「続けていく」ということ。今年も復興フォーラムが開催されました。

今年も、せいせき桜まつりのプレ企画のひとつ、桜ヶ丘商店会連合会の主催による「復興フォーラム2019~3.11~8年、浪江と多摩をつなぐ交流の集いの今後」が開催されました。

今年は2月に、市長と教育長が同行し、多摩第一小学校児童5名、多摩中学校の生徒5名とともにまだ避難生活を余儀なくされている浪江町の子どもたちや町民の方との交流を行いました。市長と教育長がともに子どもたちと一緒に避難席である二本松市に足を運ぶ…ってすごいことですよね。私はそれだけでも何だかすごく感激でした。他では真似が出来ないようなことだと思いますし、この取り組みが市行政や市教育委員会主導で行われているわけではないということが、さらに素晴らしいことだと思うからです。

児童や生徒代表として浪江小学校や中学校と交流をしてきた子どもたちの発表は、教育長がおっしゃっていたように、言質に足を運び、見学をしてきたその先に「自分たちが今、何ができるのか?」というところにまで深めて考えるような学びがあったことを感じることができ、大人の私たちがハッとさせられるような内容でもありました。あの原発事故で浪江町…ふるさとを出ていかねばならなかった町民のみなさんの思いや気持ちに寄り添って、子どもの中から紡ぎだされた言葉だと思うわけですが、「人がいるから‘ふるさと’になる。人がいなければ‘ふるさと’にはならない。」とする子どもの感想が重たかったですね。

浪江町からは教育長さん、浪江小学校長先生、そして元商工会長さんがお越しくださり、お話しをしてくださったのですが、「人とのつながりの大切さ、そしてまた難しさ」という話しもまた、印象に残るものでした。私の中では「難しさ」というところ、もう少し内容を深めてお話を伺う機会があればいいなと感じています。表現された言葉の裏を知りたいという気持ちになりました。

いずれにせよ、震災から今年で8年を迎えようとしている今、私たちの中からも記憶がどんどん風化していくような感じがあるのではないでしょうか?でも、まだまだ現地では震災の傷跡は癒えていない・・・それは、私も昨年夏に福島に足を運び感じてきたことです。

原発。私たちは原発に頼らない社会をつくっていかなければなりません。そのために見直すべきライフスタイルは見直さなければいけない。そして、自然エネルギーの導入を進めていくことです。原発を再稼働させてることの必要性、私たち一人ひとりが問われていることです。再稼働はあり得ない。私はそう思っています。

そしてもう一つ。今回のフォーラムでは「これからも浪江との交流を続けていくために」というテーマがあったように思います。続けていくというのはとても大変なことですね。子どもたちを現地に連れていくのもいろんな意味でとても大変なことだと伺っています。もちろん資金面でも。何とか応援していきたいですね。継続して欲しいと願っています。広島や長崎へ平和を考えるために小中学生を派遣するような事業を多摩市は実施しています。私は福島に足を運ぶこともまた、震災の記憶のない子どもたちに伝えていくという意味でも必要なことではないかと思うのです。まだまだ現在進行形であるリアルに子供たちが増えることの意味は大きいと感じています。

最後、「未来の光へ」という浪江中学校の3年生が作詞をした歌を全員で歌いました。これを多摩の子どもたちと浪江の子どもたちが歌い続けていく。これもまた素敵なことであるなとしみじみと思ったのでした。

日々の生活の中で現地のことを常に常に考えていくというのは正直、なかなか難しい。でもこうしたフォーラムに参加し、共に考える、そして学び続けること大切だなと思うのです。心の片隅で、3.11のことを何かの時に思い出す。そのことが今、多摩市で暮らす私たちにできることですね。

今年もフォーラムの企画運営をしてくださったみなさまに心から感謝を申し上げます。「継続は必ず力になっていく」と私は思います。