議会改革って何?

伊賀市議会に行ってまいりました。実に10年ぶりのこと。10年前は議会基本条例を制定する前でした。一緒に行ったメンバーの顔ぶれを思い出しながら、伊賀鉄道「上野市駅」に降りました。

「合併の際、特例により議員の数が一気に増え、市民の批判が殺到した。」…そのことが議会を改革していく力になったという話しを伺ったことが懐かしいです。当時の話を伺えば、市町村合併で議員数が78名となり、議場に入りきらなかったと。別の場所を借りて議会開催していたということでした。

今回は議会運営委員会の行政視察で訪れ、伊賀市議会が取組んでいる「政策提案」のことについてヒアリングしてまいりました。全議員で構成される「政策討論会」があり、政策提言などを行っていました。ただ、議会基本条例を制定した直後から比較をすれば、だんだんと取り組まれなくなっている傾向があるような気もしました。いろんな政治的な背景もありそう。「政策討論会」で取り上げてもらうまでの手続きも一つハードルになっているかもしれませんね。会派どうしでの話し合い、「政策討論会」で取り上げるべきかどうかを協議する場がかなり重視されているようで、何でもかんでも「政策討論会」に持ち込まれるものではなさそうです。

そのあたり、今回は議会事務局職員さんの説明でしたので、実際に渦中にいて取り組んでいる議員さんから直接伺うと別の裏話なども聞くことが出来そう。

ただ、議会基本条例を制定する前、その直後というのは、議会全体が「よし!やろう!」「がんばろう!」と気持ちで溢れ、意欲も高まっているわけですが、10年も経過すれば、その間に改選も挟み、議員の顔ぶれも変わり…改革スピリットなるものももだんだんと継続されにくくなる…ということはあるのかも。

「人が変われば、やり方も変わる。」

これはある意味当然のこと。多摩市議会の場合でも改選のたびに議員の顔ぶれが多少入れ替わっていますので、議会基本条例を制定した直後とも顔ぶれが変わり、私もどちらかと言えば「古参」メンバーです・・・・。それにしても、私が議員になった時のことと比べれば、ものすごく前向きで勉強熱心な議員が増えている気がします。ですので、無理矢理に気合いを入れなくとも、日常当たり前のように「どうやったら議会として、行政に対して『いい提言』ができるのか?」と頭の片隅に置きながら、活動している議員の皆さんが多くなった感じもします。

過去を知らなければ、「こんなレベルでは…」と多摩市議会の現状に物足りなさを感じている人もいるかもしれませんが、「性急に変える」ことができていなくとも、ひとつひとつの小さな変化が着実に積み重なっているのが多摩市議会ではないか?…と個人的なふりかえりとして思うことです。

「議会改革って何?」

最近、尋ねられて、考えたことなんですが、結局は「市民に必要とされる議会であり続ける努力」だと思っています。そしてまた、「改革とはこうあるべし」…と誰かひとりが旗を振ったとしても、決して、取組みは前には進まない。バラバラの考え方価値観を持った議員どうしが議論を重ね、「意識合わせ」をしながら、より市民に必要とされる議会活動を作っていくのではないか?…というのが現段階での私の結論かもしれません。

「ふるい議会をあたらしく」

というスローガンを目にするわけですが、要するに大事なことは「柔軟さ」を持つことではないか?と思う今日この頃。新しい考え方も取り入れながら、古いと言われている考え方の良いところもきっと残しながら・・・・というのが良いなと思っているため。温故知新なんて言葉もありますので。

そんなことで、昨日は議会運営委員会の視察を日帰り。たまたま伊賀市役所に隣接する上野公園を一回りしたところ、伊賀市長さんにもお目にかかることができてラッキーでした。

今日は、地域でもお世話になってきた元市議の松島よし春元市議の葬儀に伺いました。「ありがとう」の気持ちを込めて手を合わせてまいりました。政治状況などの分析などいつも多くのことを教えていただき、学ばせてもらいました。多摩市議会の過去のこともご存知でしたし、まだまだいろんなことをお話したかったなと思います。「ご意見番」のような存在でした。心からご冥福をお祈り申し上げます。