日本医科大多摩永山病院・移転建替えはしない。

雨と風が強い一日でした。音が怖いくらいでしたが、これはマンションのビル風のせいなのか…。そんな吹き荒れる一日に、ようやっと、市長から発表されました。

 ■日本医科大学多摩永山病院の移転・建替えに関する市長コメント

コメントって何よ…という感じなのですが、つまりは、多摩市が日医大多摩永山病院のために「旧東永山小学校跡地」と交換した「旧多摩ニュータウン事業本部跡地」での病院建替え計画は白紙になりました…ということ。現段階で、病院は現在地での存続運営を考えているということのようです。多摩市と病院側でさまざまな協議を進めてきましたが、結果、土地交換をして、土砂災害警戒区域対応の工事をして、さらには建屋を解体工事して…と5億円超えの税金を投入してきたものの、ゼロリセットされました‥‥みたいな話です。多摩市に残ったのは駅前一等地に取得した土地。

3月議会での答弁を引っ張り出してくれば、「当面の間(当時は、日医大の建て替え計画が動くまでの間)、コインパーキングとして活用…」ということになるのでしょうか?

土地の形状が良いとは言えない場所なので、全面ではなくてきっと一部になるのだろうな…と思っているのですが、塩漬けされてしまうのでしょうか…この土地は。一方で、旧東永山小学校の跡地にはURがすでに建て替え計画を発表しているという…。「交渉事なので、そっとしておいてほしい」くらいのことが言われてきた案件でもあり、議会としては市長側の動きを見守るしかなかった案件とも言えますが、こんな結末を迎えるとは。私の耳にもいろいろな情報が入っていたので、その都度、「状況はどうなんですか?」と訊ねてはいたものの、「移転建替えする方向で動いています」というのが回答だったのですが…って、3月議会の委員会でもその方向で説明されていたことを思うと、「舌の根が乾かないうち」と思いますが。まあ、そのくらい唐突、3月末の、年度末迫り、病院側から文書が提出されたようです。市の公式ホームページによれば(そのまま引用)

■令和6年3月、学校法人日本医科大学から多摩市に「確認書(令和元年7月31日付締結)の解約について(「旧多摩ニュータウン事業本部跡地」及び「多摩市内」での新病院移転・建替え計画の検討終了について)」の文書が提出されました。
新病院移転・建替え資金の調達の目処が立たないことに加え、多摩永山病院の単独の収支状況も厳しい状況が続き、新病院建設後、新病院の経営を長期間継続することは不可能との判断から、多摩市内での移転・建替えの検討を終了せざるを得ないとする文書が提出されました。

■令和6年5月、多摩市から学校法人日本医科大学に「確認書(令和元年7月31日付締結)の解約について(「旧多摩ニュータウン事業本部跡地」及び「多摩市内」での新病院移転・建替え計画の検討終了について)に対する多摩市の考えについて」の文書を提出しました。
新病院建設費約 280 億円の半額の財政支援、市立病院を有する自治体が毎年病院会計へ繰出す、同規模の支援といった、巨額の財政支援をおこなうことは、地方交付税や特別交付税の交付も望めない多摩市にとっては、財政に及ぼす影響が計り知れない。一自治体の能力を超える負担であることから、本市にとって苦渋の選択ではあるが、「確認書」の解約の申し出は受け入れざるを得ないとする文書を提出しました。

と経過が綴られています。かいつまんで、要点が記載されているようですが、文書をそのまま公表したほうが、わかりやすいとも思いますし、あまり手を入れない方がいいのでは?とも思ったりしますが、それは難しいのかしら?…ちなみに、私たち議員には日医大から多摩市側に手渡しされた文書、そしてまた、多摩市から日医大側に提出した文書ともにコピーにて配布されています。ちなみに、先日、全議員向けの6月議会前の提出議案説明会の際、この件についても市長から報告を受けましたが…一応、その1週間ほど前に、この件を担当する部長から連絡があり、各会派で事前説明を受けていたようです。

市民に向けては「5月28日の定例記者会見で発表する」ので、それまでは「取扱注意」として、釘を刺されていましたので、私たち議員もその意を受けて、対応してきたわけですが、今日、情報提供については解禁されたので。病院側への風評被害が無いように、あるいは市に対しても同様で、市民を混乱させたり、動揺させることが無いように配慮してほしいとのことでしたが、「事実を伝えるのみ」であって、別に風評被害云々というわけではないよな…と感じています。淡々と今、起きていること、その状況変化を伝えるしかないです。そして、一議員としてはただただ、病院側と市を代表する市長との交渉の行方がどうなっているのか、気にはしながらも、変に手出しもできない状態にあり、市長の交渉力などに信頼し、委ねるしかないということ。

でも、結果は…。

今は市民の税金で取得した土地をよりよく活用していくことを考えるべきと思いますし、それが議会にも求められることですね。土地交換から始まった一連の動き、そこに必要な経費(税金)に関して、議会も認めてきたからです。そして、病院は老朽化をしていて今すぐにでも建替えをしなければならない状況とも聞いていましたので、それへの対応はどうしていくんだろう…とも思いますが、それは病院側がまずは考えていくことになりますね。もちろん、多摩市の保健医療政策という観点を持ち、市もきちんと状況を捉え、今後も対応していきたいとしています。

ところで、速報で

■東京都内52首長が小池都知事に出馬要請 加わらなかったのは?(毎日新聞)

任期満了に伴う東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)を巡り、都内の首長の有志が28日、現職の小池百合子知事(71)に面会し、3選に向けた立候補を要請した。

要請に名を連ねたのは都内62区市町村のうち、全体の8割にあたる52の区市町村長。要請に加わった首長、加わらなかった首長は以下の通り。

 

小池氏に3選出馬を要請(52)
八王子、武蔵野、三鷹、青梅、府中、昭島、調布、日野、東村山、国分寺、国立、福生、狛江、東大和、清瀬、東久留米、武蔵村山、羽村、あきる野、西東京、千代田、中央、港、新宿、文京、台東、墨田、江東、品川、目黒、大田、豊島、北、荒川、板橋、練馬、足立、葛飾、江戸川、瑞穂、日の出、檜原、奥多摩、大島、利島、新島、神津島、三宅、御蔵島、八丈、青ケ島、小笠原

要請に加わらず(10)
立川、町田、小平、稲城、多摩、小金井、渋谷、中野、世田谷、杉並

朝から、市長が要請に署名したのではないか…というような情報があり、「えええっ!」と思っていたのですが、よかったです。そこは胸を撫でおろしましたし、ご本人より「中立です。」というお答えをいただきましたので、「あぁ、よかった」と。でも、これ、もし要請に加わっていないとして…後々に何か影響が出るとしたら、大問題ですよね。しかし、ほぼ全地域の首長のみなさんが、署名をされていたのですね。それに、目を疑ってしまったというのが正直なところ。知事側からの要請があったとかなかったとか、そんなうわさも飛び交っているのですが、いずれにせよ、都知事の持っている強大な権力を感じざるを得ません。