがわかる予算になっているんです。そこを思うとき、今、「未来への投資」と手綱を緩めようとしない経営の在り方で良いのかどうかと考えさせられます。
もちろん、それは議会自身でも考えないといけないことであって、私たち議員一人ひとりにも問われていること。もちろん、「未来につながる」取組みを否定するものではありません。ただ、私たちは何を見据えていく必要があるのか、今後、どんな将来に向き合っていかねばならないのかを考える時、既定路線をそのまま継続していくことだけで良いのかどうか問わねばならないと思います。それぞれ事業単体で見れば、どれも必要なものであって、その事業に関わる職員は愚直に取組んでいるけれど、でもそれは「タコつぼ」なんですよね。だから、もっと俯瞰的に捉えて、大局的な見地から「多摩市の経営」を考えて判断していくことがもっと必要になっていると思う。市長だけを責めるとかではなく、議会も一緒になって決めてきていることだから。だからこそ、「これで本当に良いのか」って考えていく必要もあると思う。このままで本当に「将来世代に負担を先送りしない」になっているのかどうか。
パルテノン多摩4階のキッズスペースも同様。そういえば、今、気が付きましたけれど、「たまっこ」との差異と言えば、ちょっと違うところと言えば、立地するパルテノン多摩という場所が、他市からの利用者も集めることが期待される施設であるということかもしれませんが、それにしても、やっぱり、ここがどれほどの「効果」を見込むのかですね。もちろん、子育て施設ですから、そこで思いっきり利益をあげるとかそんなものではない。でも、この場所があって、パルテノン多摩全体にとってどうプラスになっていくかを考えて、そして、それが市民の暮らしにどうつながっていくのかも考えて。
今日の質疑をしていても感じるのは、キッズスペースは子ども青少年部の所管でそれ以外のホールとか会議室などなど含めて所管するのはくらしと文化部であって、「縦割りか?!」と。パルテノン多摩全体の運営に弊害が出ないようにしてほしいですね。役所の連携は「密」にしてください!と思います。とりあえず、今のところはまだ取組みの推移を見守りますが、パルテノン多摩のホームページを見ても、4階がどう変わるのかとか、なんか、ホームページを見てもワクワクしませんので、早く、こちらも何とかしてもらいたい。「広報戦略」とかどうなっているのか?とかく、「令和の大改修」とかセンスのない表現も気になるので早めにホームページのリニューアルをしてもらいたい(「ダサい」とかそういうのを超えて、私にとっては絶句に近く、何なのこの表現…としか思えない。)。今、鋭意取り組みを進めているという答弁だったので、どんな風にセンスアップするのか楽しみ。