年度末の締め括りと。

フェイスブックページを埋め込んでみました(私にとっては新技術(笑))。

昨日で年度末で、定年退職されるかたへの辞令交付が行われました。議会事務局長がここで実家のお手伝いをされるというよりも、次のやりたいことがある…ということで退職されるとのことで、副議長と事務局職員の皆さんとささやかにお祝いを。そしてまた、議会事務局職員の異動もあり、これまでの労い、そしてまた感謝の気持ちを述べさせていただきました。

さらに、私は選挙管理委員会の事前審査を受けてまいりました。4月14日に多摩市議会議員選挙が告示となります。その際、立候補届け出など各種書類を提出するのですが、その場でチェックをするのは時間がかかりますし、事前の段階で誤りがないようにと選挙管理委員会が入念に点検してくださるのです。とりあえず、選挙公報の原稿などまだ完成していないものもありますが、今日までに揃えた書類についてはOKをもらいました。

さて、今まで…欠かさずに議長室に出勤するスタイルで仕事をしてきた私ですが、4月以降どうしようか…とか考えております。でもやっぱり、このスタイルを崩すわけにはいかないですよね。議長をお引き受けするときから、こうした状況になることは予め見込まれていたわけですから、やっぱり、今のスタイルをできる限り維持しながら、4月末まで自分らしく進むしかないだろうなと思っています。議長室でのお仕事もあと一ヶ月。

週明け、4月1日から、人事異動で議会事務局に配属される職員の方の出迎えをしなければなりませんし、3月から4月に変わるだけなのに、いろいろあるなあ。昨日は私がこの2年間で気が付いてきたこと等などを思いおこしながら、メモしていました。例えば、実は…議事進行をしながら…採決の時にずっと気になっていた「賛成の諸君の挙手を願います。」という一文のこととか。多摩市議会はすでに議員を呼ぶときも「○○議員」となっていて、「○○君」ではなくなっているわけですし、いまどき、「諸君」はないだろう…とずーっとずーっと思ってきたんです。とうとう、昨日…議長としては議事しんこ最終回でしたので、議員提出議案などのところで…「賛成の『みなさん』の挙手を願います。」と変えてみましたが、そのほうがよっぽど自然で、言いやすかった。ですので、そこは次の議長さんに申し送るまでもなく、事務局の中で「言い回し」のことを協議してもらいたいな…ということ等など。

そして何よりも週明けの年度はじめ…議会事務局がどんなにか議会にとって必要であるのかについて、改めて伝えたいなと思っています。議会事務局は「議員のお世話係」ではないので。それにしても、いろいろ考えているだけであっという間に時間が過ぎてしまいます。早すぎる。夕方からは、やっと美容院へ。いつもお世話になっているスタイリストさんに理容と美容の違いを説明してもらったりして、気分転換もできたひととき。さ、3月も最後の土日。いよいよ4月…やっぱり、大きくてゆっくりと深呼吸するのが一番ですね。今日はこれからポスティングします!

無事に閉会しました!任期最後の本会議。

3月議会が終了しました。議長は予算審議には加わらないので、途中をスキップして最終日を迎えた感じです。実質、任期最後の本会議だったので、いつもとはちょっぴり違う気分で議長席に座ったかなと思います。だけど、いつもどおりの議長席でもあり、開会前には池田けい子議員のミニ手話レッスンがあり、「うさぎ、追いし、かの山~」を復習…議員の皆さん、かなりレベルアップしているというか、きっと手話で挨拶することにはドキドキしないくらいにはなっているような気がします。池田議員、本当にありがとうございます。

当初は、「手話言語条例」の制定をめざしていく…ということも視野に入れつつ、スタートしたミニレッスンだったように思います。萩原前議長の時からの恒例となっていて、いろいろご意見をお持ちの方もいらっしゃるとは言え、私はこうしたことができるのも多摩市議会ならではかなって思います。開会前の5分程度の時間ですが、議員だけでなく、部長さんたち、傍聴席のしみんのみなさんも一緒に学べる機会でした。

ということで、今日はこの定例会でも「受動喫煙防止条例」について、生活者ネット・社民の会のみなさんから修正案が提出されるという段取りがあり、昨晩は議会事務局の議事係は夜22時すぎまで残業をしていたそうですが…最終的には議会全体の意向としてまとめきれないということもあり、「修正案は提出せず」になりました。執行部側は胸をなでおろしているというか、「無傷で条例案が可決」にヤレヤレという気持ちかもしれません。

でも、本当は2年前の市議会における決議をきっかけにして始まった条例づくりでしたので、全会一致という結果で晴れて可決できるような運びをしたかったですね。受動喫煙防止について反対する人は一人もいないわけですから。

生活者ネットワークの向井かおり議員が「自民党会派の猛烈な反対にあったための場当たり的な対応」と討論の中で指摘されていましたが、条例を可決したいがために一生懸命だった担当所管の対応ぶり・・・私個人的にも痛々しく感じておりました。結果的には条例が可決したとはいえ、自民党・新生会、そして改革みらいからは折戸議員、生活者ネットワークの向井、岩崎議員は反対を表明しましたが、私個人的には「公権力で市民の行動を縛っていく」ことへの危惧や危機感を述べられた自民党の萩原議員の討論に心の中では頷いておりました。今回の条例制定をめぐる議論は、市民社会に対する向き合い方について、各会派あるいは各議員のスタンス、軸足がどこにあるのか?ということが見え隠れしていたようにも思います。

表面的なところだけをさらって、「受動喫煙防止条例に反対するなんてとんでもない議員!」というようなレッテルを貼ることは正しくない。条例の内容についても、路上での禁煙をどうするのか?についても極めて中途半端な内容になっていることは指摘せざるを得ません。これについても向井議員が討論の中でしっかりと発言されていました。

