子どもの居場所。

諏訪商店街にある子どもの居場所「リバティ」へ。いつものように子どもたちがいて、にぎやか。キッチンだけでなく、子どもたちを見守ったり、話し相手になっているスタッフ二人の手際の良さと言うのか、子どもたちとの信頼関係と言うのは日々築かれているのだなあと感じます。食事メニューについても、一人ひとり子どもたちの食材好き嫌いを把握し、「努力を促したら、食べてくれるかどうか」という一人ひとりの個性も把握し、その努力の促し方もちゃんと心得ていて、さすが…と思ってしまいます。無理強いをすることはしない…かと言って、子どもたちの意のままに、そのまま従うというのではなく、子どもがやりたい放題、し放題ということでもなく…場を維持していくことはなかなか技術のいることだなあと…感心してしまうのでした。

こうした「子どもの居場所」については、ニーズが高まっていることを感じていますが…その在り方は一様ではないですし、やっぱり「合う」「合わない」というのはあって当然。きっと、万人に合わせるということのほうが難しい。

これが大前提にあって運営できることが、どうしても堅苦しくなる公教育の場とは異なり、呪縛で雁字搦めみたいな学校とは異なり、に課せられている呪縛とは異なり、子どもたちを受け止めることができる温かさにもつながっているのかもしれません。

私は「リバティ」の壁に飾ってあるこの絵がとても好き。懐かしい雰囲気さえ感じる作品。年齢の違う子どもたち同士が一緒にいる感じがいいなあと。

それにしても、ヒシヒシと感じるのは…とにかく、学校に違和感を感じている子どもたちが「こんなにも多いのか!」ということであって、それでも一生懸命に学校に通っている子どもたちがいるということも。頑張りすぎて無理をしていて、気張っていて…そりゃ、疲れるよな…と共感することしかできないですね。きっかりと決められた時間の中で、カチカチパキパキと動いていかないとただただ脱落して、取り残されていく空気感が学校だけでなく社会全体にも広がっているように感じていますが、「一人ひとりに寄り添って」という掛け声がむなしくしか聞こえてこないというのは決して私だけではなさそう。大人社会からのしわ寄せが直撃している…子どもたちを見ていてついついそんなこと感じる今日この頃です。

しかし、だから、「子どもの居場所」が求められているのだと感じ、居場所の必要性を痛感する一方で…ニーズがあるからとどんどん開設できるかと言えば、決してそういうわけでもなく、運営し継続させていくこともまたすごく大変なことを思うと、やっぱり…義務教育であって、全ての子どもたちを受け止めることになっている公教育の場の在りようが問われる気がしています。

不登校問題がますます深刻化していて、多摩市でも不登校の児童や生徒の数は年々増えていて…対応しても対応しても…ということで、教育委員会は対策を講じているはずなのに…数は減りません。多摩市に限った話ではなく、全国的な状況を見ていても…ですが。どこかがズレているというのか、何かが違っているのではないかと思うのですが、根本的なところに対策を打てていない結果とも言えそう。根本的な対策…できるのは自治体なの?…とも思っていて、社会全体で変わっていくしかないだろうと最近は強く感じているので、そう思うと国の方向性とか対策が問われるに違いないのですが。

多摩市民文化祭に参加をされた多摩ファミリーシンガーズの公演に足を運び、子どもたちの透き通った歌声を聴きながらも感じていたのですが…。やっぱり、先生や親以外の大人と関われる場所があって、子どもが自分自身の存在を確認できるって大切なことだなあと。もちろん、そこに必要不可欠なのは大人との信頼関係になりますが、信頼関係があるからこそ、大人は子どもに対し、時に厳しさを教えたり伝えることもできるわけですから。あたたかくて、でも厳しい指導をされるファミリーシンガーズの高山佳子先生が公演にあたって、指揮をされているときと、舞台の上で子どもたちを紹介したり、挨拶をされるときのオーラの違いが物語っているように思います。先生が全て子どもたちに舞台の上で出番をおつくりになっていることを演出から見て取れ、私にとっては学びをいただける機会でもあるのです。

今後、子ども政策のかなめとなっていくだろう「こども家庭庁」ができて、どうなっていくのでしょう。多摩市でもその動きを捉えながら、どう進んでいくのでしょう。「子ども」ではなくて、表記も「こども」になるそうですしね。

「すべての人に居場所と出番のある地域づくり」

子どもたちの居場所がその一つとして大事な役目を担うとするならば、市民の善意やボランティア精神に頼っているだけでなく、それこそ必要なところに「みんなのお金=税金」を使っていく必要があるのではと思えてならないようこの頃なのでした。

 

立冬らしい寒い一日でしたね。どんどん冬が近づいてくるんだなあ…と思うだけで、背中が丸く丸くなっていきます。冷えますね…ホント。