30年後から「今」を考える視点で。パルテノン多摩問題。

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「問いを共有することが、課題解決の出発点」・・・4日間通ったゼミでもう一度確認したことですね。 そして、個別にお話をさせていただいた講師の先生から「人口減少していくことが目に見えているのに、将来お荷物になることがわかっているようなホールはつくってはいけない」とアドバイスをもらって・・・もう一度、状況を考えてみないとと思えてきました。

「誰のために、何のために」・・・私たちがパルテノン多摩の改修をしようと思っているのか?

本当はもっと議論しておく「問い」であり、その議論の前提となる情報を確認し、集めておく必要がありそうですね。そして、「運営をどうしていくか」の視点を切り離して、施設改修の議論だけを先行させているところにも実は落とし穴があること、ホールの実務家と呼ばれるような人材(舞台機構、照明、音響など)が設計を任せたコンサルタント会社ではなく、最終的には工事内容を吟味して発注していく側の行政に参加してもらうことが重要であること、芸術監督がホールの改修に関わる時、その道の一流と言われる人物であっても、「自分にとって使いやすいホール」を念頭にしたアドバイスを優先し、ややもするとその人物にとってだけ使いやすく、汎用性というか、他の利用者には使えないホールになってしまった事例もあること・・・そして、参加されている方々と話しをさせていただくと「パルテノン多摩」は知られていて、一定程度のステイタスがあるらしいこと、また、今のパルテノン多摩を取り巻く状況はもっともっと厳しい事情のある他の自治体からすると考えられない「贅沢な悩み」だと言われたこと等・・・・大所高所からのアドバイスも聞くことが出来ました。パルテノン多摩の事業費は約1,5億円ほどあるわけですが、実際にホール運営に関わっている人からは「使い切るのも大変なくらい事業費の額とも言える」「いまどき、そんな事業費を支出できることがうらやましい」・・・とする状況で知恵や工夫をこらしている自治体などの方が多いとする話も耳にしました。

ということで、私個人は今回の講座を受ける前よりも少し賢くなったかもしれません。ただ、今回学んだことを活かすというか、周りにシェアしていくことが大事であって・・・例えば「ホールの実務家」がどうして必要なのか?という観点など、ただ聞きかじりで覚えてきた私がその必要性を伝えたところで、どのくらい周囲に理解してもらえるだろう?と思ったりしています。

今さら、そもそも論を議論するなんて・・・という声が出てくるのはもちろんのこと。ただ、何度も言っているように、パルテノン多摩のみならず、図書館建設のこと、公園の改修のこと含めて、エリア全体をどうしていくかの議論が尽くされているとは言い難い・・・一度建設してしまったら、少なくとも次の大規模改修までに30年間は使い続けることが大前提になる。それは改修も同じこと。30年に1度の大規模改修によって、今後も少なくとも30年間、「あの場所のあの建物」として継続されていくわけですから。

市民の方から、「パルテノン多摩の問題が軌道修正できずに終わることも可能性としては頭に置いています。そうなってしまったのは、これまで市民が無関心だったりボヤボヤしていたからかもしれませんが、それでも今から考えることは無駄ではないですよね。『今からでは遅い』と何もしなかったら、この先の問題もみんな手遅れになってしまいます。」という意見をいただき、ハッとさせられたこともまた事実です。

 

集中講座の会場は立教大学だったのですが、ちょうどはす向かいにリビエラ東京があり・・・その建物が何ともグリーンライブセンターのようでした♪グリーンライブセンターも今後改修対象になっていくようですね・・・そのことだって私たちは頭に入れておくべき。そしてまた、もともとパルテノン多摩の5階にあるシティサロンは緑化相談室なんですよ・・・もともと。

 

さ、今週はパルテノン多摩の特別委員会もあり、来年度予算の説明会もあり。結構、盛りだくさん詰まっております。一月も下旬ですね・・早いな。

 

 

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