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」みたいにならないでほしい。私は、今回の議会での議論は非常に有意義な内容を含んでいたと思っていますし、「可決されれば良し」ではないことをしっかりと肝に銘じつつ、市側には「受動喫煙防止条例」に恥じないような取組みを進めてほしいですね。

さて、今日は円滑に、粛々と議事も進み、議長として臨む本会議もこれで終わり。議長席から、議員の皆さん一人ひとりのお顔を拝見していると、お一人おひとりのいいところが次々と思い浮かんだ一日でもありました。不思議。そして、市民から選ばれるというのはとても重たいこと・・・改めて感じたのでした。条例制定をしていく、税金の使い道を決めていく・・・議員の皆さんが「賛成する」「反対する」を決めて、一つひとつ挙手をしていくこと…「市民の暮らし」がかかっていると思うと、本当に私たち議会の担う役割の責任の重みを感じずにはいられないです。普段、四六時中「重たい責任がある!」なんてことを意識しすぎると息苦しくなってしまうかもしれませんね。でも、私たちは市民から選ばれているという意味を心で感じ、だからこそ、日々の努力を重ねていかねばならないんだなと・・・も思うのです。議員個々人としても、そして市民のためによりよく機能発揮できる「多摩市議会」にしていくという意味でも。

そんなことで、私たち議員の任期満了は4月末。私も来月末まで「議長」であることには変わりがないのですが、しかし、今日の本会議が終わって、「一区切り」という気分をちょっぴり味わっております。何はともあれ「感謝」の気持ちをいつもいつもど真ん中にして。拙い議事運営を含め、至らなさを受止めて下さり、支えてくださった副議長、会派のみんな、議員のみなさん、そして議会事務局の職員の皆さんに何よりも「ありがとう」です。

さて、明日は最終日。連光寺小学童クラブ開所式でした!

今日は休会日でした。私は午前中のミーティングを終えてから登庁しました。ちょうどランチタイム…今期で引退することを表明されている増田匠議員が議会事務局への労い、お礼を込めて・・・ということで「多摩のおもてなし」ならぬ、乞田地域に古くから伝わっている郷土料理というのか、ちょっぴりおめでたい席でいただくお料理というのか…お赤飯などを持ってきてくださいました。職員の皆さんにとっては「議会事務局で仕事をしたからこそ!」の思い出話として、エピソードの一つに語り継がれるのではないかな?と思ったりします。

明日が最終日ということもあり、休会日とは言え、議会事務局は準備に追われる一日。議長の司会原稿といったらなんですが、「次第書」などの作成・・・議場の音響設備の点検など、職員の皆さん、かなりフル回転で仕事をしていました。

そして、総務常任委員会(有志メンバーかな?)は今日は早朝から「一ノ宮の田んぼ脇にある用水路の清掃作業」を実施。多摩市の農産物応援サイトagriagriさんのフェイスブックページにもその様子が掲載されました!

掲載いただいてありがとうございます!

そして、連光寺小学童クラブの開所式へ。4月1日にオープンするのですが、それに先立つお披露目会でした。子ども教育常任委員会のメンバー、そしてまた、地元地域在住の議員、青少年問題協議会地区委員会の会長さん、保護者の方なども参加して…にぎやかに行われました。子どもたちもくすだま割で参加しました。

現在の連光寺学童クラブが移転するのですが、定員を21名増やしたにもかかわらず・・・待機児解消には至らず、数名の待機児が発生しているという現状。なかなかシビアというか…。

それにしても・・・かつては、学校敷地内の学童クラブというのは嫌われていたことを思い出します。なぜなら、子どもたちが気持ち的にリセットできないという理由からでした。「おかえり」って気分転換をするためには、学校とは別の場所に学童クラブがあるほうが望ましいということです。でも、今は違います…学校から学童クラブまでの安全確保の問題などを考えれば、学校内敷地内に立地していた方がよほど便利で安全安心というわけです。時代、とりまく環境によって、考え方というのは変わっていくものだなあとしみじみと感じます。今では「学童クラブを学校とは別の場所に設置するべき」などという主張を言う議員もいなくなりました。それはもう古典的すぎて・・・。ちなみに多摩市では「学童クラブを学校敷地内に設置していく」として、随分前に方針が切り変わっています。

しかし「供給が需要を生む」というような状況・・・それを見ていると、今のような学童クラブの在り方でいいのかどうか、いわゆる全児童対策の必要性等も考えさせられます。先にも書いた通り、時代、とりまく環境によって「あるべき像」も変わっていくのだと思います。ただ、大事にしたいことは「子ども中心に」ということです。ここだけはいつも変わることなく…かなと。

子どもたちの生活、子どもたちの放課後時間、子どもたちの遊びの時間でもあり、子ども目線を大事にしたいなとは思います。学童クラブはこれからますます子どもたちのくらしには欠かせない居場所の一つになっていくでしょうね。

 

さて、明日の最終日を前に・・・市長が提案している受動喫煙防止条例に対する修正案提出をしたいとする相談があったりで、事務局での段取りなど準備作業は遅くまで続いていました。私も何だかんだと残っていましたが、さすがに21時になりそうで、他の用事もあったので帰路につきましたが。滞りない議事運営を進めていくためには、やっぱり事務局力が問われるわけであって、臨機応変に…とは言え、間違いのない議事進行をしていかなければなりません。こうした念入りに進めなければならない準備一つとっても、議会事務局職員のスキルというのか経験値というのか、それによってもかなり左右される気がします。事務局職員が専門性を磨くというのか、「議事のことなら何でも訊いて!」みたいなエキスパートの必要性を感じています。

いずれにせよ、さあ・・・・・・明日!私たちの任期最後の本会議です。深呼吸をして、いつもどおりに臨みます。

 

3月議会 議会運営委員会も最終回!

