もう一度、考えておきたいこと・・・パルテノン多摩の大改修をめぐる。

20170116

母校の校長先生の講演があるらしい・・・と聞いたので、いろんな意味でかなり無理をして足を運んでまいりました。実は校長先生も私の先輩にあたる母校出身でもあります。そんなわけで、先生がお話しを下さったスライドで

みらい

人は

知ること

感じることで

磨かれていく

今日を

どれだけ大事にしたかで

鍛えられていく

どんな未来を描くかで

仕上がっていく

 

というメッセージをいただき、何だかとても考えさせられたのですね。何となく私の日々は「粗雑」ではないかなあとか思ったわけです。「ていねいな暮らし」「ていねいに生きる」・・・って難しいことだなと。

 

いやはや少々哲学的になったところで、今週が始まり・・・・今日は会派の打合せを午前中、そしてまた午後からパルテノン多摩改修問題特別委員会のメンバーで事前打ち合わせをやりました。

ところで・・・私たち特別委員会って何が期待されているのでしょうね?

委員長の藤原マサノリさんは、せっかく設置した特別委員会なので何らか議会としての提言を出していけるといいと考えておられるようで、もちろん私もそうなるのが理想で望ましいと思っておりますが、しかし、なかなかメンバー同士というか会派間での温度差があり、それほど簡単に「議会の提言」をまとめられるような状況になっているとは言い難いです。

そう思いながら、公共施設の見直しに関するアンケートについて過去からの結果を見直してみたりしているのですが、「全ての公共施設を残す必要はない」と考えている人が多いこともわかりますし、あるいは公共施設について「利用する必要がない」と考えている人も一定割合で存在していることもわかるのですね。その中にあってパルテノン多摩をどう考えていけばいいか?アンケートでは自由記述欄で「パルテノン多摩を残して」とする意見もあったのも気にしつつ、本当は今、多摩市は何に取組んでいるのか?そして何に取り組まなければならないかを考えているところ。

でも、やっぱり、公共施設等総合管理計画にも、「今後は、人口減少と高齢化率の上昇等による市税の落ち込みから、普通建設事業費の捻出が困難となり、更新の時期を迎える公共施設等への対応ができなくなる可能性があります。現状の公共施設等を全てそのまま維持することは大変厳しい状況です。」ということが大前提ですし、ただ単に、施設の改修、維持補修ということのみならず、施設がある限りは運営費も捻出していくことが必要ですし、そこには「人」の問題も関係してくることも意識しておくべきですね。

パルテノン多摩についても、私は多摩センターの将来を考えても残してほしい、あの施設を現時点で除却(叩き壊す)することは考えにくいとも思いますが、一方、気になることはその後の運営費の問題、それから、一番人が集まるだろう三越前の十字路のところからパルテノン多摩までの人通りをいかに増やすのかに対する知恵やアイデア・・・・ここは運営のこととも関わるのかもしれませんが、全く見えてこないところで、すっきり大規模改修を進めることに賛成しがたい気持ちですね。大規模改修をすると、設備などのグレードも上がるので、日々の維持管理コストは当然にアップするというのが常識だそうで・・・・現状で、想定されている工事を完了させたときどうなるのか?についても説明がなされているわけでもなく。加えて、今後の運営内容が改修工事内容ともつながる部分もあるというのに、「運営内容」に未確定要素が多すぎて、「一体、市は何を考え、何を実現しようとしているのかもわからないけれど、とりあえず大規模改修をやりたい」と前のめりになっているところだけ伝わってくる。

さんざん話題になってきた自動演奏楽器についても、今回の大規模改修案では「自動演奏楽器を適切に管理しておく場所=現在のマジックサウンドルーム」をなくすことだけは決まっているけれど、楽器類の行方がどうなるのかも全く説明がなされていない。議会としては「一定の役割を終了したので手離すことも考えたらどうか?」と何となく示唆はしているけれど、市の考え方をはっきりと聞いているわけではなく、ただ、「引き取り手がいなければ、現在のパルテノン多摩の第2収蔵庫に保管しておく」という回答は得ている・・・こととか、今後の運営について一つ覚えのように「社会包摂」ということばを引合いにだし、劇場法からの「新たな役割」を説明してくれるとは言え、「社会包摂」っぽい事業展開は他の公共施設でも実施されているけれど、そこと棲み分け、差別化、あるいはパルテノン多摩ならではという視点での提案や方向性が見えるわけではない。

 

など・・・・考えれば考えるほどに、「このまま進めることが市民の幸せにつながるのか?」と思えてしまうのは、どうやら私だけではなさそうです。むしろ、ちゃんと議論せず、今のペースで何となく進めてしまって「のちのち後悔するのではないか?」・・・・そこは例えば多摩センターエリア全体の活性化の視点も含めて考えた時、図書館本館問題から、多摩中央公園改修問題からと関連する事業まで幅広く見ていけばこそ、ますます不安要素が多くなり、「パルテノン多摩大規模改修」を行政発想と同じく縦割り視点で見ていてはいけないとする気持ちが募ってしまうのですね。

 

パルテノン多摩の大規模改修・・・約73億(+α 備品費用なども含めるとプラス要素がある)、多摩中央公園の改修はだいたい10億円くらい、図書館は30億円までとキャップがかかっていて、あとは多摩センター駅前もエスカレーターを付けるなど等の提案はあるけれど、トータルで一体どれだけの諸費用を同じようとしているのかも・・・・腹の内がオープンになっているとは言えない状況。そもそも多摩中央公園の改修でだいたい10億って・・・どこに10億円かけようとしているのか?等も見えてこないですしね・・・・今のままだと何かどこかうまくいかないような予感。

 

「あーーーーーそれは、単なる予感」と一笑、一蹴されてしまうのかもしれませんが、でも、私と同じように感じている人がいることも確か。実際に、「パルテノン多摩の大規模改修は必要だと思っているけれど、インターネット中継などで行政の答弁を聞いていると、このままではいけないと思えてくる」とする意見も届きますし、私も行政側の見解を聞けば聞くほど安心感が増すのとは真逆のベクトルに心が向かってしまうという状態。

 

今日の意見交換では、「私たちも政治家なんだから、どこかで判断しなければならないんだから。」・・・とする意見も出ましたが、仮にも即断即決で、私が「今すぐに」判断を迫られるとすれば、大規模改修に「YES」と即答することはできません。私はパルテノン多摩は残してほしい、残すべき、だから大規模改修もしたほうがいいと考えてきた一人ですが、でも今の状態だと、私以外の人が「YES」と言ったとしても、「YES」と言い切ることが出来なくて苦しいところデス。

 

「我々が市民にちゃんと説明できない」と話す公明党の荒谷さんや池田さんの意見に頷ける議員は実は多いのではないかとも思っています。私も、今のままでは説明ができないと考えている一人です。

 

 

パルテノン多摩をどうしていくのか・・・多摩市全体は何に取組まないといけないのか・・・いろんなことをもう一度おさらいしておこうと思ってます。そもそも、「パルテノン多摩の大規模改修に都市計画税をあてることができなければ、私たちはどうしたのでしょう?」・・・・ここを考えてヒントが出てくるかな?とかとか。

 

 

「どんな未来を描くかで仕上がっていく」

 

さあ、パルテノン多摩や多摩センターに私たちはどんな未来を描いていくのでしょうか?