3月議会 補正予算や人事について

補正予算の審議や人事案件、来年度予算の提案などで2日間の日程が確保されていたものの、議事進行が円滑に進み、昨日1日で終了。おかげで今日ともともと明日は休会だったので、2日間も余裕の時間ができました。2日間、少し一息入れつつも予算審議に向けても準備ができるなあと思ったとたんに、どっと疲れが襲ってきた気もします。

というよりも、かなり全集中と言いますか、昨日の補正予算の質疑、討論原稿の作成など…その前の日の晩に詰めて作業をしたりして…もっと前に準備をしておけばいいのに、間際にならないと纏め上げることができずにいて…という状況だっただけですが。今回の補正予算については、いくつか気になる細かなところもあったのですが、そこは全て保留し、フェアな市政としては一点集中で質疑をすることに決め、会派の中で出た意見をもとに質疑をつくって、それから討論原稿も書いて…ということでした。

私たちがこだわったのは「レンガ坂の改修工事」に関すること。昨年10月の工事説明会以来、市民のみなさんとの話し合いが行われていた案件です。補正予算での対応が必要になった理由は大きく2つに分かれます。まずは、工事手法を変更して対応することが必要となった。これは、想定していた工事手法だと対応できないことが分かった…ということで、こうしたことは間々あるというのか、工法を変更しなければならない不測の事態とも捉えることが可能です。そして、もう一方が、いざ工事説明会を開いたところ、工事内容に対する疑義が生じ、設計変更などの対応が必要になった…という理由です。これに関しては、昨年末12月議会で一般質問をした議員もおられたわけですが、正直、私はその議員の方々が質問されている真意を推し量りかねておりました。なぜなら、改修工事の提案がされた予算審査の時には疑義が指摘されることもなく、その後の工事契約の議決の時には一切質疑も出ていなかったからです。

私はレンガ坂のユリノキの並木を誇りに思っておられる市民の方の存在は気にかかり、あるいはレンガ坂のレンガをすべて剥がし、カラーアスファルトにするところなど、個人的にも「そんなことしてもいいのか」と思っていましたが、しかし、市側が改修工事をしなければならないと判断し、その内容を決めるにあたっては、それこそ、議会の場でも「台風の時の倒木対策」という視点、「雨の日にはレンガは滑ったりして危険」という意見が出ていたことも頭にありましたし、その意見が反映されたものと受け止めており、一定程度、議会での合意形成がなされていたと考えていました。「レンガ坂なんだから、レンガを残すべき」とか「ユリノキの並木は保存すべき」との意見は記憶にありません。

かなりその昔、以前に、レンガ坂と並行に位置するクロスモールが建設される話が持ち上がった時には「ユリノキ」の伐採に意見をいただいたこともあり、その時に「ユリノキ」がどんなに大事に思われているのかを理解していたので、本当はユリノキを伐採してしまうことには心が痛みましたし、躊躇もしていました。ただし、その後の台風被害で現実を直視しなければならず、見た目の良さだけで判断はできない、安全対策の観点では、残念ながらあのユリノキ並木を残すことができないことを受け入れるしかないと思っていたのでした。

ですので、工事説明会があり、ユリノキの伐採に反対の声が上がったと聞いた時にも違和感はありませんでしたし、その通りだとも思いましたし、「でも、ここは反対している方の思いを叶えることができなくてごめんなさい」という自分にもガッカリしていたというのが正直なところです。

ところが、工事説明会を経て、状況がどんどん変わり、「工事を進めるために、市民との話し合いのもとで、設計変更をすることになった」というので本当に驚きました。何に驚いたかと言えば、議会で工事契約の議決まで終わっているのに、内容を変えることに対してです。要するに「議決の重みとは何か」が理解されていないように感じたからです。もちろん、市民の声を聴くことも必要で、重要なことだと思っているのですが、それは、議決の前の段階で済ませておくべきことであって、議員もまた、議決する前の段階で必要な意見を述べ、対応をすることが適切。一度議決をしたものについて、何の躊躇もなく簡単にちゃぶ台をひっくり返すようなことをしてしまっては、しかも議員が自らそんなことをしてしまっては…「何のための議決?」「何のための議会?」となってしまいます。

ということで、虚しさ残念さ…そしてまた、市民との協議を進めた結果の新たな提案内容に対しても「本当にこの工事内容で喜ばれるのかどうか」という疑問の個所もあり、それらについて思いっきり…憤りも含めて、ぶちまけてしまった感じではありますが、結果的には補正予算には賛成し、会派代表として意見を述べました。

令和3年度多摩市一般会計補正予算第13号について_フェアな市政

ちなみに・・・と言いますか、私たちの会派と同じ立ち位置から、他の会派の方も意見を述べられていましたので、決して、私たちの会派だけの独りよがりな意見ではないことをぜひ理解していただきたいなと思っています。この補正予算を可決したのち、レンガ坂の改修工事に関しては、工事契約内容を変更することに伴う議決も行われる予定なので、行政というか市長には、自治基本条例における「住民の直接選挙による議員で構成された、市の意思決定機関として市議会を設置します。」ということの意味を改めて確認していただきたいと思っています。

全ての事象や事柄に関し、市民の皆さんから寄せられている声には賛成もあれば、反対もあります。でも、そこを大所高所から判断し、最終的には多数決、「賛否のいずれか」を決めて、議員は議決に臨みます。その判断がすべての市民に受け入れられることはないでしょう。ただ、より多くの方に理解していただけるように納得が得られるようにと私たち議員は説明していく…これは仕事の一つになっていくのだと思います。もちろん、賛否の態度を決める過程でも、市民の方からのヒアリングもしますし、その過程で合意点を見つけることもします。そうした努力が否定されたかのよう…今回のレンガ坂の改修工事の案件に対しては、本当に議員としての立場が無くなってしまうかのようです。そのことを伝えるために質疑をして、討論をしたのですが…少しくらいは響いてくれると良いです。

そしてまた、今日は、人事案件ではオンブズマン、教育委員、副市長と選任するにあたっての同意が求められました。フェアな市政は、オンブズマン、教育委員の人事に対しては何の異論もなく同意(賛成)しました。でも、副市長については反対しました。副市長については、生活者ネットワークも反対。反対するのはその人物の良し悪しではなく、「筋」としていかがなものか?という理由です。討論は会派代表で折戸さんが。こちらに討論原稿掲載しておきます。

多摩市副市長の選任_フェアな市政

やれやれ…。