明後日が私たち任期最後の本会議。それに先立つ議事運営を協議するための議会運営委員会でした。いつもは多岐にわたりさまざまに意見交換をするのですが、その議論も収束させなければならないというか、次期への申し送りというかたちでいくつかの課題は改選後の議会、新しいメンバーで協議してもらえるような段取りにしています。もちろん、「申し送り」というのは、次の構成メンバーによる議論を拘束するわけではないのですが、議会運営などについては一定の継続性はありますし、議会を活性化するための取組みについてもやはり積み重ねがありますので、申し送っていくというのは大事なこととと考えています。

今日、たまたまお目にかかった方に「いつもニュース楽しみに読んでいる」と言っていただけたことがとても励みになったというか、まあ、いろいろ考えさせられている中で、ありがたい一言でした。私はコツコツ地道に活動することを好むタイプ。なので、いわゆる、今の時期…選挙前に一気に何かいつもとは違って特別なことをするというのは不得手。いつもどおり、普段の議員活動の延長線上に‘選挙’が訪れるんだろうなあ…そうなるといいなあという願望も込めて、私自身の選挙に向き合うスタイル。「あと、2回ほどニュースを配布しますので、よろしくお願いします!」議員になって以来、ずーっと継続して地域にニュースを配布し続けていますが、全部で150号までの発行を予定しています(ホームページになかなかアップできていなくてすみません)。時々反響をいただくのですが、それほどたくさんの声やらが殺到するということはありません。でも、読んでくださる方がいる、ニュースを待っていてくださる方がいるというのは活動の原動力にもなります。ありがたいです。

それにしても、議長になってからは、自力で印刷をして配布する時間を確保することが難しく、そこがちょっぴり自分としては残念な感じ。私は「市民の生活を知る」というのは、まちを歩くことから始まると思っていて、自分自身が1軒ずつのポストにニュースを配るというのが議員活動の原点だと思っています。今は、さぼっているわけではないのですけれど、自力配布できているエリアがちょっと狭すぎるなというのが自己評価。そんな中ですので、久しぶりにお会いしたかたに声をかけていただけたことがすごくうれしい一日でした。

議長公務の合間に選挙の準備をするのは意外と大変。でも、議長を引き受けるときからこの状況は目に見えていたとも言えるので、「大変」なんてことは言ってられないですね。ニュースの原稿を仕上げ、ポスターのデザインをはじめとして…自分の眼だけで確認するのではなく、数人の方にアドバイスなどもいただきつつ…一つずつ作業を進めています。

明日は休会日です。明後日の本会議に備えて、ちょっといくつかのこと確認しておかないといけない。顔や首がかゆすぎて、眼もかゆいんですけれど「花粉皮膚炎」ではないのか?と教えていただいて、インターネットで情報収集中。

私がとても尊敬している議員の先輩からメッセージ。今期で引退されるのですが、「感謝しかない」と…振り返っての一言を下さいました。もしかしたら、「生きている」ということそのものが「感謝」なのかもしれませんが、でもやっぱり、感謝ということばが素直に心から溢れてくるっていいなと思います。「感謝しながら生きる」…頭ではよくよくわかっているわけですし、心がけねばならないと思うわけですが、凡人である私は・・・ついつい、そのことを忘れてしまうことありますね。感謝とあわせて何よりも謙虚に…ということも。そもそも大したことのない自分がたまたま市議会議員になるというご縁をいただいて活動できているわけなので、そのことをもっと自分自身の中で感じておかねばならないですね…と思った夕べでした。

3月が終わる。そして4月になる。最近、目にしたおススメ記事…「生きるほどに色香を放つ桜。人間と同じ、年を重ねるのは悪くない」京都の桜守に聞くいのちの物語」

3月議会 代表者会議

今日は思わぬサプライズの‘ミレービスケット’…これは、実は隠れた逸品でもあり、私が子どもの頃から大好物のお菓子。パッケージがかわいらしくなってから、人気が上昇したのではないかなと思われるのですが、いつまでも食べ続けるくらい大好きです。ミレービスケットのちょっとした食塩加減が美味しさの引き立て役になっているのではないかと思われます。ですのでプレーン味がおすすめです。

さて、今日は代表者会議でした。いつものように意見書の協議などが主な議題。市議会として国などに意見を出していくわけですので、各会派の政治姿勢というのか、思惑?!というのかがチラチラと見え隠れする場合があります。代表者会議での会派代表どうしの意見交換は客観的には面白く聴けるというのか、なるほど、ふむふむ…と思う場面も多いです。市政の課題などについて言えば、政党色というのか党派性が露わになることも少ないのですが、やはり…市議会からの意見書…言ってみれば、国などに物を申したい!…ということでもあり、やはり政権批判というか国政にどう向き合っているのか?という立場の違いが鮮明になることが多いです。
でも、お互い、そもそも論のところでは思想信条の違いが理解できているので、それぞれ会派の主張をするにも・・・とても紳士的。多摩市議会らしいなあって思います。

いよいよ、明日は最終日の議事運営を決める議会運営委員会、そして、休会日を挟んでの最終日となります。まだ、ため息をついている場合ではないのですけれど、「終わりが見えてきた」という気持ちになっていて、ちょっと穏やか。春の人事異動が発表されて、議会事務局も大幅に人が入れ替わる感じです。でも、きっと大丈夫。「大丈夫」と思えば、「大丈夫になる」というのが私の考え方。私の任期は今の議員任期とともに終わるので来月いっぱいということになります。バトンタッチを目前にして、いろいろと引き継いでおきたいこと等、メモにしておかないといけないな。

そういえば、今日は市内小学校は卒業式でした。会議と重なると出席できないのがとても残念。おめでとうございます!

