議会の傍聴に「親子室」は必要?

本庁舎建替基本計画特別委員会で「議会エリア」をどうするのか取りまとめ、行政側に提示しました。先週末、事前にある程度まで文章内容…一言一句を確認したものを事務局がまとめてくれていたのですが、それについて、「子どもや声を出すことのある障がいのある方の傍聴のしやすさに特別に配慮した対応も必要ではないか」‥‥ということで、いわゆる、「親子室」的なものを念頭にした意見が再度、出されました。

しかし、「親子室」のような部屋は本当に必要なのか?「親子室」のように防音機能のある部屋の有無が議会傍聴のしやすさしにくさにつながっているのでしょうか?

実際に、清瀬市議会に視察に行った際、傍聴席の一角に「親子室」があり、子ども連れでも気兼ねなく傍聴ができるような設えがありましたが、それほどには活用されていないようでした。親子室って…逆に言えば、閉じ込められる空間になっていて、はっきりいって、空気が薄いんですよね。私も昔の記憶でしかありませんが、数回、使ったこともありますが…逆に落ち着かないというのか。親子室だからゆっくり鑑賞できるというものでもありません。むしろ、「親子での鑑賞可能」とか、子どもが声を出してもいいこと前提になっているコンサートなどは居心地よく楽しめるわけで…そのことを思い出しても、「親子室」の必要性はどうなのかなあと。

それに、コンサートや演劇などの演出上「静謐」が必要であれば話は別ですが、傍聴するのは…会議であって、市民の広場…のイメージもわくような「議会」。そうなると余計に、「親子室」などのような場所はなくとも、良いのではないかなあと?

一方で、「市議会」については、荘厳にする必要はなく、市民に身近な存在でありたいとしていることを考えても、それこそ、市民の生活感など含めて、そのまま持ち込むことを良しとすることのほうが大事ではないかなあと?

で、そもそも、議会に傍聴に来ないというのは、「親子室」の有無とは関係ないはずで、足を運ばなければならないということも含めて、足を運ぼうという市民の動機が全く後押しされるような状況になっていないが原因だと思うので。もちろん、足を運ぶまでのことはなく、安定的に市政が運営されているから‥‥とも言えますが、まあ、必ずしもそうは言えず、「関心を持たれていないから」というのがかなり正確に近い回答かも。

いまや多様性の時代。「インクルーシブ」が重要視されている時代のなかで、議会でもその発想を持ち、傍聴席での多様性をみんなで受け止められるようにしていきたいものです。もちろん、ものすごーくものすごーく会議が妨げられるようなことがあれば、そこはきちんと整理をするのが議長の役目かなとも思いますし。

最初から「区別」して、専用エリアを設けることも考え方の一つかもしれませんが、私の考えとは違うかな。

結果的には「親子室」などを設置するようなことではなく、私たちの受け入れる姿勢というのか、気構えも大切になってくるということ、あるいは、もし、傍聴する当事者が気になったときに本会議場の傍聴席から退出しても、そのまま追い返すことなく、ロビーなどでも引き続き見れるような工夫など、クールダウンできるようなスペースというのか、空間があるとか…まあ、とにかく、そもそも場に応じて、最良の対応ができればいいのではないかと考えています。

というか、今度できる本庁舎というのは…そもそもその発想が「市民がわざわざ足を運ばなくてもいい」というのがコンセプトなんですけどね‥‥(私は同意しがたい)。わざわざ大層に足を運ばなければならないような現在地での建替えだから、そのコンセプトを取り入れることになっていることは頭に留めておかなければですね。つまり、気軽に議会に足を運び、五感を使って傍聴できるような環境をつくるとして、最初からハンディがありすぎるってところで。