歳出は議会費はほぼすっ飛ばされ、総務費からの質疑。予め質疑項目が通告されているだけあり、ちゃんと答弁調整されているような印象もあります。質疑項目を議会として公式に事前通告はしていなくても、もちろん、質疑したい内容については所管と調整はするので、結局結果、同じことかなとも思いますが、それでも、他議員の質疑を聞いていて、ふと付け足ししたいと思うことを急に質疑する場合もあるなー。そんなわけで、総務費で取り上げた質疑項目のこと記録しておきます。
■情報システム関係の費用(ペーパーレス化をめざして、タブレット端末を活用していくという方針が示されたことに関して)
今日は市議会が使用している「サイドブックス」を行政側も導入するということだったので、これは市議会と文書の共有がスムーズにできるのか?とも思ったのですが、やはり、行政の保有する情報はかなり高度にセキュリティの壁。当然と言えば当然ですが、私たちが日常利用しているインターネット環境をそのまま活用するわけにはいかないシステムになっているということ。説明しだすと長くなるので割愛ですが、要するに、議会との文書共有がクラウド上で簡単にできるわけではないことが明らかになったのでやや残念。しかし、それはそれでセキュリティがしっかりしているシステムの中で行政情報が守られているという証ですね。
これから、もっともっとIT化が進んでいき、会議のやり方もどんどんと変わっていくでしょうし、仕事の仕方も変わること間違いなし。オンライン会議と言えば、最近、私は初めてZoomを使った会議にも参加してみましたが、何と、この新型コロナウイルス対応で、Zoomを使ったプロポーザルに挑戦しているところもあるやに聞いております。その意味では、従来の業務の在り方を見直していくために、タブレット端末を導入し、サイドブックスのシステムを活用した会議などを行っていきたいというのは必要なこと。今回の行政側に導入するタブレット端末は学校で使用していたiPadのリサイクル品ということですが、まあ、業務改善にもつなげていくというか、少しは(では困るが)ペーパーレスもめざして取り組みたいとの意気込みは応援していきたいと思います。
今回の新型コロナウイルスへの対応、あるいは災害時の情報発信などでも、SNSを上手に活用している首長さんなどのセンスは光っていますね。首長がIT関係にも明るいというのか、強いというのか、面白がれるというのか、チャレンジ精神があるというのか、その場合には部下である職員の皆さんもそれに引っ張られるように、使いこなせるようになるのではないか?…とも期待をするので、ぜひ、タブレット端末をサクサク操作し、さっそうとタブレットを持ち、プレゼンをするくらいのカッコよさを見せてほしいなー・・・なんて市長副市長にエールを送らせていただきました。副市長…あ、多摩市には副市長が2名いるのですが、答弁をしてくれたのは浦野副市長はとても前向きな姿勢を示してくださったと思うので、サイドブックスを使用したプレゼンなど、今後、期待したいと思います。
サイドブックスを提供している会社の方とお話をしますと「行政が会議などでタブレット端末を使用するようになると、資料の作成の仕方が変わるよ」と聞いております。おそらく紙媒体を前提とした、今までのありようと変わるということでしょうね。タブレット端末での見やすさが意識されるとすると、そこはありがたいことですね。
とはいえ、まずは管理職の会議からタブレットを使用した会議にしていくということで、これを全職員にも…となった場合には、それこそ莫大に予算が必要になってくるわけ。そのあたりも見込みつつ、市役所の情報推進に関する方針やら計画やら改めて策定していく重要性は共通認識できたかなと思っています。
■パルテノン多摩というよりか、多摩市文化振興財団のこと
これは、他の議員からみれば「こだわりすぎ」とか言われるかもしれませんが、とにかく…私が思うのは多摩市文化振興財団というのは市の外郭団体であって、税金によって支えられているというか、維持されているし活動している法人であることの自覚が足りなすぎて困ってます…ということです。