3月議会 子ども教育常任委員会

今朝は8時半からの会派の打合せ・・・パルテノン多摩にある自動演奏楽器を残してほしいという陳情に対する判断について、もう一度、会派の考え方をまとめておく必要があったからです。もともと、陳情が提出された段階では、端的に言えば、「4階にあるマジックサウンドルーム廃止。それに伴って、自動演奏楽器についてもパルテノン多摩に残すことは断念。」という方向で動いてきました。今回、パルテノン多摩を大規模改修するにあたっては、公園と接続している4階の西側フロアの使い方は鍵になるだろう、賑わい創出をするためにも大事な場所になるということで新しい使い方の検討が進められてきました。また、自動演奏楽器をこれからも大事に維持、保存をしていくためには伴う費用の問題もあり、なかなか難しくなっていくのではないのか?とする判断もありました。貴重な文化遺産であるからこそ、もっとふさわしく大事にしてくださるような引き取り先があれば、そちらに引き取ってもらうこともまた一つの選択肢になるのではないかという考えもありました。今でもフルメンテナンスできているとは言いがたい状況もあり、本当はもっともっとお手入れをしなければならないという話しを耳にしたこともあります。でも、それは「お予算の関係で・・・」ということになっていて、それでも何とか今の状態を維持していると聞くと、これから長く長く多摩市で持ち続けることが最善策と思えない側面もありました。

そんな方針のもとで、行政は引き取り手を探すためにどのような努力を重ねてきたのかがいまいち見えないのですが、「できれば、8台一括で引き取ってもらう」ことを前提に…なおかつ「多摩市民がこれからも自動演奏楽器に親しめるような環境で」という条件のもとに相手先を探してきたようですね。そして、詳細説明は割愛しますが、結局のところ、行き先が見つからないまま今に至っているというわけなのです。そして、そうこうしている間に…「パルテノン多摩にある自動演奏楽器を残してほしい!」という市民からの声が広がっていき、12月議会に陳情が提出されていました。これが一連の経過です。

私たちは12月議会の時点では、「まだ、引き取り先として打診している近隣大学から返事が来ていない」ということなどもあり、陳情の判断を先送りし、今回の委員会で結論を出す心積もりで、行く末を見守ってきたわけです。ところが、行く末を見守っている間に、多摩市から新たな方針が打ち出されました。「近隣大学からのお返事はまだ先送りされている」ようなニュアンスもありながら、しかし、「市民の声もあったので(陳情)」ということで、「パルテノン多摩の中、そしてまた、新しくできる図書館」に「分散配置する」ということです。せっかくなので、市側から提出された資料(自動演奏楽器の取扱いについて)もアップします。

陳情を審査している途中で市側の方針が変わるなんてこと・・・今までにそんなことありません。もちろん市側と意見交換をしている中で方向性を変えていくというか、修正していくようなことはあったかもしれませんが、陳情審査が継続している間に「市の方針が転換」してしまい、言ってみれば考え方の元となる、前提条件が様変わりしてしまったのです。

もちろん、そんなことあっていいの?・・・・ということなのですが、当然ながら、議会としての向き合い方が問われます。通常であれば、「慎重審査」ということで継続審査し、新たに示された方針について議会としても吟味することが必要でしょう。私は、こんな風に方針転換されてしまい、「今まで議会が積み上げてきた議論は一体何だったのか?」という気持ちでいっぱいです。個人的には、議会としては本来は「継続審査」しなければならない、そのくらい重たい方針変更。

ところが、私たちはここで任期満了を迎えるため、「継続審査」をすることで「審査未了」という結論になってしまうのです。言ってみれば審査打ち切りになるということですね。そのことについて「無責任」と考えるのも当然であって、ここで結論を出した方がいいとする意見が出ることにも理解ができます。ただ、私はやっぱり、ここで突然示された市の方針の内容を議会として十分に吟味しなくていいのか?と思うのです。

でも、議会としては無責任にはできないので一定の判断を下すべきだろう…ということになったので、結果的には私は会派を代表して「採択」にしました。

なぜなら、市が「引き取り先をこれ以上は探さない」という結論を出した限りにおいては、そしてまた、今日は陳情審査にあたっては「市側の方針を踏まえてご議論いただければありがたい」なんてことまでアナウンスされた限りにおいては・・・多摩市として貴重な文化遺産でもある自動演奏楽器に対し、きちんと責任を果たせる方法を考えなければなりません。自動演奏楽器を楽器として守っていくことを考えれば、温度と湿度の管理は必須と私は考えていますので、その立場からすれば、市側から出された新たな方針で「オープンスペースに配置」についてはちょっと不安があります。市側は「オープンスペースへの配置は楽器の劣化リスクは高まるけれど、でも大丈夫。」と判断しているようで、その後、伺いますと、大ホールのホワイエに設置することを検討しているとの話でした。私が調べた中では温度湿度管理は何よりも大切で、安定的に温度と湿度が保てるような環境づくりが必要不可欠だと思っているのですが、そんなことで本当に大事な文化財を守りきれるのかは疑問です。今後要調査。

