補正予算可決。中央図書館建設(図書館本館再整備)には反対しました。

ミモザ。今日はSNSにもミモザがあふれていました。国際女性デーでした。「黄色い花」は見ているだけで元気が出るのです。国際女性デーだから云々ではなく、もともとミモザの花が好きです。一週間以上前に購入して、まだ黄色がきれいなうちに吊るしておいて、ドライフラワーに。でも、乾燥しすぎて葉がポロポロしてしまいます。

今日の市議会は本会議でした。年度末で決算を見据えた補正予算、それから来年度予算について提案があり、即決案件ではオンブズマン、農業委員、人権擁護委員の人事案件、一定金額を超える予算を必要とする物品購入や工事案件については議決が必要で、職員の在宅勤務などに対応するためのパソコン購入、それから、図書館本館再整備にあたっての新規建設工事に関する契約について議会承認を求める提案がありました。本日議決を行った案件については全て可決しています。そういえば、新型コロナウイルス感染症対策基金の設置についても条例提案があり全会一致で可決しています。

補正予算については、新型コロナウイルス感染症の影響によって、予定どおりに取組めなかった事業なども多かったという説明がありました。それは、さまざまな行事が中止していることなどを考えても実感できることですね。いくつかの事業では質疑も行われましたが、特に大きな問題や課題はなかったように思います。全会一致で可決で自然かなと思いました。多摩市議会は「全会一致」という議決結果がとても多く、市民から見ると、「全会一致」に違和感があるとも言われていますが…。

さて、今日は「図書館本館再整備」について、「市民からも中央図書館をつくってほしいという声が多く聞かれる。未来への投資として、取り組んでいく。」との決意が述べられ、「多摩市立中央図書館建設工事の請負契約の締結」、関連して、電気設備工事、給排水衛生設備工事、空気調和設備工事とそれぞれの請負契約の締結についての議決も行われました。現在は旧西落合中学校に、多摩市立図書館本館があり、それを再整備するということでしたけれど、ついにそれは「中央図書館である!」ということが明確になった感じですね。今まで、「図書館本館再整備」という言葉で表現がなされ、「中央図書館機能のある本館」という説明がなされていたわけですが、名実ともに「多摩市立中央図書館」になったんだなあ…としみじみと。

図書館本館についてはいずれ再整備が必要になってくるとは認識していたものの、しかし、どうしても、現状を考える時、その一歩踏み出すところにまで…私の理解や納得が追いつきません。会派でもいろいろな視点から話し合いもしましたが、結果的には「賛成することができない」ということになりました。

第13号議案「多摩市立中央図書館建設工事の請負契約の締結について」、フェアな市政を代表し、否決の立場から討論いたします。

昨年、今年度予算案を審議している途中で、中央図書館の実施設計が昨年度中に完了しないという異常な事態がありました。当然、建築確認が下りることを前提に予算案が調整されていたわけですから、構造計算をし直さなければならないという状況はまさに想定外の状況だったんではないかと思われます。

しかし、その部分の予算を修正をしないまま押し通すということまでして市側は中央図書館工事を急ごうとしていたにも関わらず、その後の工事契約入札は不調に終わるという状況でした。そうした背景も鑑み、このコロナ禍を機会に立ち止まるチャンスであったんではないかとも感じています。

 

本議案を否決と判断する理由は、このコロナ禍で中央図書館建設工事を急いで進めるべき事業とは思えないこと、将来の市財政問題を考えると、市の他の公共施設や他事業の縮小・廃止などの取組みがないままであることが挙げられます。

 

コロナ禍で優先すべきは感染対策の他に、雇用不安、生活困難、子どもたちへの支援などの財源確保など、先日も代表質問で訴えた様に、市民生活にある格差、孤立、インフラ再整備など日常生活への影響に向き合う取組みであり、旧北貝取小学校跡地への市民活動・交流センターとふるさと資料館整備に関する議決時においても同様に述べましたが、中央図書館など新規の公共建築物や施設整備にあたっては、建築費用だけでなく、その後のランニングコストも視野に入れて慎重に考える必要があります。
そのため、将来にわたる税収見込みなど財政状況の見極めと納得ができる材料が示されない限り、これまで進行しようとしていた計画についても一度立ち止まり、再検討すべきだと考えます。

