環境学習セミナー。「じぶんごと」。

月1回ペースで3回講座の環境学習セミナーに参加してみました。このセミナーは市民協働で実施されているもので、多摩市民環境会議のみなさんと一緒に開催し、環境行政を知るきっかけづくりにも位置付けられていると理解しているのですが、シリーズものの講座は全回出席することも難しく、これまで参加したことがなかったのですが、今年は何とかスケジュールが合わせられそう…と思いましたので申し込んでみました。多摩市の環境行政は「市民と一緒に進めていく」ことを柱の一つにして進めており、この学習会もその一環で開催されているものです。毎年テーマを決めながら、企画運営が行われているのですが、多摩市民環境会議に参加する市民のすそ野を広げていくことも目的の一つになっています。

さて、初回の環境セミナーでは「気候非常事態宣言」について、環境政策課からのレクチャー。当たり前のことなのですが、やはり…あちこちに興味や関心を飛ばしながら、日々を過ごしている私とは異なり、環境政策課は最新情報をきちんと得ながら仕事を進めているんだなあ…ということを再認識しつつ、多摩市の気候非常事態宣言の内容、今後の取り組みの方向性など盛りだくさんの話を聞くことができて有意義な時間でした。ただ、ちょっとくらい…前知識がある私にはわかりやすい話でもあり、充実した内容だったものの、今回初めて「地球温暖化のことに興味があって、聞かれたときに人に伝えられるようになりたい」という動機で参加された方にとっては難しいところも多く、専門的な用語が多かったので、話についていくのが大変だったという感想も聞かれました。

作家の井上ひさしさんが残された「むずかしいことをやさしく,やさしいことをふかく,ふかいことをおもしろく,おもしろいことをまじめに,まじめなことをゆかいに,ゆかいなことをいっそうゆかいに」という言葉を思い出すのですが、とても手ごわいことであって、意識はしていて、心がけていたとしても、常に「修行不足」を感じている私ですが、行政用語にも慣れ親しみどっぷりしていると、市民に伝わっていないことも理解できなくなるかもしれない…とすることにも気がつかされるものです。

「地球温暖化」…この問題を何とか市民の皆さん一人ひとりの「じぶんごと」に…ということで、発信し続ける環境部であり、環境政策課ですが、その手ごたえを得るまでにはまだまだ相当時間がかかるだろうなあと感じています。また、参加者の顔ぶれなどを見つつ改めて実感させられたことは、今後の市民活動の支えての問題。これは、環境行政に限らずのことであり、地域社会全体の問題として共通事項だと捉えていますが、やはり、市民活動が全体的に先細りになっている状態は否めないですね。もちろん人口が減っていく…ということもありますが、それ以前に、有償ボランティアであっても人を集めるのが難しくなっている時代にあるという認識が求められるような気がします。「市民の力」とか「地域の力」を活かしてまちづくりをするというのは「自治」を進めるという視点からも自然なことであり、必要なことだと思うのですが、そうは言っても、今までのやり方では限界が見えている気がします。もちろん、高齢化が進んでいることが要因の一つでもありますが、それ以上に、元気なうちは働いて稼ぐことを優先しなければならない市民が増えていて、暮らしのゆとりから気持ちや心の余裕を見出し、社会貢献や地域貢献という形でボランティアにかかわることが難しくなっているように思っています。多摩市の環境行政についても振り返ってみても、あてはめられるような気がしていますし、「気持ちはあっても時間的な余裕がない」人が増えている社会を踏まえ、私たちが前提にしてきたことを問い直す、見直していくこともまた求められるような気がするのです。

これまで市民活動に支えられてきた多くの活動があり、特に環境行政を支えてきた市民の皆さんの力は大きい。今でも、グリーンボランティアをはじめ、市内の緑化活動など道路アダプト、公園アダプトなどでも活動していただいているのですが、担い手不足と存続の問題が課題です。私が指摘するまでもなく、行政でも認識があることから、新しいあり方など模索されているのかな…とも思いますが、そもそも地域活動や市民活動に参加している職員の方ってどのくらいいるんだろう?…仕事としてではなく、いわゆる自分自身の余暇活動としてかかわってはじめて見えてくることがあり、その中に今後に向けてのヒントがあるのかもしれず。四苦八苦しながら、企画政策部が進めている「地域委員会構想」も企画する側の行政の担当者の皆さんも「参加したいものになっているのか」という視点が一番大事だと思っています。まさに「じぶんごと」として捉えることができ、心の底から、「やりたい!」と思えるような内容になっていて、初めて、市民にもおススメできるのではないかな?ってところあたり。

久しぶりに、ベルブ永山のれすと。時々、市役所の売店でも買うのですが、「アップルパイ」はとてもおいしいのでおススメします。自分自身が「いいな!」って思えるものは、シェアすることができますね。秋晴れの昼下がり…「次の議会で一般質問でやるテーマ」が他にも思い浮かんできたので、さて、どれから取り掛かろうかなあ・・と思案中。しかし、「じぶんごと」という言葉はなかなか味わいのある表現であり、重要ですね。