11月に「コロナ困りごと相談会」を主催した実行委員会が…議員だと伊地知さん、小林さん、大野さんが主メンバーとして関わっておられますが、無料低額宿泊所の経験談を聴く機会を作ってくださったので参加しました。実体験を伺うことのできる機会は貴重です。コロナ禍にあり住まいを失う方の存在がクローズアップされ、無料低額宿泊所のことも話題には取り上げられるとはいえ、その実態と実情については、十分に知られているとは言えません。貧困ビジネスとして対応をしなければならないと言われていますが、知識としてはわかっていても、現実についてはその奥まで把握できるようにはなっていない気がします。
多摩市の生活保護課を通した対応がどのように行われたのかについても伺うことができましたが、受給者の方々一人ひとりにていねいにフォローをしていくことも理想通りにはいかないのではないかとも感じます。それは、ケースワーカー一人が担当している受給者数だけの問題のみならず、理由があり受給者になっておられる方々を受け入れたり、受け止めたりする社会そのものの在り方にも関わるように思っています。
伺ったお話しをここに記すことにも慎重である必要があります。数名の方のお話を伺い、すべての無料低額宿泊所を知った気にはなれないので。しかし、いずれにせよ、無料低額宿泊所の実態については「住まいと人権」という観点からも課題のひとつとして考えていかねばならないとは思っています。そしてまた、一時的に入所する場所にもかかわらず、入所が長期化している実態も指摘されていますし、「改善」が求められていることは確かです。やはり想像に難くなかったのですが、今日のお話のキーワードも「劣悪」というものでした。
生活保護行政を担う担当者の方々…こうした無料低額宿泊所の実態についてはどう把握されているのかかなと思います。少なくとも全国すべての役所に「生活保護」担当セクションはありますから。生活保護を受けておられる方がいる…保護が必要だと認めているのが行政ですから。そういう意味で、担当者の方々が現実的に見聞きしていること…重要なはずですね。
実体験を伺ったのち、少しばかりの情報交換も行われましたで同席。
の年末年始、多摩市の生活保護課では課長が自宅待機というかたちで、何かあれば課長が直接対応できるような体制を整えていました。これは非常に画期的なことであって、評価すべき点だというお話も伺うことができました。都内多摩地区では年末年始など電話で対応するというところがほとんどであり、多摩市の取組みは先進的とも言えるのだそう。大野さんによれば、年末年始で急ぎ対応するような案件はなかったとのことでしたが。
「孤立」「孤独」
コロナ禍にあって、ますます、深刻化していると考えています。可視化されていない「孤立」や「孤独」に苦しんでいる方々へのアプローチ、どうすればいいのか…。可視化されていないからこそ余計に難しいのですが。「いつでも相談にいらしてください」と扉を開いているような場所をつくるのは難しい。扉を開いていても、のぞいてみよう…という気持ちになれるかどうか…というのもありますが。開いていても閉ざされる感を放っている場合もあるのかなとか…「議員」という肩書きのハードルの高さともシンクロさせながら考えてしまいました。「こんなこと、相談してもいいんですか」…と言われることも多いので。