そしてまた、もう一つ・・・。今までとは違いオープンスペースに自動演奏楽器を設置する目的はより多くの市民に親しんでもらうため・・・とのことであり、それをパルテノン多摩の魅力にしていくようなのですが、分散配置という計画で、魅力になるような何かになるのかどうかもいささか疑問です。マジックサウンドルームで行われている自動演奏楽器のコンサートなどは8台あって成り立つものだったはず。まあ、別の企画でもっともっと人を呼び込める何かを考えているのかもしれませんが、それにしても何だか「なるほど!」とか思えるような提案になっていない。

いずれにせよ、市側の唐突な方針転換を突き付けられ、私たち議会としてもどう受け止めるのか?・・・十分な議論を重ねる時間がないことは本当に残念なことであり、端的に言えば「温湿度管理をしない、分散配置」という市側の新たな方針には同意することはできません。自動演奏楽器を大切にしていくという観点、あるいはパルテノン多摩の魅力づくりの一つとして自動演奏楽器を活用するという視点がなかなか感じられない新たな方針…改めて議会としても吟味していかなければならないような気がします。

年間、自動演奏楽器の維持管理にかかっているのは約250万円。これが高いとみるのか、安いと捉えるのかはそれぞれの価値観によるところです。ただ、これだけでは済まないというのは、平成23年ごろに通常の維持費とは別に約300万円をかけて大規模なメンテナンスを行っていることからも明らかです。このことについても議会として十分な議論ができているとは言いがたい状況です。かつては、「このメンテナンス費用についてもどうなのか?」という見解が示されていたとも思いますが、今は、「このくらいであれば出せる」というような方針転換にもなったようです。

もっと多くの人に、この議論を届けたい、知ってもらいたいというのがあります。将来にわたって大事な文化遺産を守るために私たちがどう責任を果たすのか。もとを辿れば・・・総額約4億円という税金を投じて自動演奏楽器を購入したところまで議論が遡るのかもしれませんが、しかし、過去を振り返り批判をしたところではじまらない。私たちは「今」、これからを見据え、どうすべきかを議論していきたいですね。

今日の委員会は陳情に対する審査から始まり・・・その後も、総合体育館や多摩東公園の駐車場有料化に対する反対、あるいは再考を求める陳情の審査を行い・・・そしてまた、行政側から盛りだくさんの情報提供があり・・・委員会が終わったらもう真っ暗で19時過ぎていました。

みなさん、おつかれさまでした・・・。

3月議会 生活環境常任委員会

昨日は、諏訪小学校でハーモニーカフェ。ランチルームの隣の調理室からはおいしい香り・・・メニューは牛丼でした!温泉卵付きの特製牛丼。美味しかったなあ。いつもどおりに盛況のうちに終了。子どもたちの「今」を直接感じることのできるひとときでもあり、私にとってハーモニーカフェに参加することは学びの時間でもあります。

さて、一日遅れで、昨日の委員会の振返り。と言っても、昨日の生活環境常任委員会は市道路線の廃止と認定、あとは受動喫煙防止条例の制定に伴って、まちの環境美化条例の一部改正条例について審査されました。市道路線を認定するときには現地視察を実施して、確認をするので開会後まもなく休憩して、委員のみなさんは現場に移動・・・これ、、きっと多摩市だからできることなんだろなあと思ったりもします。市域面積がものすごい広ければ、机上で説明を受けるだけでおしまい・・・になってしまうのでしょうね、きっと。そんな意味では、市道路線をきちんと確認することが慣例になっていることは多摩市ならではかもしれません。

まちの環境美化条例の改正提案については、受動喫煙防止条例制定に反対をした自民党・新生会の会派は反対しました。当然ですね。私、自民党の藤原マサノリ議員が主張されていたことに頷けるところも多々ありでした。

委員会での審査案件は滞りなく、スムーズに終了しましたが、年度末ということもあって、行政からの連絡というのか報告というのか、相談というのか…「協議会」の案件が盛りだくさんでした。予定外にも委員会が終わったのが夕方でした。委員会終了後に正副議長も参加する打合せが2件もありまして、私もちょっと待機時間の長い一日でした。

 

それにしても…本当は「協議会」というのは、その名のごとく、何らか‘協議’の場になっていると実感したいわけですが、最近は、行政側も「情報共有」を大事にしているので、とにもかくにも案件が多すぎて‘協議’する時間がなく終わってしまうことが常態化しています。情報共有は必要なので協議会をいかに活用していくのか?というのはよりよい市政運営という観点でも重視すべきと考えています。とは言え、現状はちょっと・・・・・・見直しが必要だと考えています。なぜなら、ろくな協議もしていないにもかかわらず、「情報共有した」ということだけで済ませてしまうことが多いからです。でも、本当はそれでは不十分で、やっぱり「協議」することが大事なんですよね。

実は、私たち議会では「職員の残業時間」をとても気にしています。ですので、本来は行政側からの説明される一つひとつの事案に質疑をしたり、意見交換したりとじっくり取り組むことが望ましいわけですし、そうすべきと思っているわけですが・・・一方で協議案件の数がとても多く、それをやっていると時間内に会議が終わらない可能性が濃厚・・・ともなれば、変に遠慮するような雰囲気が漂ってしまうのです。「遠慮することもないのにな」と心の中では思っているのですが、でもやっぱり、「職員の残業代を減らす」ことを求めている市議会ですから・・・(職員の健康を守るという観点からも残業を減らすことは大事な視点=もちろん残業代も減る)。

しかし、そんなことに遠慮しているのオカシイ・・・という意見もありますね。本末転倒だろうと指摘をされる方もおられます。確かに、私たちは市民のために働く議会にしていかなくてはならない。・・・となれば、今の協議会の在り方を変えていくことが必要でしょうね。議会全体の運営をどう進めていくのか?という視点から、改めて議論していくべき課題。今の任期の中では解決できない課題なので、次期に申し送りしておきたいと思っています。