いよいよ始まる大規模改修工事、それに伴って事務所を一時移転しなければなりませが…その移転先がいつのまにか多摩センターの新都市センタービルになっていたということですね。なるべく経費をかけないようにするということから、旧豊ヶ丘中学校の校舎の一角も事務所の移転先として候補に挙がっていたんですね。その場合には、多少なりとも事務所機能が果たせるような工事に約350万円から400万円は必要だったと思いますが、しかし、家賃は不要ですし、あとはランニングコストを見込んでおけばいいのかなと思っていました。できる限り節約をして…ですよね。
ところが、ランニングコストなども含めて年間約1300万程度の場所を借りるというのでまあびっくり。家賃にして月額100万円以上ですからね…。利便性などを考えたそうですけれど、しかし、そんなにも利便性優先する必要あるのかいささか疑問。また、駐車場とか何台確保できるのかわかりませんが、行政が財団と打ち合わせをする場合、多くの場合は庁用車で移動するはずなんですよね。頻繁に打ち合わせをするとしたら、駐車場はどうなるのか?別途に支払うとなれば、意外と馬鹿にはならない小銭やらが支出されていくのでしょうね…市民の税金から(あの周辺はそれこそ、すべて新都市センターがタイムズに任せている有料駐車場な気がする。1時間240円)。
というようなことなど、私としては「ちょっとどうなんだろう?この家賃って?」と思う部分もありますが、旧豊ヶ丘中学校で今回のパルテノン多摩の休館にあたって確保できるスペースは「備品類でいっぱいになってしまうことが見込まれる」ということのようです。これから、備品類はいるかいらないかを仕分けをして運び込みをするはずなのに、「いっぱいになることが想定される」…ということの答弁のこともその場でも、本当はよくわからない(でも、突っ込みすぎることは控えて、あえて聞かなかったが)。
市としては、新都市センタービルの賃料については、財団が自己資金で支出することなどを踏まえてOKを出したのかもしれませんけれど、私が言いたいのは「財団の自己資金と言っても、全部税金でしょ!」ってことなんですね。そのこと伝わっていればありがたいと思います。
財団の自己資金とやらは、パルテノン多摩を存続するために市が支出してきた指定管理料やらの一部を使わずにちょっとずつちょっとずつお取り置きしていただけの話であって、その原資は税金他なりませんからね。そのこと忘れてほしくないですね。だからこそ、その認識を欠いているのではないかと思われるような支出になっているかいないかを評価し、見極める力が行政には求められるのです。なので、今日、問題点として指摘をしておいた改修に備えた特別な貯金(改修関係事業積立資産)4900万円に関しても、「これは財団のカネなんだから、財団で自由に使ってもいい」という発想に捉われているとしか思えない財団作成の資料には違和感を持たずにいられなかったわけです。
くどいようですが、「一旦、財団のお財布に入ったお金は財団の自由になる」…過去、そのような時代もあったのかもしれませんが、そんな意識とは決別してもらわなければなりません。今回の大規模改修工事にしてもとにかく少しでも予算を削らないといけないと神経をすり減らしながら努力をしてきたのが市の担当者たち。ですので、その努力に水を差すようなことはしてほしくありません。
で、当該資料に対する私の問題意識、違和感を質疑したところ「ここに書かれている内容(博物館エリアの展示物などの作成にあたり、4900万円をすべて、しかも…余すところなくきっちりと使い切るという計画)は、あくまでも参考にすぎない。これから、計画内容が具体化される中で金額も精査されていくと認識している。」という見解でしたので、「あーよかった」と思いました。
実は、昨日の段階で、この資料に対する違和感を副市長に伝えていました。なぜなら、この資料、パルテノン多摩の評議員会のメンバーでもある副市長が今年の2月の評議員会でご覧になっているはずの資料。その会議の議事録がまだ議会と共有されておらず、読むことができなかったので、何気なく「評議員会では、この件でどんな協議がされたですか?そのことを質疑で伺いたいと思っています。」と事前通告をしておいたのです。評議員会に出席をしている副市長にしか答弁していただけない内容だなあと思ったので。
