「みんなで決める」の先には

「田舎でたくさん収穫してきた」とブルーベリーをいただきました。この炎天下の中、ブルーベリー摘みの作業がどんなにか大変なことなのかと想像するだけで、この1粒の価値と味わいがグンと増すものです。今日は午前中は会派でミーティングをし、午後は三市収益事業組合の全員協議会がありました。あっという間に一日が終わりました。

ところで、「みんなで決める」ということを、考えさせられる場面がいくつかあり、「みんなで決めた」ということは決めた責任も「みんなで負う」ということになると思うのですが、そこが噛み合っていかない場面に遭遇しています。そして、「誰が決めたのか」というような犯人捜しのようになっていたりする場面。政治のことを考えても同様なのですね。「誰が決めたの?」…と後から気がついて、過去を辿ってみると、結局、「誰か一人」が決めているわけではなく、そこに一つひとつ曲がりなりにもというか、手続きだけは適正に行われていて、「全体で合意形成を図って、決めてきた」と言えるものがいくつもあるわけで。

しかし、この「みんなで決める」ということの先に、「みんなで決めてきた。誰も責任を取らない。」になってしまいがちで、結局、「決めた人の責任」はそれ以上問われないことって多すぎ。市政運営の様々なことで考えても、「その時の判断は間違っていなかった」ということで受け止めて、次に向けて知恵を働かすということになるのでしょう…。

最近になり、多摩中央公園の図書館再整備のことを知った方から「誰がそんなこと決めたの。いつ?」と尋ねられ、「そんなものが、今のこの時期に必要なの?」と随分と責められたのですが、そう言いたくなる気持ちはわからないわけでもありません。ただ、私個人の見解は別として全体合意としては「魅力があり、人が集まるような図書館をつくることは多摩市にとって欠かせない」というのが判断であって、しかもその立地場所も多摩センターということになるので…。今までの資料をご覧いただくようにとまずは促してみました。

それにしても、今回の9月議会では、北貝取小学校に新たな公共施設を設置することで条例提案が行われますが、正直言って、ほとんど多くの市民には知られることないままの状態で、多額の税金が使われていくことになるなと考えています。市としては広報などでもお知らせしているということで、情報公開にはつとめていて、市民との情報共有は行われていると主張すると思いますが、しかし、こんなにも知られていないままに条例にて施設を設置するというのは、次には条例を廃止しなければその施設は無くならない恒久的、半永久的に存続させる責任を市民に課すことにもなるわけで…。

あまりお金をかけないで、必要最低限で施設の改修を行って設置する「多摩市立市民活動・交流センター」「多摩市立多摩ふるさと資料館」になるわけですが、それにしても約10億の施設改修費を要しますし、その後の維持管理費用についても新たな市民の負担となってのしかかってくることだけは確かです。ちなみに「多摩市立市民活動・交流センター」については、指定管理者による運営を予定していますが、その指定管理料についても数千万以上は必要となるはず…、具体的な金額は明らかにされないまでも、おそらく、最低限の建物の維持管理や管理人を配置するにしても費用が発生することは確か。そのレベルではかかってくると私も見込んでいます。もちろん、何においても「最小のコストで最大の効果」を狙っていくことと思いますが、「必要最低限のコスト」で何とかしようと検討は進んでいるとはいえ、いずれにせよ、従来は、必要のなかった新たな負担が発生するということであり、まあ、何かを削ってこのための予算を捻出することになるでしょうし、それはとても工夫のいることだと考えています。これは、今の、市民の暮らしにとって本当に必要なものであるのか、吟味せねばと思います。

一方、市民が今でも活動や交流の場として使用していて老朽化が進んでいるのはコミュニティセンターですが、そちらの大規模改修については従来予定よりも時期を少しずつ後らせるなど対応が図られていまして、その意味では、新たな施設の開設や維持管理のための費用の影響はいろんなところにちょっとずつ作用しているのではないのか?と個人的には捉えています。

あ、というよりか、多摩市には市民が活動して交流できる場所はいくつもいくつもあると思っているのですが、また、新たに設置しなければならない理由や追加する理由…既に、北貝取小学校の大規模改修事業そのものは動いているとはいえ、私個人としてはいまだに納得できない面もありますね。やっぱり、将来にわたるコストの負担を考える時、その他も含めた全体を見ると、少しオーバースペックではないのか?という気がしてなりません。市民の活動や交流の場としては公民館もありますし、コミュニティセンターもありますし、地区市民ホールもありますし、地域レベルで言えば集会所もあります。集会所についても、多摩市所有の財産であって、もちろん地域の方々使用すること前提とはいえ、最終的にその資産に責任を持つのは「誰?」という感じになりますし。その点、今ある施設の維持管理だけでも、結構、予算的にはアップアップの状況に、次なる新たな市民活動の場を作ることのインパクト…改めて考えておきたいと思います。

いずれにせよ、「みんなで決めてきた」となるのかもしれませんが、その決め方がどうであったのか…とか、決まったときにはどんな意見があったのか…がとても大事なことだと思っているので、ここはまた私個人の意見も含めてですが、改めて、会派でも議論を重ねておかねばと考えています。

まだまだ残暑が続きますね。それでも、猛暑ではなくなったか…。