明日からに備える。

生活者ネットワークの岩崎さんからの呼びかけがあり、女性議員有志で、連光寺六丁目の(仮)農業公園(予定地?)を見てきました。私は数回、足を運んでいるのですが、安心して車を止めておける場所もなく、歩いて行ったりもしますが、気軽に行ける場所とは言えないところ。もともと、この場所の一角にホタルが生息していること、ホタルの好む絶滅危惧種の生物が発見されたこと、生物多様性を守っていかなければならないという観点からも、東京都が「連光寺・若葉台里山保全地域」に指定をするという経過をたどり、その後、相続により売却されるかもしれなかった土地を税金で取得して、現在に至る。そして、「農的な活用をしていきましょう」→行政だけでやりきることのは不可能なので、市民と一緒にやりましょう‥‥「市民との協働で農業公園をつくっていきましょう」という流れに乗り、取り組みが進んでいる場所です。

「健康」「食」「いのち」とのつながりを考えていくことは大切で、農作業や農体験を通じて、自分たち自身の食卓をより意識的に捉えることができ、考え、行動していく市民が増えていくことは必要。それは、つまりは、地域の環境や地球の環境を守ることにも確実につながると思うからです。…決して「悪い話」ではありません。取り組んでいきたいし、取り組むべきこととも思います。何より、私は、私たちの「土」を守ることが必要不可欠だと思っているので。

ただ、やっぱり、「あれもこれも」で欲張りに市政運営をやっていけない時代。だからこそ、どんな公園を構想していくか、その後、維持していくためにどれだけの経費を必要としていくのか…もっと、市民的にも納得度を高めていかなければならないはず。すでに来年度から「農業公園」にしていくための公園の基本設計をしていきたいと予算の提案がされているのですが、個人的には、今のこの状況で、本当に基本設計、実施設計からの工事…開園…と進んでいくこと…このままGOサインを出してしまっていいのかと悩んでいます。

行政だけではやれないので、市民にも参加してもらう…ということですが、どの程度で市民に参加してもらい、農業公園の運営に参加してもらうこと、もらえることを想定しているのでしょう…?とか、懸念事項が解消されていません。その運営に対し、どのくらい税金を使っていけると考えているのかも。公園の維持管理、これからますます考えていかなければならない時期にきています。

また、農作業というのは、決して楽ではなく、夏場など、毎日毎日畑に行かないと大変!…と、実際に家庭菜園などをやっている友人に聞いても、「そのまま放置しておけないから」という声は聞こえてきます。市が想定している市民参加というのが、植え付け体験やら時々の草取りや、あとは収穫体験くらいのものならば、「ちょい参加」でできる人はいるのかもしれませんが、そこが「本格的に」となれば、また話は違ってくるはずなんです。

しかも、里山を保全していくことが前提になっており、そのための農業ともなると、まさか、除草剤などの散布は不可ですし、農業のために使える資材などもこだわっていくことが必要かもしれませんし、いろいろ検討をしていかなければならない事項もありそうです。よい状態で農地を保っていくために必要な作業ができるかどうか、そのための人材確保はどうなのか、無償ボランティアでアテにしてできるようなレベルの場所ではなく、本当に広大な土地面積。相当に覚悟がなければできないと思っています。

「農業公園にして、そこで生産した収穫物を市民の人に販売しながら、その収入も農業公園の維持管理経費などにしていって…」‥‥それは、理想的な話しかもしれませんが、そもそも、里山保全のための農業ですから、バシバシ利益を上げていけるような状態というのか、生産活動をすること自体に無理があるのでは?とも感じたり。

まだ、他にも何か、良い知恵はないのかと考えていかないと。検討するための時間、必要ではないのかなと感じています。少なくとも現状に照らし、私が理解できている範囲の中では、まだ時期尚早というか、ちょっと前のめりになりすぎている気がしてならないのです。

何しろ今、市民活動などなど含めて、「担い手不足」の時代でもあり、そのこと含めて、未来につながる仕組みをつくっていくことができるかどうかも問われるのかなと。

そんなモヤモヤ感が払拭できないままなので、今日は生活者ネットワークの元市議で里山保全活動にずっと関わっていらっしゃる向井さんに案内をしていただき、折戸さん、おにづかさん、中島さん、岩崎さんと私で、現地確認できたことはとても良かったと感じています。

ボランティアの皆さんで、整えてくださったようです。ありがたいことです。ここが今の状態で維持出来てきたことはなぜか。守ってきた水脈や水質などがあったはずです。そこを含めて、この環境を守っていくための人手とお金。

「地球環境を守るためにお金を投じていかなければならな時代」にあることをつくづく考えさせられたひとときでもありました…。私たちが失ってきたもの、手放してきたもの…その代償の大きさ。

 

そして今、私たち大人は子どもたちに何を残そうとしているのでしょうね。