来場者の通路部分も含めてだいたい70㎡くらしか確保できない場所の展示物の作成ということは、実質的には展示物が置ける場所などは35㎡くらいだと推測できるのに…なぜか、展示製作費の単価50.7万円/㎡×70㎡(実質展示面積)ということで約4000万円と試算が示されている(実質展示面積を70㎡にしているのがおかしい)。そして、そのための設計費が約400万円、それに加えてプランニングに500万円(これはきっかり。しかし、その根拠は何なの?どんな見積もり?質疑では突っ込んで聞かなかったけれど不明)…で合計が4900万円ピッタシ。(この資料の信ぴょう性がなあ…)。
資料に書かれていることは「あくまでも参考」ということの理解に留めておけばいいことがわかりましたのので、私もそのように受け止めておきます。もし、指摘しなければ、そのままスルーされていたかもしれないと思うと…。付け加えるならば、そもそもパルテノン多摩の改修は「市民とともに」がコンセプトであったことを考えれば、市民と一緒にプランニングなどをしていくことにより、もっともっと低廉な予算で「より良いもの」が実現できる可能性もあります。そうした可能性を追求することが必要ですね。
何より、これからの博物館スペースは「固定的なものを展示して、いつ足運んでも変わり映えのしないような、パッとしなくてつまらない。二度と行かない!と思われないような場所にする」ことが前提であって、担当所管もそうした認識を持っています。にも関わらず、一体・・・「4900万円」・・・何にそんな金額を投じようとしているのでしょう。ど素人の私ですが、しかし、「お金あるから使っていい」ということではないとだけ思います。その金額の必要性は当然問われるべきでしょう。議会が望んでいるのも「立派な展示制作物が置いてあること」ではなかったはず。
そして、大事なことは…そもそも市民がパルテノン多摩に望んでいるのは「お仕着せにはしないで!」ということ。敷居の高さを払拭していくことが何よりも大事。そこで、「一緒につくる、一緒に盛り上げる」が改修のコンセプトに盛り込まれているはずなんです。ここを着実に形にしていく営み、要するにプランニング、企画段階から市民とともにを実践していくことで、今後の博物館事業の展開にもつなげていかねばならないのです。
博物館部門。今はたったお二人の学芸員の方が市民とともにを実践してきた歩み、それにとても苦労していることも存じ上げております。しかし、ここから、さらに加速化させていくこと、あるいは、もっともっと根付くものとして進化させていくにはどうしていったらいいのか?なおかつ、今までパルテノン多摩にも関わったことがない人まで取り込んでいくにはどうしたらいいのか?となどなど、過去に対する批判や厳しい評価も踏まえ、今、求められていることを改めて確認すべきです。「どうあるべきか」を再考してほしいと思っています。なぜなら、4900万円。大きなお金です。この件でも私の拙い質疑に答弁をしてくれた浦野副市長が「元を辿れば税金」とちゃんと述べてくれてホントにありがたい限り。今後の再検討、副市長の答弁を伺う限りでは、当然ながら見直しが図られるものと思っていますが、多摩市文化振興財団にはもっともっと「市民の税金が使われている」ことの意識を研ぎ澄ませてほしい。
もちろん文化はお金がかかるといわれますし、実際にそうだと思いますが、「だから仕方ない」ではない。工夫しなければならないし、知恵を集めなければならない。言ってみれば、金をかければどんなことでもできるけれど、これからはそれほどお金をつぎ込むことのできる時代ではないからこそ、今、このタイミングでしっかりと意識改革含めて取り組んでおく必要があるのです。
そんなことで、気になるニュース。台湾が新型コロナウイルス対応で、日本への渡航中止勧告を出したということ。今月末には、オリンピック・パラリンピック関係で、確か…台湾のバドミントンチームが多摩市の総合体育館で強化練習をすることになっていて、その正式な契約が行われる予定だったのに。どうなるんだろう。
今日も各議員からいろんな観点で質疑があり、マイナンバー関係では強く後押しする意見があれば、否定的な立場からの意見もありということで、双方の見解を聴けたのはよかったです。こうした議会に多様な意見がある場合、行政がどう対応するのか…その姿勢をフォローすることで「多摩市政のかたち」が見えてくるのがまた面白いところかもしれません。明日も予算審議は続きます…民生費でも高齢者福祉分野から質疑が始まると思います。
(最後まで読んでくださり、ありがとうございます。今日に限らずですが、「長すぎる」って言われたので気にしているのですが…)