「開かれた議会」

無病息災を願う伝統の行事についても、時代環境と共に肩身が狭くなるというのか、取り巻く事情が異なってきて、今は「点火をしない地域」もあるやに聞きました。諏訪小学校で恒例行事として開催してきたどんど焼きも同様で、近隣に配慮した新たなやり方を模索…。結果的にはキャンプファイヤーのようなやぐら?になっておりますが、それでも、辰年生まれの子どもたちが点火し、炎が立ち上がれば歓声が上がり、天にたくさんの祈りが舞い上がってくれたかな?とは思います。

「字が上手くなりますように」…って書初め用紙も多数、燃えていきました。終わった後に校庭をきれいにするところまでが大事。各地域でのことを聞いても、裏方をやる人手の確保など、長く継続していくためにはいろんな意味で理解が広がっていかなければならないんだろうなと感じます。

夕刻から、諏訪神社のどんど焼きものぞいてきましたが、「こんなの今でもやっているんですね」って声を掛けられて、「そういえば、私も、多摩市に引っ越してきてから体験した行事の一つだな」と思い起こしました。「学校とかでやっていて、驚いた」とも耳にしたことがありますが、多摩市内ではわりと学校の校庭を使用したどんど焼きが行われていて、市内に限って言えば、物珍しい感じはなく当たり前なのですが。それだけ、広々している校庭と周辺環境と…恵まれた条件がある証拠かもしれません。

さて、今日は市庁舎建替基本計画特別委員会の意見交換がありまして、ざっくばらんに話し合いながら、各会派の考えを出し合いながら合意点を探る作業でした。意見のすり合わせというのは、文字面だけでは伝わってこないことまで理解できる点がよいなと思います。本当はこうした場こそ、市民に「見える化」できると、「議会って、意外と面白い」と思ってもらえるかも。そのことが「開かれた議会になる」ために大事な要素の一つになるのではないか…とさえ思うのです。

今日の話し合いでも、新たな本庁舎の「議会フロア」をどう設けていくか…そのために最低限でまず合意できる「こうしてほしい」についてざっくりと意見の方向性を纏めていきましたが、「開かれた議会にするためにも、設計思想は大事。だから、本会議場を市民開放していく。使ってない時にはどんどんいろんな人に使ってもらうべき」という意見が出され、それに対し、賛否両論。議会が開催されていないときの本会議場は「稼働率が低い」とする意見も理解できないわけではありませんが、本会議場を市民などに貸し出していないのは「閉じられている」という考えに、私自身はどうもついていけず。なぜなら、例えば、市長室を「ガラス張り」にすると「行政運営の透明性が高まる」と直に結びつくものではないことと同様。要するに実が伴っていかなければ、単なるパフォーマンスに陥るだけですね。また、本会議場の貸出の有無が「開かれた議会」かどうかを測るような評価指標にならないと思うからですね。

「開かれた議会。」

これを考えていくうえで、やっぱり大事だなと思うのは、会議の公開とか資料の公開やら共有とか、そこから始まる気がするのですね。まずは、傍聴しやすくすることが最優先であって、さらには傍聴した市民が「また、見に行きたくなる」というような議論が行われているとか…が何よりも重要。「議場を市民に使ってもらう」よりも前に取り組むべき点、改善するべき点がいっぱいありそう。まあ、「だから、使わないで」というわけではないのですが、多摩市ってこれだけホールとして使用できるような公共施設もそろっていて、あえて本会議場なの?‥‥とも。

「そもそも、市民って本会議場を利用したいって考えているのだろうか?ニーズが把握されていないのでは?」

という意見も出されたのですが、市民のニーズはそれほど高いとは思えないです。「使って!」と宣伝していなければ市民は使えることも知らない…というのもご尤もですが、でも、正直言って、現在地での建替えを考えると、ニーズが高まるようにも思えません。興味本位で議場を使うということはあったとしても、それ以上でもそれ以下でもないような…もっと便利な立地によい公共施設があるのでは?みたいな。そしてそっちをまず使用してもらう方がよいのでは?みたいな。

 

また、議会は1階に配置して、市民から最も見えやすい場所にしたらいいのでは?という意見に対しても思ったことですが、とにかく既に決定している「現在地で建替え」ですし、「どうにもこうにもわざわざ来なければならない」多摩市役所本庁舎であって、そこにある「多摩市議会」にならざるを得ません。1階に設置をすることで得られる効果とか、意味も期待されるほどにはならなさそう。いずれにせよ、「わざわざ来てもらう議会」になってしまうわけですから。「わざわざついでで、どこの階にあろうが、まあいいかな」とも思ったりするのです。「わざわざ来なければならない」について、私は今でも引っ掛かっていますが、「みんなにとって等しく不便な場所での建替え」を選択している現状を直視したいものです。まず、大事なことは「開かれた議会」になるための内容の充実。わざわざ苦労して、人をかき集めて「議会報告会」などをやるようなことではなく、人が集まっているところに議会が出張していって、見える化していく取組みとか、もっとできることもあって工夫するところは別。個人的には「議会フロア」のセキュリティについては高めておいた方がいいと考えています。そのことが市民をシャットアウトするとか、そういうことと思われないようにするのもまさにソフト、内容次第ではないかなと。

華美にせず、必要な機能がきちんとある議会があればいいなと思ってます。そして、議会図書室は行政資料室と一体化することで充実が図れないかな…という点だけは考えておきたい。