多摩センターのまちづかい。

パルテノン多摩の市民ギャラリーで開催された「多摩センターのまちづかい」を考えるワークショップの2回目に参加してきました。入り口扉が開いていたとはいえ、ロールスクリーンが下げられていて、何気なくパルテノン多摩館内に入ってきた人が会場内の様子を見ることができなくて残念。せっかく市民ギャラリーもガラス張りになったのに。「何やっているのかなあ」と覗けるようになっているのが、新生?パルテノン多摩の良さの一つなんですよね…実は。ワークショップの空気感はとても楽し気だったので「見せる」(「観てもらう」)があってもよかったかなと思いました(まあ、ふらりと館内に入っている人がどんだけいるのか?って話ですが)。参加していた市民の皆さん、個人的にはスタッフとして参加していた職員含め男性が目につきすぎるジェンダーバランスの悪さを感じていましたが、それはさておき、和気あいあいとした雰囲気になっていたのはよかったなあと。

このワークショップは先月第1回目が開催されていて、折戸議員が参加をして、「見に行ってみたら~」と助言をくださったのです。そこで、「まちづかいがよくわからない」とおっしゃる白田議員と見学させてもらったというわけです。初回のワークショップでは、「大それた妄想」をテーマに、「多摩センター駅周辺がこうあったらいいなあ」…主にはパルテノン多摩大通りから、ハローキティストリートやしまじろう広場、そして、レンガ坂、多摩中央公園あたりを念頭に置きながら(なのかな?)、やってみたいことなどを参加者が想いをそれぞれに語り合う場だったようです。本日2回目は前回出された意見を踏まえながら、3つのチームに分かれて、さらに議論を深めていく場でした。ちなみに①自分がやってみたい‛まちづかい’のアイデアを練る②居心地のいい空間を考える③多様な使い方、快適な通行を考えるの3つ。ワークショップは全3回で、次回3回目では、今日考えたことを具体的に実践に移していく準備となるようです。

そして、さらには具体的実践で「行動日」(挑戦する)まで日時として決まっているという段取りの良さ。今月末の「ハロウィン多摩センター開催の日」に合わせて社会実験として行動につなげていくのだそう。なんと!その日に都合が悪ければと予備日まで確保されていて…参加した市民の皆さんもぐいーッと引っ張られる感じ。まあ、悪くはないですね。これくらい強引なスケジュールがあっても良い気がするのですが、短期集中なら関わることができても、これを日常的だったり、恒常的に継続し、いつも多摩センターが「まちづかいされてる!」になることは簡単じゃないとは思いましたが。

さて、私は議会でも話題になってきた′レンガ坂問題′について、③多様な使い方、快適な通行を考えるチームの議論の行方に最も注目していましたが、やはり「歩行者の安全確保」が話題に出ていまして、自転車と歩行者が交わらないような空間づくりが必要で、求められるとの意見にまとまっていました。思い起こせば、かのレンガ坂大規模改修の折、市側は十分にそのことを認識し、歩行者と自転車が交わらないように工夫しようとしていました。ところが、「そんなことすると、より危険になる」という市民の反対意見があり、結局、自転車、歩行者が入り混じる状態を解消できなくなって現在に至る‥‥。当初計画通りに進めていればよかったのに…とも思いますが、市民の意見をしっかり聞いて、耳を傾けた市長判断に基づいて、「いまのかたち」に修正されたというのが経過です。それ、頭の片隅から離れることはないですね。一度決まっていた計画と予算も決まり、契約もしていたところでの変更…予算が増額されたということもあって、ホント、この一見はいつまでも語り継がれる阿部市長の実績になりそう。で、その際、市長が「歩行者と自転車双方の安全確保のために市民と一緒にルールづくりをしていく」と一応の方向性は出していたので、つまり、今日のワークショップの一つのテーマになっている「③快適な通行を考える」がが私にとっては超重大だというわけなのでした。でも、残念ながら、ワークショップ開催に足を運べるのが今日しかなかった…のですが。

それにしても、「快適な通行を考える」ということなんですが、歩行者と自転車が自然と区分けされるというか、分かれていく空間になっていけば理想ですし、本来は、マナーと言いますか、「自転車がいつも歩行者に譲る」という当たり前と言えば当たり前なのですが、ほんのちょこっとの余裕と譲る気持ちさえあれば、場は十分保てそう。「公共」というのは「譲り合いの精神」があってこそ成り立つ部分があるものですから‥‥。まあ、それは理想のまた理想で、現実的ではないですね。そうはいかないところに難しさがあり、だから、管理的視点と発想で仕切っていかなければならないというか。これを良しとするかどうかは考え方にもよると思いますが、私は「そこまで、しなくても」ということにまで、行政が介入せざるを得なくなっている社会になっていると感じています。

「ごみを捨てないで」とか「タバコのポイ捨てをやめて」みたいなこともそうですね。

話しを戻して、今日のワークショップは、②居心地のいい空間を考えるチームが、自分の考えを造形にしてみる取り組みをしていて、これがなかなか面白くて、私もやってみたかったのですが、子どもが参加していたら、もっともっと柔軟に楽しい工作が完成していたかもしれません。

「ベンチが欲しい!」

と言っても、どんなベンチをイメージして、思い浮かべるのか…ってやっぱり人それぞれ異なり、違います。形も色も大きさも、素材などなど…それぞれに好みがあるわけですから。自分の座りたいベンチを思い浮かべて「ベンチが欲しい!」と言っているわけですから。

「同じでありながら、違う」。

‛違い’があることを再認識できる意味でも、このやり方はなかなかいいなと思いました。表現活動というのはすごく面白い。それは、ピアノの場合でも、楽譜は同じでも人によって弾き方も違えば、音の出し方も違う…その違いに学べることは、ただ、意見を出して、違いを確認するのとは一味違うなあと。

 

というわけで、次回のワークショップ以降の行方も気になります。何よりも、ワークショップに参加されている皆さんが、「なぜ、参加しようと思ったのか」…動機やきっかけも聞いてみたい感じがありました。「暮らす人を大切にする」「毎日続いていく暮らし」から発想していくことをしていきたいものです。