今日は昨日に引き続く、市長施政方針に対する代表質問と一般質問でした。代表質問は公明党を代表した三階道雄副議長、生活者ネット・社民の代表で岩崎みなこ議員が登壇しました。その後は、同じ会派の藤條たかゆき議員から一般質問がはじまり、小林憲一議員、遠藤ちひろ議員の一般質問と続きました。
三階副議長の代表質問はいつもながら落ち着いたやりとり。安定感がある…というのが全体的な感想でした。いろいろと注文はありつつも、市長の進めている方向性には肯定的な立場からの発言なので、対する行政側の答弁にもどことなく温かさを感じるのは気のせいでしょうか?
続く、岩崎議員は、彼女の感性を活かし、市長にかなり厳しい投げかけをされていましたが、それについて心の中では「確かにそのとおりだ」と思った議員は少なからずいたはずです。岩崎さんは今回の施政方針のなかで「児童虐待に対する言及が一言もなされていなかった」ことへの失望と憤りを述べておられたわけですが、代表質問でも施政方針の内容に忠実に寄り添って質疑をされた共産党以外の会派は「児童虐待」のことに触れ、取り上げていました。昨年からも児童虐待に関連して心の痛むニュースが相次ぐ中、とりわけ勇気を出して大人にSOSを発した子どもが救われなかった千葉県野田市において発生した悲しい出来事は私たち議員にとってももちろん衝撃的すぎることであり、言葉を失うようなことでした。「わが市は大丈夫なのか?」と思ったに違いないからです。「子どもを裏切った大人」…岩崎さんがおっしゃっていたように、残念を通り過ぎて、なんと表現をしたらいいのかわからないような事態でもありました。
今回の施政方針で、この件に市長が直接言及することはなく、三階副議長も「施政方針には特にありませんが…」と前を機をしたうえで、児童虐待のことについて尋ねていました。もちろん、施政方針の中に市政のありとあらゆること全てを盛り込むことは難しいというのは理解するわけですが、しかし、やはり多摩市の感度というのか、市長の感性を表すというのか、結果的にこの問題に対する重要度、優先順位のほどを露呈することになったというのは言うまでもないことです。市長一人で施政方針演説を執筆するわけではないでしょうから、「多摩市の感度」とも言えるのかもしれませんが、しかし、児童虐待に対応し、奮闘している現場は職員一人ひとりも気持を張りつめながら、日々を過ごしていることを思うと…一言くらい言及しても良かったですよね。
市長は岩崎さんの厳しい指摘に対し、「素直に受け止める」とされていましたが、受け止めていただいたうえでの次の一歩を必ず示していただきたいものですね。私としては、児童虐待に対する言及がなかったことが、一昨日の全員協議会においても「子どもの人権に関する記述が希薄になった」とする指摘もされていたことともつながるかんじがしてならないのでした。
さて、代表質問の後は一般質問へ。自分自身の議員活動を振り返りながら、総括した内容の質問をされる方が多そうですね。ふりかえり質問というのはとても大切だと思っていますが、小林憲一議員はさすが…ベテランだなと思うのは、「どこまで進んでいるのか」「何がまだ足りないのか」ということをきちんと分析して、市側を質していたことですね。単に市側に考え方を尋ねるだけ、あるいは自分自身の一方的な主張を述べるだけというのではなく、現状の達成度を踏まえた上で、次の提案をしていく…私にとってはお手本のようだなと思った次第です。
最近、「『地区のある家』と『屋根のある広場』イタリア発・公共建築のつくりかた」という本を紹介していただき、早速、読み始めました。これ、今、多摩市がやりたいこと、やろうとしている方向性にとてもマッチしていて、すごく参考になります。おすすめです。まだ「はじめに」のところだけしか読んでいませんが。こうした書物に学びながら、公共施設の再編、あるいは新しく建設する図書館づくりを進めていきたいですね。