決算審査4日目

昨日はお月見を忘れていたなと思って、今日の帰り道は明るいお月様にそっと心で手を合わせて帰宅。お弁当についていたデザートのうさぎ。これでお月見気分たっぷりですね。最近は我が家でもお団子作ることがなくなりましたが、作り立てのお団子は「確かに美味しい」のです。

今日も決算審査です。残っている発言時間の消化試合ではなくて、きちんと最後まで使い切って、有意義な審査になるとよいなと思っています。決算報告書というよりは、どちらかと事業ベースで一年間の活動成果が見えてくるのは「決算事業カルテ」といわれる決算事業報告書です。気になる箇所などいくつかあっても、事前に「これはどういうことなのか教えてほしい」とヒアリングをしてしまえば済んでしまうというか理解できることも多く、議事録に残すためにわざわざ質疑するまでのこともないかなと思えるものも少なくありません。

今日は教育費まで質疑が進んだのですが、図書館運営費のところで「充実していかなければならない」的な立場から意見が述べられたことについては、さすがに「じゃあ、どうやって、財源をつくればいいと思っているの?」って反問したくなりました。私自身も図書館政策には想いもありますし、市民にとってより良い図書館をつくっていきたい、発展させていきたいと思っていますが…今の市の財政力との見合い…というよりは、図書館だけではなくてやらなければいけないことがわんさかある中で、「では、どれだけ図書館予算を割くつもりなのか?」に対する見解を聞いてみたいものです。

図書館本館がいつのまにか中央図書館と呼ばれるようになっていて、多摩中央公園内での新たなハコモノづくりも予定通りに進んでいるようです。個人的には建設予定地の木々が伐採され、なぎ倒されているのを見ると「公園破壊」という言葉しか思い浮かばなかったのですが、でも、これが「多摩市」の進むべき道なんだなと思いながら、議会も共に決めたことだと受け止めつつ、今は「工事が無事に終わってほしい」という気持ちに落ち着いています。工事中の事故が一番怖いので、とにかく安全無事に完成させていくことが必要だと思って現場を見つめています。

ただ、この選択が本当に「多摩市」が取るべき道であったのかについては今でも疑問です。環境負荷を低減する建物にするとか、なるべく人手を必要としないような自動貸し出し機を設置するとか、もちろんできるだけ最新の設備は設置されているとはいえ、維持管理費を考えると決して馬鹿にはならず、負担感が減るとは言えないでしょうから。しかもガラス張りになっていて、それこそお金かかりますし、さらに言えば、建物が真四角ではないところから、メンテナンス費用など…きっと今後の負担増につながっていくのだろうと考えています。建物を維持することがどれだけ大変なことか…経験を踏まえても嫌というほどに私たちは心得ているのではないのか?と思うのですが、やっぱり「見た目優先」の建物になってしまったことが個人的には残念。

気候変動で今後の気象をどう見込んでいくのか?というのもありますが、ガラス張りの建物はおススメできない感じがします。もちろん、窓の性能でカバーするという考え方もありますが、そんなに簡単なことではないですね。新型コロナウイルスはクーラーを入れながらも、窓を開けて常時喚起することも必要になってくるので、公共施設の今後の光熱水費がどうなっていくのか?も今まで通りの想定ではいかないはず…と私は捉えています。

ということで、「図書館運営費」だけを捉えて、「もっと充実が必要だ」というのは簡単なのですが、そこだけを捉えて、質疑をしたところで、「対案示してほしい」って思うんですね。もともと、地域図書館を畳む、縮小する方向で本館の建替えが議論されていたことを忘れてしまったのかしら?と思います。「地域図書館も今のまま残し、そして、本館も今よりも維持管理費の増える素敵な建物として新しく造ります」…「え、それで大丈夫なの?」って考えるのが自然だと思うんです。

私たちの会派では自然に思い浮かぶというのか、「素朴な疑問」に対して現状では少なくとも「答え」が得られていないことを問題視しているだけの話で、「そんなに欲張りになれないよね」って主張しているだけです。「図書館政策だけにはこだわりたい!」ということなら、「それなら、こだわらないところはどこなの?」を聞いてみたいという感じです。図書館政策だけを捉えるわけにはいかないのが私たち議員の立場。「あれもこれも」では立ち行かないですからね。

まあ、政策や事業の質ではなく量を重視するのであれば、「薄く広く」になるので、そういう選択肢もありかなと思いますが、私は「質の時代」だと思っているので、図書館についても「質にこだわる」を優先させていきたいと思います。しかし、今のところ議会全体としては「質」より「量」かな。それはまた市民の選択でもあるので、「量」を優先した図書館政策の行方を見守りつつ、しかし、「お財布」には「底」はありますので、そこは意識しながら、今後の議論を前向きに進めていくしかないなと思っているところ。

今日の図書館長さんの答弁は「図書館政策」が置かれている立ち位置をよく理解され、正直に状況を伝えながら答弁されていましたね。「市民にも職員にも役立つ図書館にしたいと思っている」という答弁は印象的でした。がんばってほしいです!

いろんな思いが交錯して、思い通りに行くことばかりではないなと思うのですが、まあ今日はお月様を拝むことができたので良しとするか…ですね。明日はお休み。ホッとします。