12月定例会 一般質問の続きのつづき。

人権週間に合わせて関戸公民館のギャラリーで行われた展示。中学生の人権作文コンテストの入賞作品。「意見というのはその人の『思い』なのだから、どうしてそう思うのかを最後まできちんと聞くことが大切だと思います。」という一文があり、すごく考えさせられました。その通りだなと思いまして。私たち議員も常日頃、議会の中で問われていることですね。

一般質問も折り返しを過ぎ、明日を残すのみ。今日は4名が質問に立ちました。トップバッターは伊地智議員で「国民健康保険制度の広域化」を取り上げ、今年の4月に制度変更になることを踏まえた市の取組み状況、あるいは保険税がどうなっていくか、自治体の役割はどう変わっていくか…など懸念事項をていねいに問う内容でした。かつては自営業者が多く加入していた国民健康保険でしたが、今は退職後の年金生活者が多く加入する保険制度になっています。当然に高齢者層が多くなれば医療費もかかる、そしてまた低所得者層の加入者も多いというのが特徴です。すべてを加入者が支払う保険税で賄うことはできず、毎年10億円以上の赤字補てんとして一般会計から繰り入れにより、何とか維持してきた制度。今後を考えても明るい展望が持てるとは言えない中、不安要素がたくさん。「市としてはどうすることもできない。都にしっかりと意見を上げていく。」…意見をあげて聞き入れてもらえるかどうか…。わかっていることは加入者の負担増。年金生活者、非正規労働などを含めて低所得者層の加入が多い…負担増…重く重くのしかかります。

負担と言えば、これだけの話ではないですから…。

次に質問に登壇した荒谷議員の質問も高齢社会についての課題。在宅医療と介護を進めていく方向…正直、私はこれについては「絵に描いた餅」にならないといいけど…と思っていますが、「在宅」って結局のところ家族に対するしわ寄せと負担がものすごく大きくなってしまう。「タダ」で医療も介護も受けられるわけでなく、金銭面の負担のことで考えても「家族で」という状況を抱えている人は多いような気がします。子育てと介護のダブルで担う人たちも存在し、状況はなかなか深刻です。その場合、やはり「女性」に負担がかかってくるのは言わずもがな。

荒谷議員は「医療や介護に関する市の情報発信が不十分」という指摘をされていましたが、せっかくリニューアルされたホームページも外観は変わっただけの話しというのは私も感じているところ。シティセールス云々と「表面的」な設えを整えても、やっぱり市民には見透かされている…ことも感ずることありますが、情報提供は情報発信について充実させていくことも大事ですね。情報を掲載する「ひとてま」が合ったとしても…だと思います。

話しは変わりますが、議会でもタブレットを導入し、各部各課に対しても「行政計画等」もぜひ掲載してほしいことをお願いしていますが、さっそくに関わる行政計画を共有し、私たち議員がタブレットを使用するための環境づくりをサポートしてくれているのは「都市整備部」!!!都市整備部だけが、早々と「都市計画マスタープラン」をはじめ、「道路整備計画」、「橋梁寿命化計画」、「交通マスタープラン」から「街路樹よくなるプラン」に加え、「多摩センター周辺地区都市再生整備計画」「多摩ニュータウン再生方針」…といった計画書を私たち議員がタブレットで活用できるようにしてくれました。「忙しいから後回し」ではなく、ある意味、議会との情報提供、情報共有、説明責任等含め、意識されている気がするわけでして…。

情報提供や情報発信の必要性に対するスタンス…ただ単に、情報を掲載すればいいというものでないこともまた次の課題にあげられるでしょう。「よりわかりやすく」が大事ですし。

そして、大くま議員からは待機児問題を中心に保育行政の課題が指摘されていましたが、「認可保育園に希望している人は認可保育園に入れるようにすべき」という当たり前の意見なんですが、「認可保育園を増設」することもなかなか困難な状況であることもまた現実かなとも思って。「2018年問題」と言えば、18歳人口が減少…と言われ、大学全入時代とも言われていますが、10年後を睨みながら、今を「凌ぐ」ではなく今を「乗り越える」ための知恵を絞らないといけないでしょうね。未就学の子どもたちの育ちをどう支えていくのか?という視点でも、問われていることです。

最後は池田議員。シティセールスの件について、「街のことをもっと市の職員が知っていなければならない」ということをサラッと指摘されていました。地域には多摩市の魅力として発信できることがたくさんあるという視点ですね。誰もが知っていて目立っていることでなくとも、「コレ!」というものがあるはずで、それを発掘できるかどうか?もシティセールスで求められることだと考えています。「みどりが多く、空気がきれい」という多摩市の魅力をどう発信していくのか?そのセンスこそが問われるでしょう。

もう一つ、池田議員が取りあげた「大活字本」のこと。こうした本を揃えていくところに公立図書館の役割もあるんだろうな…って思った次第。スタンダードなところで「公立図書館」が果たさなければいけない役割があるとしたら、それは一体どこなのか?そして、そのために必要な施設づくりがあるかもなあ…とか、「図書館本館」と「中央図書館」がどう違うのか、このあたりも「中央図書館機能のある図書館本館の再整備」を言うのであれば、「もっと分かりやすく、誰もに分かるような説明」をしてもらいたい。

 

冒頭で「意見というのはその人の『思い』なのだから、どうしてそう思うのかを最後まできちんと聞くことが大切だと思います。」…という中学1年生の作文から一文を紹介しました。「どうしてそう思うのか?」についてまで理解するというのはなかなか大変なこと。実はお互いに「腑に落ちて理解する」ってすぐにはできないこと。一般質問の質問答弁を議長席で聴いていて、すごく伝わってくるのは…質問と答弁の調整のために議員とどのくらいコミュニケーションが取れているのか?…ということかもしれません。立場が違えば意見が違って当然ですし、相容れない場合があったとしても、互いの見解を尊重し合えているかどうか…みたいな感じです。場当たり的に答弁しているのかどうかの空気感というか、微妙な感じが醸し出されている部長さんたちもいて…まあそれはそれで正直なのかもしれませんが、「しかし…」ですね。

明日は一般質問最終日。終わったのち、パルテノン多摩大規模改修に関わる特別委員会があります。