図書館のブランディング。

茨城県の鹿嶋市より…遠路はるばる内野安彦さんに多摩市議会までお越しいただきました。去年、委員会視察をした塩尻市立図書館「えんぱーく」の初代館長さん。私は視察後に、内野さんの著書を読み、ぜひ、直接お会いしたいものだと思っておりました。昨年オープンした瀬戸内市民図書館の嶋田さんと知り合いだったつながりもあり、フェイスブック経由で内野さんに連絡。「ぜひ、多摩市にいらしていただいて、『図書館』のことについてお話しを伺いたい。」とお願いをしたところ、快くお引き受けいただいたのでした。「そんな機会をいただけるのであれば、喜んで。」と。

私が内野さんのお話しを伺いたいと思ったのは、「図書館はまちのたからもの―ひとが育てる図書館」を読み、共感をしたから。公共施設の見直しの中で「身近な図書館をなくさないでほしい。」と思っている市民がとてもたくさんいて、そのときに「図書館は地域の宝物だ!」って言っていた方がおられたのですね。その言葉がとても印象的で、この本に出会ったときにすぐに購入しました。そして、内野さんが塩尻市立図書館の館長さんだったことも知り、「絶対にどこかで話を聴かねば」と思っていた…というのが今日に至る流れです。

ということで、今日の講演でよくよくわかったのは、「図書館のブランディング」のこと。多摩市立図書館では「わがまちの図書館」がどれほど意識されているか?…ここに最大の課題と問題点があるのではないか?ということです。図書館は単に図書の貸し借りを市民サービスとして行っていればいいわけではない!…これについては、今までもある程度認識はしていましたが、そのことを強く確信しましたね。特に「地域・郷土資料」のことについては、多摩市立図書館がもっともっと意識し、単に資料を集めるだけでなく、市民に知ってもらう、伝えるような努力も加え、磨いていかねばならないと思いました。とりあえず「地域・郷土資料コーナー」を設け、集めてきた資料を並べているだけで満足してはいけない。さらには配架位置についても日向に置かない(目立つ場所にはない)ともなれば、「図書館の存在価値を自ら放棄しているも同然」とも言っていい…少し厳しすぎるかもしれませんが、そのくらいの評価をしてもいいのだと思った次第です。

私はかねてから「ニュータウン資料と言えば多摩市へGO!」となるような図書館にして欲しいと思っていて、「地域・郷土資料」への責任を考えると図書館は直営にしたほうが良いと考えてきましたが、多摩市の図書館が仮にも「直営方式」を堅持するのであれば、職員さんたちを中心にもっと努力を重ねていく必要がある。「地域・郷土資料」コーナーの在り方ひとつとっても工夫改善できると感じます。図書館が市民自治発展のための拠点であるならば、あるいは市民参加を推進してまちづくりをやっている多摩市ならでは…日本最大級のニュータウンがある多摩市ならでは…もっともっとできること、やらねばならないことがあるはず。

図書館本館再整備を機に、「図書館どうあるべき」「何をすべき」について、もっと地味なところで深く議論してもらいたいと…ずっと思ってきましたが、ここで、内野先生のお話も伺うことができ、議員間でも討議を深めることが出来たらよいなあと思っています。今朝は8時には鹿嶋を出発し、「多摩市に来るのは初めてなので、まずは多摩市立図書館に足を運びたい。」と多摩センターにある図書館もご覧いただいたようです。「交番に聞いたけれど、警察官も『図書館なんてあるんですか』…という反応でした。」ということ。そしてまた、「ダラダラ続く坂の向こうの図書館まで歩くのは61歳でもなかなか辛かった。」など率直な感想もいただくことができました。

パルテノン多摩の大規模改修と図書館本館の再整備の問題と多摩中央公園のリニューアルと。議論が本格的になる前に、内野先生の話を伺えたことはタイミングが良かったと思います。

夕刻から…御茶ノ水のワテラスのキッチンまで行ってまいりました。

メキシカンなパーティ料理…ということで、お料理を学びつつ、みんなで食べる!…どちらかと言えば、後者に魅力があり参加する♪…会です。私がマンションで参加している「共奏キッチン」にも似た企画でしたが、さすが…場所柄的にもおしゃれ。

こうした場がパルテノン多摩にあればいいなあ…。マンションにあるパーティルームもとても使い勝手がいいのですが、「みんなで作って食べる」は楽しい。

ちかこ先生は元々はフレンチを学んだシェフさんだったよう。子育てを機に、ご自宅でお料理教室を開設され、子どもの育ちと持てる時間との兼ね合いを上手く配分されながら、仕事の範囲と領域を拡大されてきた感じですね。この企画をご紹介いただき、「すぐに行ってみたい!」と思って、足を運び、これまた私にとっては有意義な時間でした。それに美味しすぎたし♪

「ブランディング」…この言葉、あちこちで使われているので、もう聞き飽きた感じですが、やっぱり大事なことですね。図書館にせよ、パルテノン多摩にせよ…私たちはこのこともっと意識した施設づくり、施設運営をしていくべきですね。今日一日の充実感がしばらく続きそう。脳みそがかなり刺激されたので、「こうしたらいいのでは?」「こうしてみたらどうか?」…とまた思い浮かべては楽しめる時間が続くという意味で。勝手ながら、多摩センターももっと魅力ある場所にできるような気がしております!…というよりか、多摩センターが魅力的な場所にならないわけがないという気持ちでいっぱいなのです…私。