こりゃ大変だな~と思う議長公務

今日は午前中は3月定例会に先立ち、全議員向けに市長からの提出議案の説明などがあり、その後、昼食休憩もせずに都内へ(多摩市も都内だけれど、都内へ行くと言う)。

市議会議員共済会の代議員会がありましたので出席してきました。すでに「議員年金」は廃止されているのですが・・・制度廃止前に受給権などが発生している人たちへの年金給付は未だに存続しておりまして・・・。全国の市議会議員数は平成30年度ですと19,508人存在していて、きっとこの中にも制度廃止前から議員をされている方もいらっしゃるわけなので、きっと引退された暁には議員年金を受給される方もおられると考えつつ・・・現在、退職年金、遺族年金などを含めて議員年金を受けられている方の数が約48,000人もいるという・・・。何とも言えない、残務処理をしているというのか、議員年金廃止されて以降に議員になった人たちには何の‘アレ’もないというのか、出席するにもいささか複雑な気持ちにならざるを得ない会議でもあります。

そして、私の場合は…随行してくれる事務局長とともに議長公務ですので’議長車’で1時間もあれば会場に到着できるわけですが、「代議員会」というのは全国通津浦々の市議会の議長さんたちが、そのお役目として出席しなければならず・・・北は室蘭、名寄、歌志内から南は名護、南城という・・・各地域からもわざわざお出ましくださるというので、「ホント、大変だなあ。」と思うのでした。

別の場で聞いたところに寄れば、こうした地方から都内での会議に出張する場合・・・8連泊をしてその他陳情など含めた諸々をこなすというケースもあるらしく、それこそ・・・地域活動が十分にやり切れないという悩みもあって「議長のなり手がいない」なんてボヤきがあるとか。

今日は、長野県は駒ケ根市の加治木今議長がちょうど斜め前の席にお座りでして、ご挨拶をさせていただいたのですが・・・「前回の選挙の時は無投票だった。」とおっしゃり、選挙が行われないということに危機感を感じている・・・とお話しをされていました。「なり手不足」と。

私の場合は、あまり先を考えずというよりか、17年前に初めて議員に立候補したときに「自分の将来のこと」というよりか、議員年金のこと等頭にはなく、考えてもいなかったわけですし、そもそも私の世代は給付されないだろうなあ…と思っていたわけですが、当時はまだ「議員を3期やれば議員年金の受給権が持てる」という制度が存続…毎月年金として約8万円が報酬から天引きされていましたね。数年たって、議員年金制度が廃止されたとき、4割引きされた残りの約6割ほどが返還金として戻ってきたわけですが…「えっ?4割引き?」って感じですよね。

そして、今では議員年金制度はありませんし、将来への備えは全部、自己管理をしておかねばならず。今でも「議員はどうせ年金があるんでしょう。」等と言われるわけですが、とんでもない!…なので、一般の企業にお勉めなどをされている若い世代の皆さんが将来の身分保障などを投げ打つ勢いで世のため、人のため、社会のため、地域のため…と議員に挑戦しようと一発奮起するかと言えば、子育て中世代など現役バリバリで家族がいる場合にはホント・・・難しいと思っています。いわゆる「ジバン、カンバン、カバン」の3拍子が不足なく揃っていれば話は別だと思っていますが。

まだ都会にある多摩市の場合には恵まれているのかもしれませんが、地方に行けば報酬が10万円、20万円台のところもあり(これは額面であって、ここから税金、保険料他必要経費は差っ引かれていく。)、「若い人に『議員に挑戦してほしい』と言いたくても言えない」という状況がますます深刻な問題になることは想像に難くありません。まあ、多摩市であっても、正直、「後継者が見つからない」という声を伺ったこともあり、地方議員の成り手を発掘することの難しさはあるのだと考えます。やっぱり「バリっと現役世代」を求めようとするとなかなかハードルが高いという話しを最近も耳にしました…。

いずれにせよ、地域がとても大事になり、地域それぞれがもっと創意工夫をしなければならない時代にあり「議員のなり手不足」が問題課題になっている状況を解消していくこと、「何がネックになっているのか?」にきちんと向き合っていかなければ、「豊かな地方自治」とか「民主主義の発展」ということも見込めなくなっていくのではないか?と個人的にも考えております。

今日は市役所のポストが「ペンキぬりたて」でした。