問題の「後先」

このお土産は結構うれしい。

今日は子ども教育常任委員会があり、特別な調査事項にしている「パルテノン多摩の大規模改修」「図書館本館再整備と図書館政策」のことについて担当所管から進捗状況などをヒアリング。両方とも9月の定例会に補正予算で基本設計実施設計のための費用を計上するというのだから、やっぱり多摩市は財政的には全然余裕があると内外に示しているようなものだなと思っています。「財政的に厳しい」と今後言えなくなるような気がしています。

「本当はどうなのか」

という正しい姿を捉えている人がどこにいるんだろう?

もともと多摩市の身の丈に合ったふさわしい施設とは言いがたいパルテノン多摩(パルテノン多摩を建設するために職員給与の一部を凍結していたはず)の維持だけでも大変で、図書館問題について言えば、一方で「施設の維持ができない」と言ってきた経過の中で地域図書館の廃止も語られてきた中での「今」。正解はないとも言うものの、やっぱり・・・一体どこに正確な判断を導くことのできる正確な情報があるのかしら?とわからなくなりますね。結局、私たち議員も財政情報などについては行政からの情報をベースにしてしか物を考えるしかないんだなと思うわけです。

パルテノン多摩の大規模改修も一体どこまでお金をかけるつもりなのか?と思いますが、市民が当初驚いた「80億円」を下回ることはなく、それは全て都市計画税で賄われるからOK!みたいになっている。図書館本館整備についても、当初は学校法人との土地の交換なんてこともアテにしていたにも関わらず、「予定外にも西愛宕小学校の跡地を都営住宅建替えの用地として都に売却することができた」という臨時収入に後押しされたかのように、「財源についてはやりくりできた」となっている感じです。

問題は建物の建設以上にその後の運営であって、これから間違いなく人口減少社会になることが見えている時に「縮減」をめざしながら、しかし「質の維持」(できれば向上)には努力し続けるとならなければいけないんですが…。パルテノン多摩の大規模改修と図書館の再整備がそれに向けた第一歩だというなら、ここに金・ヒト・情報と集約していくようにせざるを得ないかなとも感じております。その選択を大いに後押ししたということは、それに連なって導かれていくだろう答えに向かって協力するのが議員としての役割にもなりそうです。

それにしてもパルテノン多摩については、これまで財団の運営という歴史を蓄積しながら、どのような発展を遂げてきたのか、シビアに判断していかねばならないと考えています。正直、昨年度、財団自らが実施した外部評価(外部評価を行ったことは評価できる)は、目も当てられない内容であり、これを市民が目にしたら何と言うだろう?と思われるような厳しいものでした。ピンチはチャンスととらえてほしいくらいのものですね。この評価の内容について、そもそも財団内部できちんと共有され議論されているのか?という点も問題で、そのあたりをフォローしておかねばと思います。
この外部評価の意見を読み込めば、どこに課題があるのかなど見えてくるわけで、そこに対してきちんと処方箋を描ければいいのですが、処方箋が描けているかどうかをチェックするための行政の役割も大きい。とは言え、行政には専門家がいないためチェックしきれないという課題はあります・・・そして、チェックしきれないままにまたなし崩し的に現在の財団が指定管理者として指定されることが「市民のため」と言えるのかどうか・・・私も財団には頑張ってもらいたいと思いますが、外部評価でいただいた意見を真摯に受け止めるとしたらかなり辛いものあります。

そして、図書館についていえば、本館の再整備は避けて通れない課題として認識していたものの、一方で「地域館問題」はずっと先送りされているわけであり、そこをどう手当てしていくのかの道筋が全く描けているとは言いがたい。むしろ、そちらは見ないようにして検討委員会(明日が最終回)での議論も進んでいるような気がしてなりません。そしてまた、唐木田図書館の窓口業務委託問題についても、正直・・・・「試行実施」だったものが、そのまま定着している件についても気になります。そうした問題に対し、今後どう向き合っていくのか…。

というわけで、今日の委員会で感じたのは、「問題の後先」ということ。要するに、本当はもっと議論しておかねばならない課題は先送りされていて、目の前でやらざるを得なくなってしまったことをこなすだけで精一杯という状況ですね。こうした場面での舵取りこそ重要なわけですが、どうなっているのかもよく見えず。

ただ、救いなのは副市長が交代し、今まで務めて下さった副市長を否定するわけではありませんが、とにかく勉強熱心でものすごい真面目で熱血漢なところもある副市長が就任されたということくらいかなと。少々お堅いところもありますが、そこに期待をしています。「負担を分かち合う」時代にならざるを得ない。これがまずは社会を考えるときの大前提だと思っています。なかなか市民には言いにくいことですが、ちょっと冷静に考えればわかることでもあるなとも思います。

さて、私たちもどう考えるかが問われますね。私はパルテノン多摩については一体どこまで大規模改修の費用を試算しているんだろう?以前はキャップをかけて・・・という話しもありましたが、議会でもそうした主張をする声は聞こえてこなくなった今・・・・。図書館については?そもそも人材の先細りという課題もありながら、今後の運営を検討しなければならないと言った課題は?

・・・・。

とりあえず、こんなモヤモヤとした気持ちで週末。