賛成多数で予算は可決しています。

暖かな週末に乞田川の桜、満開に近くなっています。でも、木にも個性があるなあとしみじみと感じながら、ピンク色のアーチの下をくぐっておりました。

さて、今日は予算審議の最終日でした。特に何か変わったことやら目新しいことがあるわけでなく、ただ、図書館本館の再整備について、3月19日までに完了するはずだった実施設計について、設計を委託している事業者と事業者から建築確認を依頼されている指定確認検査機関との間で解釈の違いが確認されてしまい、もう一度設計変更をしなければならなくなったという件について、議会での見解は分かれましたね。

まず必要なのは実施設計が終わらなくなったので…建築確認を下りることを見込んで、実施設計の契約期間を延期せねばならないということ。市側は5月末まで延期をすれば大丈夫だと判断しています。そして、この契約期間の変更に伴って、追加で予算が必要になるかと言えば、必要になるわけではない。さらには、図書館本館再整備のスケジュールについても変更が生じないように調整しているとのことでした。

実は、ここでもう一つ…議会で話題になったのが、事業者から建築確認を依頼している指定確認検査機関が2月に行政処分を受けているということ。業務停止命令を受けています。処分を受ける以前からの事案については、何ら影響がないとのことや、直接的に処分を受けることになった要因は依頼している指定確認検査機関の営業所とは別の営業所であり、検査員についても別であったので、「特段、問題はない」というのが市側の判断でもありましたが、心象としてはあまりよろしくはありません。

今回、設計変更に伴って約2メートルほど壁を内側にずらす必要があると聞いています。それに伴って、市民が活動するためのスペースが約11㎡ほど狭くなるそうです。

つまりは、狭くなる…建設工事費用にも追加は発生しないという見込みであり、市側としては来年度の予算、「建設工事費」については当初提案のまま計上しておいても問題はないという判断のようです。

確かに、契約期間が2か月延長するだけで、追加の予算も発生しなければ、全体の図書館本館再整備の工期そのものも変更しない‛見込み’なんですよね。とはいえ、それで本当によろしいのでしょうか?…という疑問はあります。なぜなら、少なくとも当初予算が固められた時点では「今年度中に設計が完了する見込み」という前提があり、その前提が崩れたということは、本来であれば、「やり直す」ことが求められそうですね。

市側の言う「問題はない」というのは、「このままでも問題が生じることはないであろう。」というニュアンスだと思っていて、3月9日になって初めて、「3月19日までに設計完了できない見込み。建築確認がおりません。」と事業者から聞かされ、万全の最善策だということです。

まあ、全体のスケジュールを変更しないためには「これしかない」との判断を下したということになるでしょう。「市民との約束通りに開館できないことは市民サービスの低下につながる」というのが一番の理由になっているよう。ただ、私たちの会派としては、いろいろと議論もした結果、やはり、このまま建設工事費を計上して来年度の予算を可決することを「適切」にしてはいけないと判断し、修正案を提出しました。「やむを得ない」「仕方がない」と判断して、市側の見解を受け止めることも考えようによってはできるのかもしれない。ただ、「建築確認が予定通り下りない」ことがわかった以上は、ここで一旦、立ち止まったほうが良いと考えるからです。それにしても、設計会社から建築確認を依頼されている指定確認検査機関の業務停止命令がの開始日3月9日が偶然かもしれませんけれど、市が「予定通りに設計完了して、図面を納品できなくなった」と聞かされた日にちと一致しているなんて。

 

ちなみに修正案は私たちの会派フェアな市政とネット・社民の会のみなさんとの提案でした。開会前、教育部長がネット・社民の会のみなさんのところに足を運んでいました。修正案を出すことは予め行政側にも伝わるので、その関係だろうなあ…なんて思った次第です。私たちの会派のところにはどなたも訪れることなく(これ、議会の小話的なものとしてメモ)。さて、修正案ですが、提案者はしらた議員、そして提案内容に対する質疑応答にはネット・社民の会の代表の岩崎議員が対応しました。ブレることなく、私たちフェアな市政とネット・社民の会の皆さんの考えていることが伝わる内容の答弁であったと思います。しかし、そのやり取りの中で、私にとってはちょっと疑義に思うことがありました。

というのも、私たちの会派では設計変更が生じたと聞いた時、「図面を見せてほしい」ということをお願いしたのですが、担当課長は「見せられません」ということでした。にも関わらず、質疑された議員の方が「変更した内容について、図面を確認したのか。自分はちゃんと図面を確認もしている」と主張されていました。あたかも、一部修正が必要になった設計箇所を確認したかのような、その図面を見たかのような口ぶりでしたので、ちょっと驚きました。私たちには「見せられない」ということであって、それは、「どこをどう変更するのかが知りたいから」ということだったのですが、変更前のものであっても見せられないということだったんだけれどなあ…。どの図面で確認できたんだろう…。そのうえで「問題はない」と判断できたんだなあ…。

私たちはどこをどう変更したのかも含めて、図面上でも確認できていないことも心配の要素だと判断していたので、「図面を確認した」という発言が妙に引っかかったのでした。どんな図面をどう確認して、「大丈夫」と言えたのだろう。ちなみに、しらた議員も岩崎議員も子ども教育常任委員会のメンバーであって、折しも…先に書いた行政処分が公表された日(2月14日)に委員会の勉強会が開催され、そこでは参考として図書館本館再整備に関わる基本設計概要書が資料提供されています。これを超える図面を確認したというのでしょうか?わざわざ「自席に行って確認をした」とおっしゃっていましたので、自席というのは「職員のところ」という意味だと思っていて、わざわざそこまで行かないと見れないものなはずなんですよね。概要書はあくまでも、平面図のレベルであって、これまた設計図面ではないしなあ…とか。

「図面を見せてほしい。」…「いえ、それはちょっと見せることはできないのでご勘弁ください。」・・・は何だったのか。モヤモヤとしております。きっと本来見せてはいけないものだからこそ、「見せられない」だったと思うからです。

まあ、修正案は否決ですし、議会の多数は市側の判断で良しとしたわけで、また、ここから進むしかないないですね。いろいろと釈然としない部分もありますが。「コンプライアンス」大事にしたいですね。「あとから挽回できればいいんです」ということで済ませられる問題と仮にそうできたとしてもそうすべきではない問題とがきっとあるのだろうというのが私の考えです。