5Gアンテナ。便利で快適…だけで突き進むのではなく。

  

今日は空模様をずっと眺めていると楽しかったかもしれない…と思いました。生活環境常任委員会があり、2つの陳情を審査しています。「5G アンテナの設置を携帯各社にやみくもに行わせないことを求める陳情」と「 第五世代移動通信システム(5G)基地局設置に関する条例制定に関する陳情」です。関連する内容なのと、私たち自身も学びながら、陳情審査をしなければならないと考えていることから、少し時間をかけながら、慎重に審査をしていく方向です。今日も結果的には「慎重審査」のために先送りしました。まだ、12月の定例会中の委員会もありますので、審査はそちらにも委ねられていくと思います。

これからの社会。情報化というか…デジタル庁の設置まで打ち出されている状況の中、私たちがこれから進んでいく社会の方向…ここには抗えないとの認識ではいずれの議員も一致しています。新型コロナウイルス対応で広がりつつある「オンライン」…新しい生活様式はこれまで以上の強い通信が必要とされていることは確かです。「いい」「悪い」と議論している余地がないほどの猛スピード…GIGAスクール構想のことを考えても…。私たち市民が取捨選択するというような暇もないほどだと感じています。

しかし、健康被害の問題には目を向けておきたいと思っています。少数派かもしれませんが、過敏症の方の存在を私たちは知っておかねばならないと思うのです。

「国が安全と言っているから安全です」

確かにそこに拠るしかないのかもしれません。でも、実際には不調を訴えている方が存在しているのです。残念ながら、疫学調査などに積極的に乗り出すこともないのが私たち日本社会の現実…総務省の「電磁波防護指針」に則っていれば「〇」という域からなかなか超えることができないのは心苦しいことです。今日の委員会でも環境部と議員の質疑応答とやり取りが行われましたが、「電磁波過敏症の市民の方がおられることは認識している」という前回の委員会での答弁がベースになっていることは部長や課長の対応からも感じることができます。環境行政においては、多摩市行政が誠実な姿勢で市民と向き合おうとしている感じがします。国に決して逆らわない…が大原則にある自治体ですが、しかし、「そんなことあるわけない」という姿勢ではなく、現状に向き合おうとする対応にはむしろありがたさを感じるのは私だけでしょうか。救われるような気持ちになるのは、得体のしれない頭鳴りの要因に電磁波もあるのではないかと疑っているからかもしれません。

とにもかくにも…「そうしたことは把握はしていません。」

けんもほろろにて拒絶するというのか、もし、このやりとりが国会の場であったら、どんな答弁が返ってくるのでしょう。国会中継を思い浮かべつつ、ついつい想像するわけですが、少なくとも電磁波過敏症の訴えを理解しようとする姿勢があることにありがたいとさえ思うのです。

5G・・・今以上に高速通信、そしてまた大量の情報を送受信できることと宣伝されていて、そのことが私たちの暮らしを豊かに幸せにしていく(かもしれない)一方、失われていくものは何か、そしてまた、私たちがその一方で意識していかなければならないことは何かも同時に情報として手にしておきたいですね。

 

今日は陳情を提出された方がいらしてくださり、審査前に5分間意見を述べられました。電磁波過敏症当事者の方です。その中では海外での状況についても触れられていたように、日本の大手メディアではめったに報道されないのが海外の状況。知る努力をしなければ、知ろうとしなければ、気軽に手にできない情報だと再認識。そして、委員会もまた陳情者に寄り添いながら審査が進んだと思いますが、最終的にはもう少し勉強もしたいということ結論を出すのは12月になりそうです。

 

ちょうど12月にベルブ永山の消費生活センターにて開催される予定の「消費生活フォーラム」では関連する学習会の企画もあり、そちらに参加して、深めていきたいとの意見もあり、私たちも前向きに取り組んでいく方向です。私は委員会では委員長ですので質疑をしたり、意見を述べたりはできないのですが、市民の方の願いを議会としてどう受け止めていくのか、合意点を見つけていく努力をしなければならないと思っています。便利さを追求していくことは否定しませんし、それに伴う豊かさもあります。ただ、そこだけに意識を奪われてしまうのではなく、「一方で…」とか「その裏には…」もどこかで心に留めておきたいものです。ぜひ、5Gアンテナ問題について、少しでも関心を寄せてくださるとうれしいです。