あ、明日は子ども教育常任委員会。私にとっては任期最後の委員会となります。子ども教育常任委員会に所属して…すでに何年になっているだろう・・・もしかすると12年間ずっと居座っているかもしれない・・・。

 

 

 

3月議会 健康福祉常任委員会

今日は大きめと小さめを迷って、やっぱり’プチ’とついているモンブランのプリンを選ぶ私。気休めかもしれないけれど、大きいサイズよりも70キロカロリー減なので・・・というわけ。

任期最後の健康福祉常任委員会も国民健康保険税に関連した陳情の審査に条例改正案(保険税の値上げ)から受動喫煙防止条例の制定について等など・・・とても熱心な質疑や意見交換などが行われたのではないのかなと思います。「議員どうしでの討議が深まった」とまではいかないまでも、特に受動喫煙防止条例の制定については、それぞれの議員が自らの考え方、立場を表明していたように思います。結果的には賛成多数で可決しましたが、私は自民党の萩原重治議員が主張されていたように「分煙の徹底」という視点から考えた取組みを強化する方がいいのではないかと思いますし、そのために条例が必要なのかどうか?についてももっと議論をしたほうがよかったように思います。

今回の条例提案はあくまでも「議会からの決議を起点としている」という説明でした。「もし議会からの決議がなければ条例の制定はしなかったのか?」とする共産党の菅原しげみ議員の質疑について、「必ず条例を制定したとは言いきれない。ただし、受動喫煙の防止には取組む必要があるし、取組んでいくことには変わりがない」とする趣旨の答弁が聞けたことは私にとっては収穫でしたね。行政の立ち位置が明確になったと思うからです。要するに「議会からの決議」というのが、条例制定の大きな動機であって、それ以上でもそれ以下でもないということですね。

その意味で、議会としても改めて受け止めておくべきことが見えたように思います。つまり、「議会の決議」に対し、私たち議会自身もどれほどに重みを感じ、その後のフォローアップをしていくのかも必要であるということ。要は、「言いっぱなしにしない」ということにもなるかもしれませんが、今回の場合、「議会の決議」を踏まえ、行政が条例制定に向けた取組みを重ねているのに並行し、議会としても、、その動向を捉えた動きをしなければならなかったなということ。要するに全会一致の「議会の決議」で「受動喫煙防止条例の制定をめざす」とした限りにおいて、条例制定にあたっても全会一致で可決できるように事を運ぶことが大事だったのではないかということですね。

今日の議論でも「受動喫煙防止条例の制定には反対はしない」ということであり、いずれも「受動喫煙防止は当然のこと。合わせて禁煙教育、あるいは禁煙治療などについても、推進すべき。」という立場ではみなが一致できていたと思います。でも、最終的に全会一致での可決ができなかった。

 

…ここは、議会にとっては残念な結果と言えますね。分かれ目になったのは、受動喫煙を徹底させていくためにどこまでのルールを設けるのか、あるいは規制をしていくか?という点であり、これについては議員どうしでもっと議論をし、そして、本来は「条例の修正」なんてことも視野に入れることができたかもしれません。ただし、ここは時間との勝負もあったと思いますし、あとは委員長を中心とした委員会の意思にもよるところですね。

 

でも、菅原しげみ議員がとても客観的な立場から「『議会の決議』があったことを考えれば、全会一致で条例制定をしていくのかなと思っていた・・・」とおっしゃっていた言葉がまるでリフレインする夜です。全会一致を追求していくこともできたのかなあ。そのための努力をするために議長としてもできることはなかったかと反芻しております。

 

いずれにせよ、個人的な感覚では「受動喫煙防止」と言いながらも、「分煙の徹底」についての対策には中途半端さを感じております。そのために、どうしても「このまま条例制定を先行してもいいのだろうか?」と思えくるのです。やはり「公園は原則禁煙」というルールにする一方で、駅前にある喫煙スポットの改善が具体的に語られていないこともひっかかっています。市民に説明できないような状態にはしたくないなと思うので。

ただ、今日の委員会で「多摩センターや永山の喫煙スポットについては場所の移動も含め、検討する。」とつい数日前よりは意欲感じられる答弁が聞けたことはよかったですね。今までは「現状は決してよろしくないけれど、なかなか難しい」と歯切れの悪い答弁でしたので。そういう意味では…一歩進んだのではないのか?と思ったり(勘違いとは思いたくない)。とにもかくにも、駅前の喫煙スポット、その悪しき環境については改善すべく具体的な対策を講じてほしいと考えます。具体的な検討を加え、「分煙徹底」できるような環境整備をしていくべきですね。もちろん、受動喫煙防止条例が制定した暁には、その責任を果たすべく議会としても、後押しすべき優先事項とも言えるでしょう。

受動喫煙防止に取り組んでいくことは大いに賛成ですし、私個人的には喫煙者を減らしていくことも推進していきたいと思います。「禁煙したくてもできない」という方を応援できる多摩市にしていきたいですね。禁煙治療は後押ししたい。今回、いろいろと議会から指摘された事項を踏まえ、行政側の取組みがぐっと前進することを願っております。

まあ、そもそも論というのか、ものすごーく個人的な意見としてはこちら・・・にまとめています。私の問題意識は今回の議論を掘り下げていったときに見えてくるだろう「市民社会のつくりかた」にありました。ここはそれこそ自分自身の信条にも関わってくるような部分だったので。