 

仮にこの状況下でも中央図書館建設事業を行おうとするならば、当初の市の姿勢で示されていた地域図書館をなくすなどの対応で図書館運営や維持管理のコストを下げる、市の他の公共施設を縮小するなどの具体的な動きが見られなければならないと思います。

残念ながら現状は、他施設をどう縮小するのか、建設費だけでなく、今後の維持管理経費は、どう市の財政問題をクリアできて賄っていけるのかが、昨年同様に見えないままです。何をもってそれらの問題を払拭できる材料となるのが明確に示されていないため納得できません。

そのため、この後審議される本議案とも関連する議案、14号、15号、16号においても同様な観点から否決することを申し上げ、討論といたします。

会派を代表して、大野議員が討論を述べてくださったのですが、私たちの会派の立ち位置というのはまさに…「新規の公共建築物や施設整備にあたっては、建築費用だけでなく、その後のランニングコストも視野に入れて慎重に考える必要があります。そのため、将来にわたる税収見込みなど財政状況の見極めと納得ができる材料が示されない限り、これまで進行しようとしていた計画についても一度立ち止まり、再検討すべきだと考えます。」ということなんですね。

施設の更新(老朽化した施設の大規模改修など)と維持管理の問題がかねてから「何とかせねばならない」とされてきた課題であって、将来世代に負担を先送りしないためにも「大胆な見直しに取り組まねばならない」としていたことがどうなってしまったのかと…。

パルテノン多摩の大規模改修も中央図書館の建設工事も都市計画税により賄えたことが「これ幸い」だったのかもしれませんが、都市計画税あ今後長期にわたって必要となる日々の維持管理費用に充てられるものではありません。今後の日常管理の費用については、どこからか捻出していく必要があるのです。つまり、今後、運営管理、維持のコストが重たくのしかかってくるのではないのか?…と捉えているということです。もともと新型コロナウイルスの影響云々は関係なく、「長期的にどうなっていくか」に対する予測、それに基づく課題認識はなされていたわけであって、現状、さらに、コロナ禍になり、財政の見通しが厳しくなったとすれば…なおさらのこと…だから、立ち止まる勇気があってもよいのではないかと思う…これが私たちの会派の結論です。(「公共施設の見直し方針と行動プログラム」はお蔵入り…していないはずなのだけれど。まだ、根本的な考え方というか、方針は継続されているはずなんだけれど…。)

とはいえ、私たちは議会では少数派も少数派…。私たちの会派以外のみなさんは「賛成」ということでしたので、市長提案のとおり、中央図書館の建設工事はいよいよ始動。もちろん、これが既定路線ですから、なかなか路線変更に踏み切れない…というのもまた判断かもしれません。私たちの会派は去年からもずっとこの案件については反対の立場でいますから、今回も貫いた…というだけ。他の会派の皆さんも、ただ、今まで通りにブレずに通しただけとも言えます。

ただ、ついつい私は「もし、これを我が家の家計に当てはめてみたら」と考えてしまうとき、社会全体の大きな変化、取り巻く環境そのものが変わってしまった以上、「再考するチャンス」である気もするのです。とにかく自分自身がすっきりした気持ちで中央図書館の建設を後押しできず、「市民に一連の流れや状況を説明しきれない」というのが本音と言えば本音。工事が始まっているものを途中でやめることは難しいかもしれませんが、まだ、工事着工前なのだから…。でも、止まらないし、止められもしないという現実があるのかもしれません。

明後日から、来年度予算の審議も始まります。会派を代表して総括的に質疑をする予定。明日は議会は休会ですが、ワクチン接種のこと等、議会説明が行われます。