3月議会が終了しました。議長は予算審議には加わらないので、途中をスキップして最終日を迎えた感じです。実質、任期最後の本会議だったので、いつもとはちょっぴり違う気分で議長席に座ったかなと思います。だけど、いつもどおりの議長席でもあり、開会前には池田けい子議員のミニ手話レッスンがあり、「うさぎ、追いし、かの山~」を復習…議員の皆さん、かなりレベルアップしているというか、きっと手話で挨拶することにはドキドキしないくらいにはなっているような気がします。池田議員、本当にありがとうございます。
当初は、「手話言語条例」の制定をめざしていく…ということも視野に入れつつ、スタートしたミニレッスンだったように思います。萩原前議長の時からの恒例となっていて、いろいろご意見をお持ちの方もいらっしゃるとは言え、私はこうしたことができるのも多摩市議会ならではかなって思います。開会前の5分程度の時間ですが、議員だけでなく、部長さんたち、傍聴席のしみんのみなさんも一緒に学べる機会でした。
ということで、今日はこの定例会でも「受動喫煙防止条例」について、生活者ネット・社民の会のみなさんから修正案が提出されるという段取りがあり、昨晩は議会事務局の議事係は夜22時すぎまで残業をしていたそうですが…最終的には議会全体の意向としてまとめきれないということもあり、「修正案は提出せず」になりました。執行部側は胸をなでおろしているというか、「無傷で条例案が可決」にヤレヤレという気持ちかもしれません。
でも、本当は2年前の市議会における決議をきっかけにして始まった条例づくりでしたので、全会一致という結果で晴れて可決できるような運びをしたかったですね。受動喫煙防止について反対する人は一人もいないわけですから。
生活者ネットワークの向井かおり議員が「自民党会派の猛烈な反対にあったための場当たり的な対応」と討論の中で指摘されていましたが、条例を可決したいがために一生懸命だった担当所管の対応ぶり・・・私個人的にも痛々しく感じておりました。結果的には条例が可決したとはいえ、自民党・新生会、そして改革みらいからは折戸議員、生活者ネットワークの向井、岩崎議員は反対を表明しましたが、私個人的には「公権力で市民の行動を縛っていく」ことへの危惧や危機感を述べられた自民党の萩原議員の討論に心の中では頷いておりました。今回の条例制定をめぐる議論は、市民社会に対する向き合い方について、各会派あるいは各議員のスタンス、軸足がどこにあるのか?ということが見え隠れしていたようにも思います。
表面的なところだけをさらって、「受動喫煙防止条例に反対するなんてとんでもない議員!」というようなレッテルを貼ることは正しくない。条例の内容についても、路上での禁煙をどうするのか?についても極めて中途半端な内容になっていることは指摘せざるを得ません。これについても向井議員が討論の中でしっかりと発言されていました。
「喉元過ぎれば熱さ忘れる」みたいにならないでほしい。私は、今回の議会での議論は非常に有意義な内容を含んでいたと思っていますし、「可決されれば良し」ではないことをしっかりと肝に銘じつつ、市側には「受動喫煙防止条例」に恥じないような取組みを進めてほしいですね。
さて、今日は円滑に、粛々と議事も進み、議長として臨む本会議もこれで終わり。議長席から、議員の皆さん一人ひとりのお顔を拝見していると、お一人おひとりのいいところが次々と思い浮かんだ一日でもありました。不思議。そして、市民から選ばれるというのはとても重たいこと・・・改めて感じたのでした。条例制定をしていく、税金の使い道を決めていく・・・議員の皆さんが「賛成する」「反対する」を決めて、一つひとつ挙手をしていくこと…「市民の暮らし」がかかっていると思うと、本当に私たち議会の担う役割の責任の重みを感じずにはいられないです。普段、四六時中「重たい責任がある!」なんてことを意識しすぎると息苦しくなってしまうかもしれませんね。でも、私たちは市民から選ばれているという意味を心で感じ、だからこそ、日々の努力を重ねていかねばならないんだなと・・・も思うのです。議員個々人としても、そして市民のためによりよく機能発揮できる「多摩市議会」にしていくという意味でも。
そんなことで、私たち議員の任期満了は4月末。私も来月末まで「議長」であることには変わりがないのですが、しかし、今日の本会議が終わって、「一区切り」という気分をちょっぴり味わっております。何はともあれ「感謝」の気持ちをいつもいつもど真ん中にして。拙い議事運営を含め、至らなさを受止めて下さり、支えてくださった副議長、会派のみんな、議員のみなさん、そして議会事務局の職員の皆さんに何よりも「ありがとう」です。