学校力をあげていくために。

子どもたちが学校生活をどう感じているのか…それを診断するための「Q- U」について、開発をされてきた早稲田大学の河村茂雄先生のお話を伺ってきました。これまでは紙ベースで行われていた診断でしたが、今では瞬時に学級の状態あるいは子どもたち一人ひとりの状況をつかめるようにとWEBを活用した診断ができるようになり、導入をする学校も少しずつ増えているようです。実際に、WEBQUの活用を進めてきたのが、かつて多摩市の愛和小学校で校長をつとめておられた松田孝先生。河村先生と共に松田先生からも話が聞けるというセミナーで、非常に参考になりました。

ちなみに、多摩市では東落合小学校が「Q-U」に取り組んでいて、私も注目をしています。先生たちにとっては「我がクラス」の状態が客観的に評価されることにもなり、導入するにあたっての先生たちの抵抗感が大きいと思われます。現場の話などを伺えば、先生たちからの半端ない抵抗など、耳にするわけですが、しかし、「Q-U」の本質を理解すれば、非常に有効なツールであり、活用のし甲斐があることに納得ができると思われます。

学校というのは、個々個別に立地している環境にもその在り方が大きく左右されるものです。それと同様に子どもたちの状態、あるいは「クラス」についても、クラス経営が上手くいかないことをついつい担任の責任にしてしまいたくあるものの、しかし、決して担任の先生など一人の責任というわけではないはず。いいクラスを作る、集団を作っていくためにどんな策を講じていけるか、あるいは練っていけるのか…ここにこそ管理職のアドバイスなど周りからのサポートも必要であってしかるべきですから(と言っても、担任などがどこまで聴く耳を持つのか…もあるが)。

なので、子どもたちを理解するためのツールであるとともに、管理職が学校経営をするときにも補助として使用できるツールになること間違いなし。かなり活用できるような気がしております。ちなみに、工藤勇一校長の千代田区は麹町中学校や西郷孝彦校長の世田谷区の桜丘中学校でも導入されていると。あくまでも「補助ツール」とあるように、この診断だけを金科玉条のごとくと扱うことには慎重さも必要かな…と冷静に受け止めつつ…しかしながら、子どもたちの学校への満足度を測るため、そのことをクラス経営に生かし、ひいては学校全体の経営にも役立つツールとし、「WEBQU」の活用が多摩市で広がらないかなと思いますし、市教委としても取り組めないものかと思うのでした。

「多摩市は他市に比較してもいじめや不登校が多い」とも言われていますので、子どもたちの状況を客観的に測る努力というのか、個々のクラスや学校の状態を把握しつつ、適切な助言などができるとよいなあと思わずにいられないのです。子どもたちのための学校づくり。課題は山積しています。学校力を上げることが子どもたちにとっても最重要課題であり、学校をアドバイスできる市教委力をアップすることが私たち市議会としても最重要課題かな。

せっかく都内に出かけたのだから…と、渋谷の小さなギャラリーで地元のYUUくんの作品展があったので見てきました。