女性議員が増えると。

今年で3回目になる多摩市の「女性の健康応援隊」によるピンクリボン月間に合わせた宣伝活動が終わりました。健康センターからも課長と職員さんが合流してくださり、ありがたい限りです。永山駅、多摩センター駅、聖蹟桜ヶ丘駅の3駅前でのキャンペーン活動で、健康センターが作成している「乳がん検診」のパンフレットとポケットティッシュ(日本乳がんピンクリボン運動様より分けていただいております)を配布しています。もともと、前副議長の池田さんが女性の健康を支援するという観点でピンクリボンアドバイザーの資格をお持ちだったり、地域でも活動されていたこともあり、私たちの活動の世話人として取りまとめをしてくださり、私も…世話人に名前を連ねてはいるものの、ただ、いるだけな感じで、ポケットティッシュの受け取り段取りをはじめ、関係部署などとの連携もすべて事務局的にサクサク動いて下さるのです。「やろう!」という呼びかけ、それを継続していくためのフォローアップ…やっぱり、中心的に動いて下さる方がいてこそだなと思うものです。ありがたいです。

そして、こうした下地というのか、「女性」という立場で課題解決をしようという緩やかなつながりがあり、3月議会の時には女性議員全員で「生理の貧困」への対応を市長、教育長に要望し、翌日にさっそく市長から「要望書を受けて、動きます」ということとなり、公共施設や学校などに生理用品の配置をする、あるいは、窓口での配布などへの動きにつながりました。特定の政党あるいは会派からの要請や要望で行政が動くというのではなく、「全女性議員で要望する」というのがちょっと斬新というか、外部から見ると、とても珍しいこととして映るようですね。どういった経緯なのかわからないのですが、同じく「女性の健康隊」の世話人メンバーである副議長の橋本さんからのご縁があり、池田さん、岸田さん、橋本さんと私…でオンラインで関西のテレビ局より取材をしていただきました。

まだまだ政治の世界で言えば、女性は少数派…そんな視点から、「女性議員」に着目をした取材のようでした。記者さんによれば、「女性が少ないときには党派など関係なくつながれたものの、女性が増えることでかえって、連帯感が薄れていく場合もあるようだ」というお話でしたが…それは、それぞれに政治的な思惑が働くからだろうなあ…と思います。多摩市議会の場合は「政治的な思惑」というのか、それぞれに様々なことを思わないわけではないと思いますが、「市民のためにやった方がいいこと」あるいは「市民のために誰が考えてもやるべきこと」については党派とか会派とかそれほど意識することなく、動ける議員が多いような気がしています。国政あるいは都政にかかわることであると難しいのですが、市民生活に直結して、自分たち自身で解決できるような内容であればあるほど、政党とか会派の立場をそれほど意識することなく「行政を動かすにはどうしたらいいのか」という視点で、「議会」という機能を活かす…行ってみれば「全議員で一致して動く」ようなことを重視しているような気がしていて、行政もまた「議会で一致して」という点を非常に注視しているというか注目しているようにも思っています。

今日取材を受けながら、橋本さん、池田さん、岸田さんからのお話しも伺うことができ、私たちはことさら「女性」であることを意識して活動や行動をしているわけではないのですが、でも、「生理」のことなどは生物学的に女性であるからこそ共有できる課題もあり、その意味では自分たち自身の課題を無意識のうちに「共通課題」としながら、問題に向き合えているのはないのかなという気がしました。ひと昔前だと、「生理」という言葉すら議場で発することが憚られるような雰囲気ありましたし、それは「性被害」のことも同様ですが、女性に根差す意識にも深くかかわっていたように思います。

いずれにせよ女性議員が増えるということは、今まで水面下では課題になっていたこと、なかなか表に出てこなかった問題など含めて、やはり浮き上がってくることはあると思っていて、それにはある程度「数」が必要かな…というのは私の何となくの結論です。その意味で、女性議員の数が増えることは政策決定の場においてもプラスになると考えます。

もともと多摩市議会の場合は私が議員になった約20年前からも女性議員は10人前後で常に一定数いたこともあり、個人的には議会活動そのものに「女性蔑視」のようなことを感じずに今までの活動を重ねてきました。とても恵まれた環境といえるのかもしれません。もちろん、過去…年配者の方の中には「女性」への対応がいまいちだと思われる方もいらっしゃいましたけれど…「今日の化粧はどうしたの」「今日の服装はいいね」とか「おねえちゃん、おねえちゃん・・・」など呼ばれることもありましたし、「女のくせに生意気」に近いことも言われたことなどなど、まあ、いろいろありましたが、それもいい思い出というか、個人的には「その人の生きた時代、育った環境」が表れるなと…受け止めていました。今はそんなこと一切なく、男性議員の皆さんも(表向きには?)とても紳士です。そして、女性の健康応援隊の活動にも参加し、活動に加わって下さる方ばかりで、「俺は、そんなことやらないよ」とか「関係ないよ」なんていう議員は一人もおりません。

「いろんな意味で…時代が変わってきたなあと…」…ことこれに限らず、思うことは多いのです。私でさえもそう思うので、古くからの議会を知っておられる方であればあるほど、今の議会を見ると驚かれることもあるかもしれませんね。全国に目を向けると、女性議員が一人もいないという地方議会もあり、女性が一人、二人と少数派で苦労されているところもあり、その話を聞いているとなかなか大変だなと思います。

とはいえ、そういう地方議会をつくるのもまたその地域の意思であって、有権者の意向が反映されているともいえるわけで…。

その点では、「多摩市民が求める地方議会がここにあり」ですね。とにかく自分の役割とは「より市民に必要とされる市議会をつくっていくこと」だと私は考えていて、個人的には「女性が意思決定の場に参画することが当たり前ではなかった時代」のことを忘れずにいることは大切かなと思っていますが、ことさら「女性」を意識することはなく振舞えることの方がもっと重要だなと思っております。

今日の取材は記者さんにどう響き、受け止められたのでしょうね。放送は関西圏だけのようですから、こちらからは残念ながら見ることができないようです。