今日から議会活動が始まりました。多摩市役所本庁舎建替基本計画特別委員会です。今日は立川市役所、明日は清瀬市役所、府中市役所への行政視察が予定されています。近年、建替えをした自治体へのヒアリングです。立川市役所は竣工したのが2010年5月のことなので、既に10年以上が経過しています。当時、市役所建替えを担当していたという職員さんが私たちのヒアリングに対応してくださったのがありがたいですね。市議会議員でも当時のことを知っている人が少ないとの話を事前に伺っていたので。
個人的には新庁舎を建設するために市民100名が集まって「100人委員会」で議論をしてきたという経過などに興味関心があるとはいえ、既に、多摩市議会での議論はその先に進んでいる段階。ヒアリングでは建替えまでの経過なども説明されましたが、どちらかというと、今回は、もっと具体的なレベルでレイアウトや設備やら機能やらについて、学ぶことが目的かなと思っています。当然ながら、取り組み方が違うと、その結果も当然かわってくるわけですが、「100人委員会」のような取組みは選択せず進めているのが多摩市です。一応、市民が参画したり、専門家の意見も聴くなど、一定必要な手続きだけは重ねてはいます。
さて、私たち特別委員会に対し、行政側から「議会スペースの在り方」が宿題として投げかけられていて、「どんな議場にしていく?」など含めて、今月中にとりまとめていくこととなっています。基本的には‥‥多くの地方議会は国会議事堂の会議場を模倣したカタチになっている議会が多く、立川市議会でもそんな感じ。議長席の位置、傍聴席の数、入口の在り方や、議場に入らない職員の皆さんの待機場所となるスペース、あとは議会の進行管理をしている議会事務局職員が発言時間を操作したり、インターネット中継のための危機を動かす場所などなど、スタンダードに必要な機能は兼ね備えてあり、それらを確認してきました。最近、流行っているというのか?、明日、行くことになっている清瀬市議会にある「親子室」はありませんでした。まだ、10年前だと、そうしたスペースの必要性はあまり言われていなかったかな。私は親子でも傍聴席に座ってもらうことの方がいいのではないかと思っていて、「親子室」要らない派ですが。
あとは、会派の控室のこと、議会事務局の場所のこと、傍聴席と議席の距離も含め、セキュリティ対策なども確認することができました。実に驚いたのは、議長室や副議長室もあって、しかもとても立派なこと。特に設置されていた議長応接室の広さには目を見張りました。驚きました。会派代表者の会議などを実施する場所にもなっているのだとか。
多摩市議会の場合は代表者会議も「公式の会議」という位置づけになっていて、「応接室で開催」が基本の文化ではないので、わざわざ議長のための応接室は設置しないだろうなと思いましたが、とにかく広々としている格式高い場所に見えました。また、立川市議会は議会図書室と行政資料室が一体になっているようなことを聞いていて、その運営体制などに注目していましたが、一体になっているというよりか「市政情報コーナー」という場所の一角に「議会図書室」としての本棚が置いてあり、行政資料室の運営は図書館ではなく、文書法制課が管理していました。係長、係員と3名が常駐していて、一応、議会図書室の本棚も目の端っこで見守りしている印象を受けました。そもそも、市民の利用がそんなに頻繁にあるわけではないというのは多摩市も同様と思いますが、こうした市政情報コーナーが議会エリアの並びにあると、議員は便利ですね。
議会エリア以外の場所も見学をさせてもらいましたが、すでに庁舎が手狭になっていて、職員の皆さんが見た目にもスペースが窮屈に働いておられる様子、会議室の数が足りないため、フロアの一角に簡易な打ち合わせコーナーが増設されていること、あとは、「市民協働会議室」があり、その会議室は「市民と一緒でなければ原則使用できない」ことになっているというのには驚き…。市民の意見を反映させた結果を感じる場所もありました。
私は快適なトイレがあることは重要だと思っていて、建物の見学に行くとトイレ重視です。居心地のいいトイレ…という言い方も変ですが、きれいがどれだけ維持されているのかで、その建物を管理している方の意識がわかりますね。立川市役所はトイレの数は最低限になっているのかなと思いまして、もう少し戸数を増やしても良さそうだと思いました。
あとは、市役所に「食堂が欲しい」という意見があるのですが、立川市役所の食堂は運営事業者さんが撤退してしまったとのことで、今は会議室として使用されたり、昼食時にお弁当を販売する場所になっているのだとか。以前は賑わっていたとも伺いましたが、食堂の経営については採算を取っていくのがやはり難しいのが現実なのでしょう。今、特別委員会の中でも「食堂あった方がいい」「食堂はあった方がいいけれど、現実的には難しいから、つくらないほうがいい」の考え方に分かれているので、他市事例から学べるところかなと感じた次第です。
ところで、既に、多摩市役所本庁舎は現在地で建替えることが決まり、動いているとはいえ、まち全体の将来を考えた時、本当に現在地建替えの選択になるのかどうか…。そこまで議論を差し戻すことは難しいのかもしれませんが、どうしても、議論全体がちぐはぐなまま進展している気がしていて、そこに不安を感じています。「今やらなければ、いつやるの?」と進んでいかざるを得ない状態にあるのかどうか。何となく、自分の中ではすっきり納得できないところがあるので、行政視察なども重ねつつですが、きちんと市民に説明ができるように議論を高めたり、深めたりしていかなければいけないなと思っているところ。これからの時代は「DXで便利に」とはいうものの、決してそれだけではないと考えているので。
そんなわけで、また明日も清瀬市と府中市で学んできたいと思います。