3月議会 総務常任委員会

「そなえよつねに」ということで、娘が所属をしているボーイスカウトでナイトハイクなるものがあり、ほぼ徹夜で見守り活動をしていましたが、久しぶりに寝不足と寒さが身体に堪えたようです。18時出発で、深夜0時には終わる予定だったのに・・・全ての班がゴールに戻ってきた時刻と言えば朝方4時を過ぎていたという・・・。

とは言え、体調復活させての本日、いつもどおりの永山駅前での街宣活動から始まりました。今週の始まりです。市議会では委員会が順次行われます。議員の皆さんにとっても任期最後の委員会ということであって、このメンバーで活動するのも最後なるんだなあ…とか、一人勝手に違うことを思ったりもしています。

今日の委員会では、今度の9月からマイナンバーカードを使用することにはなりますが、コンビニエンスストアでの住民票や印鑑証明書を発行するサービスがはじまります。それに伴いベルブ永山の証明書発行、出張所の時間外対応を終了する予定になっています。当然にコンビニを利用できれば、飛躍的に市民の利便性が上がるのではないかと思います。しかも多摩市内に留まらず、全国にある主要なコンビニではほぼ対応してくれるということです。

しかし、そもそもマイナンバーカードに反対されているみなさんにとっては、「マイナンバーを持っていなければ、このサービスを利用できない」ということになり、市民サービスの後退…と受け止められるでしょう。ここは、何とも言いがたいところ・・・ですが、その代替措置というのか?・・・かわりの対応として、月2回の本庁部分開庁(部分開庁って何?と一瞬思うわけだが)をして、今は平日日中にしかできない印鑑登録を土日でもできるようにすることなど、配慮がされるようです。

・・・個人的には、提案されている本庁部分開庁というのは、コンビニ交付の実施に伴う対応というよりは、コンビニ交付の実施に合わせて行う予定のいわゆる役所の窓口業務の見直しであって、出張所機能を整理する(縮小方向)ためのものだと思っているわけですが、市職員数にも限りがあることを考えると、認めていかざるを得ない方向性だろうと考えています。

この方向性の先には、「市の窓口業務を民間委託化」の検討があり、そこに邁進していくのか・・・?とも思うのですが、それだけは慎重であってほしいと考えていて、今は窓口業務を民間委託化していくことには反対。もしかすると出張所のありかたは大きく転換する必要も迫られるかもしれませんが、市役所職員の基本中の「き」の業務として、窓口業務は必要不可欠だと考えています。市民にとっての市役所窓口業務・・・利用する市民からすれば、別に市の職員がやる必要がない・・・と思うかもしれません。でも、市役所の職員にとって窓口業務の経験は必要であると私は考えています。

「窓口業務」というのは、ここに限らず…例えば、すぐに思い浮かぶものとして「図書館のカウンター業務」があるのですが、これもまた民間委託化できる業務と言われやすいですね。確かにカウンター業務は単に図書の貸出だけとも思われがちですし、市民にとってみれば市職員であろうがなかろうがカウンターの中に人がいればいいだけの話かもしれませんが・・・でも、やっぱり図書館職員にとってカウンター業務の経験が必要であると思うのです。

今でも市役所の仕事全部を直営で、市職員が丸ごとすべてを担っているわけではありませんし、民間事業者に任せられる業務については任せていく・・・というよりは、民間事業者がやった方がよりよい業務ができる場合にはそのほうが市民にとってもプラスになると考えるわけですが、一方で「役所の基本業務ってどこにあるの?」については慎重な見極めをしていくべきだろうなあと私は考えています。なので、市役所がよりよい業務をしていくために必要な経験について安易に手離すことなく、慎重な判断をしていくべきだろうと思うのでした。戸籍の管理、住民の管理というのは言ってみれば「税金を徴収するための基本」であって、「サービスを考えていくときのベース」になるわけですからね。

そんなことで、以上が途中で発言したくなることもありながらも、じーっと委員会の傍聴をしていて考えていたことでした。それにしても、総務常任委員会の活動力には脱帽です。好奇心旺盛でバリバリ行動してしまう委員長のもとで・・・来週の休会日には「一ノ宮にある用水路のそうじ」を実施するそうです。メンバー全員とはいかないようですが、「都市農業を考える」をテーマにして活動を重ねてきた集大成として「まずは何事も経験して、体験してから…」をモットーにまずは動くのだそう。こうした委員会の活動は、市民にも「市議会」(市議会議員ではない)を身近にしていく効果もあるなあと感じています。池田けいこ委員長の腕前というのか、リーダーシップに私も大いに見習っていかないと。

明日は健康福祉常任委員会です。話題の「受動喫煙防止条例」についての審査が行われます。

次年度予算は全会一致で可決!

予算審議が無事終了。いつもどおりというのか、わが多摩市にとっては当たり前の「全会一致」という結果でした。「総論賛成各論反対」ということで、「概ね良し」と理解しています。

そもそも予算が否決されることがあっては大変です。4月1日から行政の活動がピタっと止まるということにもなりますから。もちろん、その場合、「暫定予算」ということとなり、特に社会保障関係の経費などは支出できるようにして予算が再調製されることにはなるのですが。

個人的にはどうかと言われれば、「概ね良」とするという判断になるだろうなと思います。

ところで、来週に開催される委員会もいろいろと深まる議論が展開されるといいなと思っておりますが、特に健康福祉常任委員会で議論がなされる予定の「受動喫煙防止用例の制定」については、注目しておきたいと思います。それについて一言。

