6月議会の最終日でした。今日、提出された補正予算なども合わせ、すべての議案が無事に議決されました。そして、計らずも、私にとっては実質、多摩市議会議員として本会議に出席をする最後の一日となりました。
今日の補正予算でも、東京都議会議員選挙の補欠選挙の実施に関する予算が約1千万円程度追加で提案され、可決していますが、現在実施している東京都知事選挙に合わせ、多摩市と稲城市を選挙区とする東京都議会議員補欠選挙が実施される運びとなりました。闘病されていた石川良一都議が亡くなられ、欠員が生じたために行われることとなり、選挙の実施が決定したのが19日のことでした。
石川都議とは、民進党に所属をしていた時には一瞬…共に活動をしたこともあります。政党は所属する地方議員の意見などには耳を貸さず、くっついたり離れたりするもので…当時は「維新の党」に所属されていた石川都議と「民主党」にいた私が…無理やり「民進党」で合流した時には何だか違和感があったことも確かです。ただ、古く懐かしい写真を発掘すると、一緒に選挙カーに乗車をしたこともあれば、街頭演説をしたこともありました。市長経験を経て、都議会議員として活躍されるという経歴はなかなか異色だと思っていますが、都議会では議長も務められ、活躍されていたことも思い出します。議長就任のお祝いの会には、増田元議員を通じ、折戸議員、白田議員とともに出席したことも今となってはありがたいご縁だったと思います。
地域の行事等で、お会いした折にお話しをさせていただくときに感じていたのは、いろいろな物事に対して、動じず受け止める安定感でした。感情コントロールがとても上手な方だという印象が強かったです。体調を崩されたことは聴いていましたが、その後も精力的に地域の行事などには出席もされていた姿も拝見しており、病気も克服されつつあるのだと思っていましたので、訃報を耳にし、息を呑むくらいに驚きました。
さて、それに伴い、こうしたかたちで実施される選挙なので想いは複雑にもなりますが、でも、この間、「今の都政に対する疑問」の声をたくさん伺ったり、そして、市民の皆さんと共に「都政を変える」ためには新しい都知事の誕生が必要だと考えて行動してきたこと、それを通じて、「女性」「子育て」の経験を踏まえた「生活者」の視点が、もっと都議会にも必要ではないかと考え、立憲民主党に公認申請を出しました。
正直、政党に所属することへのウンザリもあり、生活者ネットワークから市議会議員の活動を始め、その後、民主党~民進党…そして、今は「どこにも所属せず」で活動してきた自分にとっては、政党に所属することそのものへのハードルは高く、今後の活動をどうしていくべきなのか、気持ちの整理、自分の中で乗り越えなければいけない気持ちもありました。ただ、やはり都議会ともなると、多摩市だけに目を向けていればいいというわけでなく、もちろん、ここは南多摩選挙区であり、稲城市にもフィールドを広げていく必要もあり、自分が捉えていかなければならない範囲は広がります。さらに、そこから、東京都全体を考えていく必要がある。視野を広げ、視座を高めていくためには、日常的に政策議論のできる場を持つ必要があるだろうと判断しました。立憲民主党に公認申請を出したのは、党の基本理念である「立憲主義と熟議を重んずる民主政治を守り育て、人間の命とくらしを守る、国民が主役の政党です。」という崇高な理念を自分も追求したいと思えたからです。
人のいのち、くらしを守っていく。そのための政治を市民と共につくっていく。
これについては市議会議員としても都議会議員としても、変わらぬ姿勢として貫くべきことです。昨日、立憲民主党の党本部の会議があり、正式に都議会議員予定候補として決定をいただきました。自分にとっても、まったく想定もしていなかったことであり、月末からは毎年お声をかけていただく大学でのゲスト講義、また、市民の方へのヒアリング、勉強会とさまざまな予定がありましたが、ようやく正式に決まったので、スケジュール再調整等しているところです。市議会議員としての活躍を期待してくださった多くの皆さんがいて、そして、活動を見守り支えてくださった皆さんのおかげで22年間活動をしてきました。ご縁のある方々へのご挨拶もやりきれず、ここのところ連日、ポスター作成をはじめ、準備を整えているところです。私が市議会議員の補欠選挙に出た時も、本当にたくさんの方が表に裏にと支援をくださったことを思い出しています。生活者ネットワークの都議会議員だった新井美沙子さんのことも思い出しています。
たくさんの方の志があり、今の多摩市の政治があります。「市民のために仕事をしたい」というのは首長、議員、すべて選挙を経て選ばれ職を得てきたすべてすべての人の共通事項だと思っています。「市民のために今、最善を尽くしていく」、そのために政党とか会派の壁を乗り越えて、協力ができていくことが、何よりも市民にとって必要なことだと考えています。多摩市議会には本当にいい議会風土があり、それを引き継いで、活動をさせていただいたことに本当に感謝しています。「違いは力」そして、むしろ、みんなが同じだったら、怖い。逆に、違うからいいんだと思っています。でも、違っていても、それを「乗り越えよう」とするところにこそ「力強さ」が宿っていくように思っています。社会はそうやって、発展してきたとも考えています。
「信頼できる都政を市民と共につくっていく!」、多摩市議会と稲城市議会の有志の皆さんと一緒に一歩踏み出します。みんなと「志」を共にしてのスタートができること、緊張感と責任感でいっぱいです。こんなかたちでのご報告になってしまったこと、申し訳ありません。どうか、ご理解をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
今日の本会議、自分の想いを最後にちょっとだけ込めて討論しました。6請願第一号 日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求める意見書提出に関する請願について討論です。これが、多摩市議会での最後の発言。
石川良一さん、今までありがとうございました。「市民のために、都民のために」と全力を尽くされてきたこと、その「志」があって、わたしたちの社会、そして多摩市もまた支えられてきたのだと思っています。心からご冥福をお祈りいたします。