「地域力」というものの。

肌に刺さる陽ざしを少しずつ感じる日々になりました。紫陽花もそろそろ…と梅雨の季節に合わせた準備中ですね。今日は午前中は教育長をお尋ねする用事がありまして、情報や意見の交換をしてきたのですが、「地域と学校」、子どもたちのためによりよい学校環境を確保していくための「コミュニティスクール」の取組みとは言え、教育委員会あるいは学校が捉えている「地域」というものはどんな実態をたずさえたものなのでしょうね。

夕刻から諏訪地区の青少年問題協議会があり、総会でした。今年度もスタートにあたっては「副会長」が不在なので、それについて「大丈夫なんですか?」「もし、会長に代理をたてなければならない時にはどうするつもりなのか」との指摘があったものの、担い手を見つけるのが簡単ではない時代。「子ども」の存在を真ん中にした地域やコミュニティづくりを進めることにを否定する人はいないともいますし、より安心して子育てができ、子どもが安全で安心に成長していけるような地域環境をつくることの重要性には賛意を示せたとして、意義を感じていたとしても、やはり、責任ある役割を引き受けるにはハードルが高い…というか身構えてしまう方の方が多そう。それに「副会長」ポスト・・・肩書きがつくだけでズドーンと重たくなるのも理解できないわけでなく。

とにかく、これまで地域等を支え、担ってきたと位置づけられるような組織が先細りになっていくのは、人口減少も重なったりで自然のこととも言えますし、そこにこの経済状況下では自身と家族の生活を守っていくだけでもとても大変で。周りにまで目を向けていくような余裕はなく、そしてまた、「地域デビュー」などと言って、定年後の市民が地域に馴染めるように働きかけができて、何となくでも雰囲気がつくれたのもひと昔前のこと。60歳になったら定年で退職して、余暇を地域活動に活用しながら、暮らしを楽しんでいくような…そんな余裕を語っていられるような世の中にはなく、シニアも働こう!の時代ですし。なんか、ズレ感があるのですね。定年後は地域貢献!と考える方も激減していると思います。

で、いまや地域に目を向けたところで、志だけで動いてくださるような方々、ほぼ無償に近いボランティアで人探しするのははっきりいって無理に近いくらい難しい。にもかかわらずで、「地域との連携」…「もっと地域と一緒に」…「地域にお願いして」…と。頼みの綱となっている「地域」の実態はいかに…。かつて「地域力を活かしていく」ことを政策の柱にして、少しはそのことを考えることができた時代を懐かしい…とさえ感じる自分がいます。もちろん今でもそのことの意義とか価値は変化がなくとも、しかし柱の太さは変わらざるを得ないのでしょうね。と思いつつ、今日は会議に臨んでおりました。

 

青少年問題協議会の地区委員会などに関わってくださる方々の層も分厚くしていくことの難しさはかねてから指摘されていることでもあって、でも、やっぱり「地域にある学校」としては、こうした会があって、たまに地域情報の交換ができることは悪いことではないはずなのです。そういう意味で岐路に立たされているところで、新たな在り方を地域ごとに考える時代に差し掛かっているのでしょうね。会議に参加すること自体への負担感も増しているのですが、「リアル」は大事ですから、「オンラインにすれば足りる」ではないことも念頭に。私たちのコミュニティというのは、やっぱりオンラインだけでは成り立たない。私たちはリアル地域で暮らしているので。今日の会議に参加していた児童館の館長は来館する親子、小学生中学生の様子から地域の変化について報告してくださっていて、まさに、市職員というのはそうしたリアルから考え、事業を組み立てていくことが必要だし大事なんだなと再確認。現場にいる市職員さんの肌感覚だけでなく、「リアル地域」に接しているから語れること、その実感はもっと政策づくりに活かされるべきですね。