多文化共生を草の根から。

国際交流センターの日本語セミナー部のみなさんが主催する「イヤーエンドパーティ」があり、議長としてお招きをいただき初めて出席、挨拶の機会をいただきました。昨日は世界人権宣言を採択した12月10日でしたので、すごくご縁を感じました。私はこの日を南アフリカのアパルトヘイトのことに関心を持った中学生のころから意識しています。当たり前のことなのに、世界人権宣言の内容を具現化して、実践していくことが難しい。

いろいろな場面で、自分自身の振舞いも含め、私は常々感じていることです。

とてもアットホームなパーティ。持ち寄りの手づくりのお料理に舌鼓!そして、インドネシアのくす玉のような…子どもたちが割ると中からお菓子が出てくるお楽しみにはセミナーに参加している外国人の方、お子さまも大喜び!盛り上がっていました。そして、日本語を学んだ成果が披露されましたが、ジャマイカ出身の方の「僕の宝物」があまりにもうますぎて脱帽・・・その後、各クラスごとに歌の披露などなど更に楽しいひと時をご一緒いたしました。

できるだけ海外の方々とお話をしようという私の願いは・・・「こういうときはどういう尋ね方をすればよかったのか?」と「5W1H」を意識しすぎてどうにもならず…。まだ多摩市に来て4か月というご家族ともお話をしたのですが、相手は「日本語はリトル」、私は「英語はリトル以下」とか言いながら、成り立たない会話でも「話したいな」という気持ちで通じ合えるような何かを感触として掴めたことが何よりもうれしかったことかも。

最後には炭坑節を踊るコーナーもあったようですが、次の予定があり、最後までご一緒できなかったのが心残り。しかし、「困ったことありますか?」…というフレーズすら、英語ですぐに思いつけなかった英語力が情けない。議会からは多摩市国際交流センターの理事を務める大野議員もご一緒したのですが、大野さんはさすが!数日で海外でリフレッシュしてきてしまう行動力にも明らかなように、ちゃんと英語で話をしていた!!!

さて、私は昨日改めて感じたことがあります。それは、言われて久しい「国際化」ですが、これからは「多文化共生」という視点から、政策全体事業全体の再構築が求められているのでは?ということです。私たち日本人が海外文化を学ぶとか交流するということ以上に、「ここに暮らす」「ここで生活している」外国人の皆さんへの支援策の必要性を改めて感じさせられのでした。昨年度、子ども教育常任委員会は「国際交流センター」の取組みについても再検証してみました(平成28年度決算評価)が、その際に出した結論が実感できたわけです。

外国人住民の生命と財産を守る多摩市の役割を果たし、多文化共生社会を作り出していくためには、「交流」だけでなく、さらなる「生活支援」の充実が望まれる。市がその方針を明確にし、TICへの委託や補助がすすめられれば、今の委託では何が充足されていないか等もっと明らかになるのではないか。

今、問われていることだろうと思います。ボランティアの皆さんに支えられた事業展開だけでは限界があるかもしれない。ボランティアの高齢化の問題はかねてから指摘されていますが、そのこと含めて、これからの地域社会、日本全体にも労働力としても海外からの力が必要とされている時代に取組んでいかねばならないことをありそうですね。「草の根」での交流、その下地は目立って可視化され、多くの市民に見えているとは言えないかもしれません。でも、昨日のパーティで感じられたのは地域の中で外国人の皆さんを支えるためにコツコツと取り組んでいらっしゃるボランティアの皆さんの存在であり、そしてまたその広がりかもしれません。次には時代環境の必要性に応じて、市としての方針と事業展開への工夫でしょう。私も引き続きフォローしていこうと考えています。議長になり、こうした場に初参加することで、改めて考えさせられること感じることも多い。貴重な機会をひとり占めせず、議会運営などにも還元していきたいと思います。

 世界人権宣言 第一条
すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。