交渉事なので。日医大多摩永山病院の移転建替えのこと。

一年以上前の永山駅前、URの局舎跡地の写真を引っ張り出してみましたが…今はすっかり建物は解体されてすっきり。解体中は周囲に粉塵が飛び散らないように配慮されていましたが、今はほぼ更地になっていて、近所のかたも「ここ、次は何の工事なの?」という方もいらっしゃったり、すでに、ここに病院が移転して建て替えることになっているくらいは何となく知っている方も多く、「いつ工事始まるの?」と聞かれたりもします。でも、私は「まだ、ちゃんと決まってはいません。」とか「病院が来ることも確定ではないですよ。」とお返事をしてきたところです。

 

今日は総務委員会があり、市長提出の条例改正案3件は委員会全員一致で可決。あとは委員会が所管している企画政策部、総務部、市民経済部の取組み状況について報告がありましたが、なかでも・・・「事前に目は通す」ことをさせないようにされたのかしら?と思ってしまったのが、今日の今日で資料配布されて報告されたのが「日本医科大学多摩永山病院の件」でした。明日また健康福祉委員会でも同様の内容が報告される予定になっています。

 

端的に言えば「交渉が難航している」ということ(どっちにとって難航なのか…それは立場によっても評価が違ってくると思いますが)。日医大側から提出されている文書によれば、資材の高騰なども含め、昨今の状況変化により建設費が当初の想定から70億円もプラスになり、多摩市からの援助がないと移転建替えはできません‥‥ということが書かれていました。多摩市と病院側で都度都度、文書によるやり取りがされているのですが、それに目を通す限りは、何とも言い難いやりとりが記されており、どうコメントしていいのかと、とりあえず沈黙してしまいましたが。

 

多摩市としては日医大側の要請によって、旧東永山小学校跡地と駅前のUR局舎跡地を交換し、立地による土地の評価額の違いがあり、約2億円の差額をUR側に支払うこととなりました。もちろん、市民の税金から。さらには、土地の一部「急傾斜地」に指定されていて、それが解除されなければ病院が移転できないということもあって、そのために必要な工事も実施済み。曖昧な記憶、金額不確かですが、確か数千万円レベル。できる限りでは、病院移転を前提にした環境づくりには取り組んできましたが(市民の税金で)、「それだけではね‥‥」ということのようです。日医大側からは「移転するために必要なこと」としていくつかの条件というか、項目に対する要請がありましたが、しかし、多摩市の財政状況などを考えても、そんなに簡単に「はい、わかりました」にはならないことも含まれていました。

 

ですので、そうしたことも含めて市長が日医大との折り合いをつけるために交渉を進めていました。

 

なので、議会も余計な口は出さず。もちろん交渉役である市長が不利にならないように、市民が不利益を被らないようにと見守ってきたわけです。そして、今日に至る。まずは報告を聴きおいたという感じ。個人的には、「病院側が移転を断念した時に、あの土地はどうなるのか?」という心配がますます現実的になってきたように受け止めていますが。なぜなら、噂レベルでは「日医大側は財政的な状況も勘案して、移転建替えを進めないらしい。」などとも聞こえていたので。表向きには、市側から説明される事実を「そのものだ」と受け止めて、判断し、日医大が移転できるように土地取得し、その環境を整えることも認めてきた立場ですが、やっぱり、噂も気にしつつ、気にしてきたことは事実です。

 

議会では「今後の日医大側の計画」が資料としてしっかり示されているとは言えない状況を踏まえ、市長に対しては日医大側に必要な資料の提出を求めてほしいと要望していました。税金を使うことを考えると、やっぱりきちんと判断もしていかなければなりませんし、そうそう簡単に病院に言われた内容を受け入れて、支援、援助をすることは難しいですね。もちろん、日医大永山病院が果たしている役割、その存在意義を評価したとしてもです。それは、他の民間の病院の存続に関しても同様で、地域でどんなにか果たしてきた役割があったとしても、公平公正に税金を使っていくことを考えても難しいですね。支援するしない、援助する市の基準は今のところ持ち合わせていません。これからその基準をつくる?…としても根拠などなど考えていくと実はとっても難しい。

 

いずれにせよ、今日の委員会で配布された資料も市民にもきちんと状況を伝え、経過報告するために市公式ホームページには速やかに情報掲載されることを望みます。どういう文書をやり取りしているのかとか、そのやり取りそのものを隠すことなく…文書ですから、本当はきちんと公開した方が良いのになと個人的には思っていますが、今のところ要点だけのとりまとめレベルですね。市民とどのように情報を共有しておくことが必要で大事なのかなと考えさせられます。

 

近隣住民は日々の変化を眼にしているので、やっぱり気になりますよね…(これも、5月ごろの写真ですが)。「交渉事」なので、今後の行方を見守るわけですが、かなり厳しく見立てながら、考えておくことが良いのではないかと思った次第です。