今回の予算審議でも「受動喫煙防止」に関連した予算については、厳しいやりとりというか意見も出されていましたが、しかし、議員は誰一人「受動喫煙防止」には反対していませんので、条例の制定には反対であっても、関連して計上されている啓発活動などへの予算に反対する人はいませんね。むしろ、大いにやるべきだから。むしろ啓発活動もやってほしいですが、多摩市が本気で「たばこと健康」のことを考えるのであれば、禁煙教育や禁煙治療などの推進にももっと本腰を入れてほしいと私は思います。

そのこと前提にしつつ、やっぱり受動喫煙防止条例をどのような内容にしていくかについて、もう少し慎重に議論すべきとする主張には頷ける部分があります。ですので、委員会ではおそらく「合法的に認められている喫煙」をどう考えるか?について議論されていくのかなと思っていますが、十分に論議を深めてほしいと考えています。今は、「喫煙する権利」以上に健康被害が語られるわけですし、それは世界標準で当たり前のことです。受動喫煙防止に行政が乗り出していく必要もあるでしょう。ただし、「ただし」という部分があるのです。

多摩市には「自治基本条例」があります。自治条例の根幹にある自治の精神というのは「多様性を認めていく」「個人の自由を最大限尊重し合う」ということだと思っています。「個人の自由」というのは、相手への思いやり、そしてまた他者への迷惑も考える、危害を加えないという意味での‘自由’であって、「自分さえよければいい」という自分勝手な自由とは全く異なる大げさですが‘尊い’ものなのです。なので、私は、「自分さえよければいい」とタバコの煙をまき散らすような環境は改善すべきと思っていますが、公権力で「喫煙する権利」を制限していくようなことは最後の手段であり、最小限に留めることが望ましいと考えています。

「よりよき市民社会とは?」を考えるとき、「あれはダメ」「これはダメ」と制限しすぎる、禁止事項ばかり増えるのは、あまり心地のいいものではありません。段々と堅苦しくなっていくというのか、市民社会を萎縮させる方向になりやしないか?と思ったりもするのです。だから、「最後の手段」にしておきたい、どうしてもどうしても何ともならない、どうにもならない、目に余るくらいひどい・・・となって初めて公権力の発動を考えるほうがよいのではないかと思うのです。ちょっとレベルは違いますが「校則」を思い出せばわかりやすいかもしれません。生徒を管理するためには厳しい校則というのは先生にとっては都合のいいものかもしれませんね。ちなみに私、「自主規制」なるもので、自分たち自身で自分たちのルールを作っていくという環境で学校生活を送ってきました。「先生からの管理」とは無縁で「お互いに気を付け合う」が最も大事なこととされていたことを思い出します。先生に管理されないように自分たちで気をつけなくっちゃ!自主性・・・ということです。

話しを戻します。

その意味で、今回の受動喫煙防止条例に対し、自民党・新生会のみなさんの会派が主張していることには非常に重要な視点が含まれていると思っています。奥深いところを問われている気がします。「受動喫煙防止」には取り組むべきであるが、しかし、そのために「喫煙する権利」(合法的に認められているから)に対し、公権力にどこまで制限をかけるか?するのか?ということですね。「喫煙者というマイノリティ」という表現をされていた方もいらっしゃいます。その表現自体、嫌煙家にとっては「何それ?」かもしれませんね。でも、やっぱり、「タバコ禁止」されていないのが私たちの社会なんですよね。ということは、「喫煙者の権利」も一定認め、「受動喫煙を防止するような環境整備」にも努力を重ねて重ねて重ねて、「もうどうにもならない」というふうに行政がお手上げ状態になって、次の手段に踏み出すことがいいのだと思います。

もちろん、歩きたばこなど目に余るなと思うこともありますし、ポイ捨てもいい加減にして欲しい・・・私も嫌煙家の一人としては眉を顰めたくなるような光景に出会うこともあります。でも、それを「取締まりの対象」にし、「市内公園全面禁煙にしなければならないほどのことであるのか?」・・・これは私たち市民社会側にも問われているのだと思います。ちなみに、管理棟があるような公園では喫煙場所は一定確保すると伺っていますが、原則、すべての公園を禁煙にするというのが今回の提案です。「それはちょっとやりすぎではないか?」というのが今回の条例制定に慎重姿勢の方々からの意見。

例えば、子どもたちがにぎやかに遊んでいる公園で、周りのことを気にせず、タバコを吸い散らかすようなことがどのくらい発生しているのでしょう・・・多摩市の喫煙者には配慮がなく、条例で取り締まりの対象にしなければならないほどなのでしょうか?もちろん、「ちょっとどうかな?」と思えるような場所もあるのですが、そこに、ご丁寧に「灰皿」が置いてある場合もあります。

ああ、それにしても長年懸案事項になっている多摩センター駅前の喫煙スポットの問題。なかなか解決できていませんね。検討や協議を重ねていないわけではないとしながらも、あの状態が継続しています。「受動喫煙を言うなら、そっちが先でしょ。何とかしなさいよ。」とおっしゃっていた主張はそのとおりと思えてしまいます。「喫煙マナーの徹底」をもっともっと呼びかけたり、あるいは、「喫煙できる環境づくり」を整えることであったり・・・喫煙者の皆さんに負担してもらっている「たばこ税」の使い方にまで論が及ぶ問題であるとも言えそうです。

健康福祉常任委員会は週明けの火曜日。議会としてどのように議論を進めていくのか、各委員の皆さんの意見、十分に出し合ってほしいと思うのです。これは、単に「受動喫煙防止」の問題だけに留まらない、「よりよい市民社会のつくりかた」という観点からも問われる内容だと私は考えています。

トゲトゲしない人間関係の上に、多摩市での私たちの暮らし、営みが成り立っていくことがいいですよね。きっと。