「農」を守り「食」を守る。

議員の学校に参加してきました。2日間の日程で行われるのですが、参加したいプログラムが選べるので私は今日だけ参加。東京大学の鈴木宣弘先生の講義と能登半島地震の現場からの報告を聴いてきました。

先月、参議院会館でも行われた集会で鈴木先生からのお話しは伺っていたのですが、その際にはスライド資料の配布などもなかったので、100頁以上にわたる先生の講義資料も受け取ることができてよかった。先生が執筆されているコラム「食料・農業問題 本質と裏側」もとても学ぶことができるので、ぜひ、お読みいただければと思います。

今の日本の食糧事情、つまりは私たち市民が置かれている「食」がどうなっているのか、まずは学ぶこと知ることが必要で、そのうえで私たち自身が考えていくことが求められるだけの話しです。消費者として。「安いものには理由がある」というのはその通りなのです。でも、日々の暮らしは「安さには代えられない」というお財布事情と常に背中合わせ。その現実とのすり合わせなのかもしれませんが、だからといって、海外では使用禁止になっている農薬の最終引き取り場所が日本になっている現状(日本では禁止されていないから)や、自国ではホルモンフリーで飼育された肉を販売し、日本への輸出品には成長ホルモン剤で育てた肉をどんどん出荷している現状…それは、とても卑劣なことと思うのに、それに対してまるで丸腰にしか見えない国の姿勢…もちろん、遺伝子組み換えトウモロコシ、大豆はどんどん輸入していますし、ポストハーベストの問題なども。

「食」は私たちの身体や命そのもの。国が守らなければならないものは何なのか…って心底考えさせられるのが「食」の問題だとますます感じるようになっていますが、こうした「食」の現状に以前から警鐘を鳴らし、各地でも講演されているのが鈴木先生。国を守るためには「食」を守る必要があり、そのために政策転換することを訴えておられます。

多摩市として考えるには大きすぎる課題なのですが、それでも、私たち一人ひとりの意識、考え方、行動が変わっていくことで…長い目で見れば国の政策も、その方向性を変えていけるはず。そう思うので、多摩市の消費者行政ももちろん「オレオレ詐欺」とか「クーリングオフ」などなど相談対応にはしっかりと答えるべきと思いますし、「金融教育」やらにも取り組む必要があるとも思うのですが、それ以上に「いのち」に直結する「食」の問題が、今ほどに脅かされていることにもっともっと感度を高くして、取り組んでいく必要がありそうです。食品表示問題一つとっても、よくよく自分を振り返ってみても、とてもあいまいな知識しかないことも反省しつつ。

とにかく、回転ずしなどでも、ゲノム編集の食材は使用されていますので、知らず知らずのうちに私たちも口にしています。「流通できる」=「安全」…ここをまず疑うことが大事。そう考えるからこそ、地産地消で顔の見える関係性をつくり、食材を購入したいと思います。だから、共同購入であって生活協同組合なのです(と言っても、生協だからOKとも言えなくなっている状況もちらついているが)。

そして、農地の乏しい多摩市では地産地消と言っても、なかなか現実的とも思えず、学校給食についてもセンター方式でやっている限りは安定的な食材購入という点で考えても…正直、厳しい。それでも、多摩市産ブルーベリーのゼリーがあったり、地域で農業をされている方に協力していただいて食材を納入してもらっています。農業行政と消費者行政をつなげながら、何ができるのかもまた考えていく必要はありますね。そういえば、この4月から農政担当と消費者行政担当がやっと同じ部署になったので、今まで以上に連携した取組みを期待したい。

ちなみに、今回の市議会レポートについても「学校給食無償化」に関連して、私の意見をまとめてみました。よかったら、こちら( 保護者負担軽減だけではない、「学校給食の無償化」の意義)から。

能登半島地震の現場報告では、石川県会議員の堂前利昭さんが「熊本の時も、東日本の時も『大変だなあ』と思っていたけれど、やっぱり他人事でしかなかった。」ということ、そしてまた、23年間一生懸命働いて、ようやく建築できた仕事場の倉庫が崩れていたのを見て、涙が止まらなかった‥‥とお話しされていたことが印象的でした。

明日はEDX東京2024に行ってこようかなあと思っています。