3月議会 一般質問

昨日に引き続き、市議会本会議は一般質問です。今日は5名が登壇しました。

トップバッターの池田けい子議員の「性の多様性を認める社会へ」というテーマでのやり取り、あるいは、遠藤めい子議員も「真の男女平等参画社会の実現に向けて」をテーマにした質問。いずれも多摩市議会の女性議員の存在感というのか、質問の秀逸さを感じさせるものでした(こんなところで‘女性’とか言わないほうがいいのかもしれませんが)。

しかし、多摩市には「女と男の平等参画を推進する条例」があるはずなのに、そもそも市の幹部、管理職がその意味と本質を理解しているのかしら?と疑義を抱かせるような答弁。特に、池田議員が小中学校における「混合名簿」の必要性を指摘したところで、市教委答弁は「名簿を男女別、又は男女混合にする一律的な考え方は持っていない。」「各学校の考え方、教育活動の目的などを考慮して名簿を作成していくことが良い。」というわけで、「混合名簿」に対する認識があまりにも低すぎることには驚かざるを得ません。最後、市長が登壇し、混合名簿に対し、前向きな姿勢を示したところで少しは安心したものの、市教委の認識の無さには議場の他の議員も失笑せざるを得ない感じでした。ただ、中学校の標準服というのか、制服については女子もスカートではなくスラックスも選べるようにしていく方向性が示されたことはよかったです。

いずれにせよ、遠藤めい子議員が指摘していたように、市の作成する避難所マニュアルなどの挿絵に「女性2名が炊き出しをしていて、そこから男性と子どもがご飯を持ち帰っているような図画」が使用されていることからも、私たちが「知らず知らずのうちに『性別役割分業』が刷り込まれている」ことも明らかですね。こうした図画を目にした時、「あれ?」と違和感を抱くことのできる感性を持ち合わせておきたいものです。多摩市には「女と男の平等参画を推進する条例」があるわけですから。条例の存在を意識しておくこと…大切ですね。人権意識というのか、自分自身も敏感でありたいなと思うものです。

今日は伊地智恭子議員の学校教育に関する質問もなかなか考えさせられる内容。ICT教育をどう展開していくのか?について、子どもたちの健康問題との兼ね合いは大事な指摘です。進めていきたい側はプラス面だけを宣伝し、流布するわけですが、しかし、やっぱり視力の低下をはじめ、いろいろと健康への影響も考慮しておくことは必要ですね。これだけ世の中、タブレット端末をはじめとする機器に囲まれているわけであって、もちろん子どもたちも就学前から使用もしているわけですが、「賢く使用する」ための自覚を育んでおかねばならないと思います。物事には必ずプラスもあればマイナスもある…そのことを意識して、自分自身のバランス感覚をそれこそ磨いておく必要があるでしょう。それを磨くことのできる学び、教育が求められていることは確かです。

議員の一般質問というのは、自由に発言し、意見開陳する場…とも言えますが、やはり、行政にとっては多摩市の政策づくり、今後の方向性をつくっていく上で大事な意見を拾い集めることのできる場とも言えます。そういう点で、今日の荒谷たかみ議員の質問は私が聞いていても「ほんと、そうだよなあ。」と思いました。市役所の庁舎の建て替え問題について、「将来の行政サービスがどのように変わっていくのか。本当にサービスをするために今の職員数が必要なのか。」を考慮したうえで考えていくことも必要で、「今」を前提にした議論で「必要面積約2万平米・・・」と決めてしまうこともどうなのか?という指摘。庁舎問題を議論するうえで欠かせないのが「行政サービスの棚卸しではないのか?」、業務の整理も必要であるということでした。

10年前にはまだ構想段階であったモノも、今、10年後には実用化されてしまっている・・・そのくらい技術革新も進んでいることを考えると、行政サービスのありかた、市民サービスの提供のされ方も変化していくでしょうね。そこを見越すというのはなかなか難しいことかもしれませんが、しかし、そのためには「専門家」の力を借りる必要もあるのではないか?と何気にサラッとですが提案されていたことも印象的でした。話題のAI、人工知能の活用など、おそらく自治体でも考えていく時代がすぐそこまでやってきているのでは?と思ってはいます。

さて、今日は既に今期で引退を表明されている前議長の萩原重治議員からの質問。議員生活を振り返った質問で印象的だったこととして2つのことを上げておられました。1つ目は「エコプラザの廃プラ施設」、もう一つは「子宮頚がんワクチン」のことでした。子宮頸がんワクチンについては、私も「推奨すべきではない」という立場でしたけれど、それでも国の大きな方向性と流れを受け入れざるを得ない多摩市もそれなりに従っていた状況…そこを大きく変えてくれるところに萩原議員の地道なる活動があったのは確かです。「自民党にいてよかったなあと思った」っておっしゃっていましたが、そうですね…自民党の地方議員さんたちが動いてくださったおかげで、子宮頸がんワクチンの危険性が知れ渡ることになりましたし、その効果のほどについてもきちんと私たちが学んだことは確かです。

都市農業の現場をひっぱってきた萩原議員が引退されるというのは、市議会にとっても痛手ですね。これから都市農業をもっと盛り上げていかねばならないというか、推進していかねばならない状況にもなっているため、議会の戦力ダウンになると言ってもいいかもしれませんが、きっと私たちは農政を考えていく上で、これからも萩原議員を頼りにしていくことになるでしょう「。ありがとうございます。そしてまた、これからもよろしくお願いします!」と思いながら、しみじみと最後の質問と一つひとつご自身の活動を総括されながら発せられる言葉を耳にしておりました。

そんなわけで、今日から3月。あ、ひなまつりなんですね。日曜日…たまにはお人形を出してあげないといけませんが、既に出遅れております。