見えていなかった問題が、可視化されるとき。

都知事選挙の結果はやっぱり想定通りの結果になったなと思います。そしてまた、4地区で行われていた都議会議員の補欠選挙の結果についても、私が考えていたとおりの結果でした。政党に所属をしていなかったとしても、自分の思いを託したいと思える候補者がいれば、もう少し熱を入れて、選挙支援もできたかもしれませんが、当初段階から、いろんな思いが入り混じり、いつもとは違って選挙運動には加わらず。ただ、私の一票は「現職」に入れることはしませんでした。私が願っていたことは、現状を踏まえて、私たちが自分自身で「くらし」のことを考えて、意思表示してほしいということ。

その点からすれば、これもまた、予想通りとも言えますが、投票率は低下し、多摩市も前回63.23%が今回は57.50%と約5ポイント減。「やっぱりな」と沈む気持ち。

今日はコンビニスィーツで、おみせに「おすすめ」とポップつきのプリン。黄身とミルクを贅沢に使用と書いてあるだけあって、プリンのは黄色が強め。甘さは私にとっては甘いほう。私はやっぱり、もう少し「たまご感」のあるプリンのほうが好き。

 

さて、市議会の災害対策連絡会が開催され、市内で障害者福祉施設を運営されている皆さん、7団体の方がいらっしゃり、意見交換などを実施しました。災害対策連絡会は会派代表者がメンバーなので、それ以外の議員はオブザーブ的に出席しました。約8割の議員が出席。

 

新型コロナウイルス感染の拡大に伴う自粛により、厳しさを増している各団体の経営状況、そしてまた、施設に通所されている当事者のみなさんがたの状況について報告がありました。公共施設内で喫茶を運営している事業所などは、公共施設が閉鎖したことに伴う収入減はもちろんのこと、それにより、当事者の就労支援を継続させるためのご苦労をされていること、休業補償などもしていかなければならないけれど見合った財源を確保していくこともなかなか難しいこと(国や東京都からの支援金を受けるにもハードルが高い実態)、当事者の皆さんはステイホームのことも十分に理解されている場合とそうではない場合もあり、環境変化によって体調にも影響が生じていること、また、家族への負担も増加していること…現在は、徐々に活動を再開しているとはいえ、「3密」を回避するにも活動場所が狭いため、通所の人数制限をしなければならず、当事者の皆さんの期待には応えきれていないこと。公共交通を使わずに通所を可能にするための送迎を実施しているけれど、それは全て団体側の持ち出しにせざるを得ないこと。もちろん、新たな人材を確保することは難しく、「密」にならないギリギリのスタッフ人数で業務全体も回さざるを得ないこと…運営者側も苦渋の選択をしながら、日々を過ごしていること等、「もし第2波が来たら…」という危機感と常に向き合っていること。当然ながら、社会全体の状況から、受注できる仕事量も減っていて、ますます収入減にもなっていることは想像できます。「たまげんき」というネットワークを組織しながら、大口の仕事を一括で受注するなど、仕事確保など工夫もされているようですが、なかなか厳しいとのお話も伺いました。ここには「たまげんき」の事務局体制にも課題があるようですが、ここへきて、そのことがますます見えてきたという現状も。

 

私たち議会として真っ先に気になるのは、行政からの支援あるいは対応ですが、「市として障害者支援をしている団体の実情を把握して、その全体状況を公表してほしい。」…と要請をしていても、期待に応えられるような状況にはなっていない様子。ちょっと残念。ただ、行政側も、1度はアンケートを実施していて、ヒアリングなども行った経過は確認しています。とはいえ、それでもまだまだ現場に寄り添うという意味では不十分さがあるのだなあと理解することができました。

 

「市からの発信も薄い。『頑張ってください』というような一言の励ましも薄い。」という本音を語ってくださったのですが、私にはこのことが最も印象的でした。具体的な金銭面での支援などなどできなかったとしても、でも、声をかけて、労うということはできるんですよね。そして、その一言がとってもうれしくて、エネルギーに変わる場合も多い。やっぱり、団体の皆さんに対する「感謝」があればこそ、自然に口を次いで発せられる言葉ってありそうですよね。各団体の窮状について、行政が全く理解していないというわけではないはず。その表現って難しいのかなあ。

 

いずれにせよ、現況把握と情報発信や情報共有という点では、1つの団体で情報を収集していくことが難しいというのはいかなる場合においても同様。こうした時こそ、行政が動くことが重要ですね。もう少しネジマキしなければいけないなあ…というのが議員共通に得られた感想ではないかと思います。

 

今日いただいたご意見からは「市に問い合わせをしたら、都に。だったらと都に問い合わせをしたら、市に。」とたらい回しになっている現状なども明らかにされ、「市としての方針が明確にされると、活動しやすい」という声も強かったかな。また、同時に、障害者のための「福祉避難所」に関する言及もありましたが、この辺りもかねてからの課題とはいえ、改めてその必要性を切実さをもって感じるようになったとも言えそうですね。

 

障害をお持ちの方々の支援とは関わるみなさんの熱意に支えられているところも大きく、そして、その熱意にある意味、甘えさせていただきつつ…という面もあるように思っています。また、、障害者就労支援については、国レベルでは莫大な予算がつぎ込まれているにもかかわらず、実際に当事者の皆さんの手元に暮らすために十分な「賃金」として届いていない現状はつねに問題視されてきました。今に始まった話ではないんですよね。「障害者の自立支援」とは何か、改めて問うていく必要がありますが、そこを一自治体で取り組むというのはなかなか難しい。だから、国全体の政治や政策の方向性が問われているのです。知人が自立支援を行うNPOをやっていますが、「自立支援というのは名ばかりだ!」との憤りが企業につながったという話を聞いています。

 

新型コロナウイルスによって、今までは関係者だけには認識されていて、なかなか社会全体の課題にまでなっていなかったような問題が可視化されてきたような気がします。今日の意見交換の内容はもちろんのこと、ひとり親支援、生活困窮者などなど…すべて「自立を応援します!」とかけ声だけになっていたような問題が噴出しているような感じですね。多摩市という身近なところの範囲でできることは限られているかもしれない。でも、もっと取り組めることはあるはず…そして、そのためにこそ、税金をどう使っていくか、有効活用をするために知恵を使わなければならないとも思うものです。現金給付というのは一時的なものであって、継続はしないし、できません。どうやればいいのか…。「目先のことだけではなく、本質的に取り組むべきことは何か。」…私たちが見つめておくべきこと、問うべきことなのかもしれませんね。

 

「豊かな生活とは何か」

 

成熟社会などと言われつつ、いまだに私たちが求めている豊かさの方向性、一人ひとりの価値観が問われている。ステイホームの間に、きっとそうした価値観と向き合う経験をされた方も多いのではないかなって思います。「新しい日常」が向かう先はいかに?いきなり方向展開はできないまでも、今こそ、向かう先を指し示せるような市政運営をめざし、心がけていきたいものです。(なにせ、財源には限りがありますからね。取捨選択が必要なのです)

 

本日、多摩市議会にお越しくださった「たまげんき」のみなさん、お忙しいのにありがとうございました。議会としてこうしたご意見を共有してどう次の一歩を踏み出せるのか。健康福祉常任委員会が動いていくことになりそう。より多くの耳で現況を伺うことができ、問題共有できたことが政策を動かしていく第一歩につながるはず。