多摩ニュータウン再生会議を傍聴してきました。会議そのものは今年度2回目。1回目と2回目の会議の間でも、プロジェクトが進行し、今日の報告へと結びついているようです。正直、「この間の動き」がどうあったのか、どんな議論をしてきたのかが見えないわけですが、本当は、「この間の動き」と「議論」がとても重要で、アウトプットだけが出されたところで、市民はもちろんのこと・・・議員も置き去りにされているというか、一部の人たちだけで進めているだけのプロジェクトに見えてしまうことが残念ですね。
「そういうつもり」ではなくても、結果的に「そうなってしまう」という場合もあると思っていて、多摩ニュータウン再生問題は行政だけが勝手に進めているような印象が強いです。
なおかつ、提出されていた資料に、「諏訪・永山地区まちづくり計画」のイメージパースがいくつか掲載されていたのですが、「これ、どこ?」「今のどこが、こうなるの?」・・・というような絵図になっており、議論を聞いていると完成形になるのは随分向こうというかまだ先のことのようですが、しかしその時代にここまでの再整備が必要なんだろうか?・・・このまちにどんな人が住んでいるのだろうか?あるいは、永山と多摩センター、そして桜ヶ丘と・・・・3つのエリアがどう進化していくのかも含めて、考慮されているのだろうか?・・・とする思いがフツフツとわいてきます。
多摩市の人口動態で考えても、「多摩市人口ビジョン検討資料」(多摩市まち・ひと・しごと創生総合戦略の検討資料)でも、このままいけば・・・。
>将来推計。
・平成42年には139,200人、平成72年には100,606人(平成22年比で▲32%)まで減少
・平成72年の生産年齢人口(15~64歳)、年少人口(0~14歳)は平成22年比で半減、老年人口(65歳以上)は4割増と大幅な増加
>人口構造。
・平成72年には年少人口(0~14歳)は8.2%まで低下
・生産年齢人口(15~64歳)は48.7%まで低下
・老年人口(65歳以上)は43.1%まで上昇、平成22年の20.9%と比べて大幅な上昇
>以上について再度まとめ。
・将来的には人口が大幅に減少・・・50年後の総人口は32%減
→平成22年の14.7万人から平成72年には10万人まで減少、人口維持は難しい状況
・高齢化の急速な進行・・・50年後の高齢化率は43%に
→平成72年の老年人口は4割増、高齢化率43%まで上昇
・生産年齢人口の減少と少子化・・・出生率は全国平均を大きく下回る
→平成72年には年少・生産年齢人口は半減
→平成25年の多摩市の合計特殊出生率は1.13と全国平均の1.43を大きく下回る水準
としていることを考えて、そしてまた、それをも踏まえて・・・じゃあどうするか?いろいろ対策をするけれど、
・将来展望人口・・・ 50年後の平成72年の人口は11.7万人に(老年人口比率39.5%)
これが向かって行く先だとすれば、いつの頃のイメージパースになっているのかわからないけれど、何となく感覚的にもシックリといかないのですね。そしてまた、「市庁舎問題」について言えば、市民も交えての検討委員会の中で永山駅周辺への移転は選択肢からそぎ落とされたかと思っておりましたが、「駅拠点の再構築」の中では、「庁舎の在り方の検討状況を踏まえつつ平成29年度に勉強会を立ち上げ予定」となっていて、「検討状況を踏まえつつ」というのがどう踏まえられるのだろう?と考えたりもしました。
公募市民で参加している方が「市民と一緒に考える仕組み」に言及されていましたが、その視点はとても重要ですね。なおかつ、やっぱり、これから人が減っていく時代のまちづくりをどう進めるかもまた問われているように気がします。何となく、これからもまだ「成長すること」が前提でニュータウン再生が描かれているような気がしてならないからです。でも、国全体でも人口は減少していくわけですし。ついでに言えば、50年後の多摩市の人口11,7万人と同じころと言えば、もう昭和60年よりも前のことですし・・・その時にはパルテノン多摩もなかったですし・・・。でも、年少人口は今の2倍くらいいたわけですが・・・。
人口動態を考えていくことは必要ですし、大事なことですね。パルテノン多摩を大規模改修も多摩ニュータウンの再生も・・・前提となる状況や条件ももう一度確認した上で、議論を進めていきたいですね。そうなると「何もやるな」「何もしなくて」・・・と言われてしまいそうですが、今日の会議の席上でも「財政問題とセットで考えていかないと。まちを維持する費用も重くなっていく。」とちゃんと発言されていた企画政策部長の釘さしに「そうそう、そうなの!」と思ってしまいました。
そして、会議の席上で・・・URの方からも興味深い発言。「建替えは考えていない。」とのことでした。適切にストック管理をしていくのだそうです。適切なストック管理とは、見合って戸数全体も減らしていく・・・になるのかなあ?
「すてきな暮らし」を発信しつづけられることが大切ですね。もちろん、発信するのは、働いている・・・も含めて、ここに「暮らす」人達♪ついでに言えば、まずは、ここに職場のある多摩市の職員さんたちは「多摩市のこと好きかなあ。」「いいまち!」って感じてくれているかなあ。