「ただ減らすだけでなく。」・・・公共施設の活用。

20170111

日本政策投資銀行が主催の「公有資産マネジメントシンポジウム」に行ってきました。言うまでもなく、「老朽化する公共施設どうするのか?」について情報収集などするため。

とても目新しく、斬新な内容と言うよりは、「なぜ、公共施設の縮減が課題になっているのか?」をおさらいし、そしてまた、全国各地で奮闘している自治体の方々、あるいは自治体と一緒に老朽化施設の活用に取組んでいる民間事業者さんからの事例紹介や意見なども伺うことができ、はるばる大手町まで行った甲斐がありました。

単に行政改革視点で「数を減らす」という発想だけでは何の知恵も工夫もないという指摘はご尤も・・・そして、プラスの発想でまちづくりをしていく、まちを再構築していくことが必要だというのは・・・・「一応、多摩市もやっているはずなんだけどな?」と思えて・・・。あるいは住民合意の重要性も指摘されており、住民と一緒に会議をし、合意形成を何となくでも上手い方向に形成している自治体と多摩市とではどこが違うのかな?とか思えて・・・・。

ちなみに今日の自治体側の発表者はこの分野ではトップランナーの秦野市(すでに公共施設の縮減問題に取組み10年経過したとか。私も初期の段階でヒアリングに出かけたことあり)、北海道は滝川市、島根県の松江市の担当者の皆さんでしたが、いずれの自治体も決してラクチンに取り組んでいるわけではなく、それぞれが苦労しながらやり抜いているという姿が印象的ですね。、それに加え、民間企業は大和リース(多摩市陸上競技場にスタジアムを・・・と提案が記憶に新しい)、あと各地の自治体に支援に入っている日本経済研究所の方だったのですが、取組みを進めていくためのキーワードとしては

「既成概念を打ち破る力=職員力」、「木を見て森を見ずにならないようにすること、遠くの目標を設定し共有することが大切」、あるいは「庁内一丸となって取り組む、首長の決意が重要」・・・「やる気」・・・「説明力」

これらも一応、どこかで聞いたことがあるというか、多摩市でも一応意識されている?意識されていた?(現在進行形か過去形にするのがふさわしいのか迷うところ)・・・ものばかりではないかと・・・・ここで、私は意気消沈と言うかため息・・・・現状と重ねあわせるとき、多摩市に決定的に足りないものは一体何なんでしょう?

やはり「原則として、新規の公共施設の建設はしない」と明確にしていないからか?

何だかなし崩し的に、いずれの公共施設もとりあえず存続になっているような感が否めず、そのグダグダ感がパルテノン多摩の大規模改修問題あるいは図書館本館(中央図書館?)問題などに飛び火していると言わざるを得ないですね。いつのまにか地域にある集会所施設についても、地元自治会などに「移譲する、移管する」みたいな方向が出ていたのに・・・・そちらも方向転換となり、「地元に移譲することが難しいから『廃止』」ではなく、どちらかと言えば、「地元に移譲することは難しいけれど、何かの時には必要だから『存続』」みたいな雰囲気が漂っていますし・・・。

 

あとは、「民間のノウハウ・資金力活用」と掲げて取り組もうとしてきた方向も、いまやどこへやら?・・・という雰囲気もありますね。「官では拾いきれない市場性の勘所をどうつかむのか」・・・そのためにどのような仕組みで民間事業者に提案をもらうのか?も重要ですね。横浜市のようにサウンディング調査みたいな仕組みも参考にし、一つずつ着実に取組める体制が求められそう。
「職員の手が回らないから『できません』」は理由にはならないですね。今日の他市の事例を聞いていても、みんなギリギリな少ない人数で取組んでいる実態がよくわかりましたので。昨日、パルテノン多摩の改修問題で「人手が不足している」的な行政側からの発言がありましたが、それは議会から指摘すべきかもしれませんが、行政自ら暴露することではなさそうですね。もちろん正直なところかもしれませんが。

 

さ、多摩市でも将来を見据えた公有資産の活用、マネジメント・・・ちゃんと進めていかないと。知恵と工夫次第でもっと良くなる、さらにいいまちづくりができる気がするのです。