昔ながらスタイルはなぜ改善されないのだろう?

第103回全国市議会議長会評議員会なるものに出席してまいりました。公務なので、欠席するわけには行きません。全国各地から蒼々たる面々・・・つまりは、全国各自治体議会の議長さんで、なおかつ今年度、評議員にあたってしまった市議会の議長さん方が集結しております。中には欠席されている方もおられましたが、やはりお役目なので果たさねばということで、遠路はるばる都市センターホテルへ行ってまいりました。
私が「遠路はるばる」とは言ってはいけないと思うのは、北海道から、沖縄から、九州から、東北からと遠方からもお運びいただいている議長さん方もおられるので。役職の「当たり年」になってしまうと、旅費なども工面するのだろうなあと思います。都内あるいは近隣であれば、公用車で移動もできますが、そういうわけにはいかない地域の方が多いので、まだ私は恵まれていると思います。お昼過ぎに出発すれば、車で約1時間ほどで会議会場に到着可能です。

100回を超えて歴史を重ねる評議員会。さすがの伝統的スタイル、会議スタイルに、今回ばかりは私も一言。もちろん予定調和であり、進行は乱してはならない…立派な議案書が配布され、議事も粛々と進んでいくわけですが、休憩もなく約2時間半ただ着席しているだけで…「異議なし」あるいは(質問意見ありますか?と聞かれれば)「なし」と答えるだけ…。

確かに、「これも仕事のうち」とは思いましたけれど・・・久々の古典的スタイルに「議会改革をして、もっと議論しよう」などとスローガンを掲げ、地方議会の活性化をリードしていかならないと旗振り役をしているのと落差が大きすぎて、愕然としました。折しも全国市議会議長会が来週開催する研修フォーラム(私は参加しませんが)のテーマも「議会改革」です。そうであるなら、ぜひ、こうした会議の持ち方についてもあり方を見直す時期にも差し掛かっているような、そんな印象を持ちましたが、他市議会の議長さんたちはどう思ったでしょう。途中退席して次の予定にお帰りになった議長さんたちもいて、そしてまた、何と言っても会議終了間近の30分前からのざわつきというのか、「まだ終わらないのか」という空気感を感じた方も多いと思います。

こうした場に議長として出席しなければわからないことですが、最近、業界では話題になっているドラマ「民衆の敵」で篠原涼子扮する佐藤智子の目線で考えると「あり得ない!」になるのではないか?とも思ってみたり…。いずれにせよ、「想定内」というのか「想定外」というのか、なかなか「苦い時間」を味わってまいりました。

 

ところで、全国各市議会も議長さんの任期は2年ないしは1年で交替し、さらにはこうした評議員あるいは理事と言った市議会議長会のお役目についても「何年に一度」であるために、ある意味「喉元過ぎれば…」的にならざるを得ない事情も感じます。今日の会議にしても「公務」としてお役目全うしなければならない「重要な会議」と(一応)頭では考えて出席するわけでしょうし、そのモチベーションから参加するとすれば、「えっ、このスタイル?」とビックリし、会場のホテルで壇上にいらっしゃる議長さんはスポットライトを浴びて暑いと思うのですが、少なくとも会場にいる私はエアコンが聞きすぎて足元はどんどん冷えてきて寒いし…なおかつ、「こういうものなのか」とまずは理解するところから入り、いきなり初回の会議で意見を言うことは控え遠慮し、耐えて終わる。そして、無事に役職期間1年をやりすごせば、次にバトンタッチ・・・。この循環を「好」というか、「悪」というのかはわかりませんが、次々と人が入れ代わり立ち代わりするために、疑義があってもそのままというのか、むしろ、改革のチャンスやタイミングもめぐってこないまま、温存されている「古典的スタイル」。ある意味、貴重な体験になったと考え、帰路に着きました…。

ただこうした場を経て、国会や中央省庁に要請行動などをしていくので、そのための準備手続きで欠かせない場であることは理解していますが。

でも、さすが!議会改革など先進的に取組んれおられる三重県四日市市議会の議長さんが全国市議会議長で発行している「市議会旬報」について、「インターネットでも見ることができるから、そろそろ紙媒体での発行を見直してもいいのではないか?という意見が市議会内でも出ている」と意見を述べて下さったのは良かった。一方、それに返答した市議会議長会側の事務局は「意見があったことは受け止めます」的な感じで検討してくださるのか検討して下さらないのかがわからなかったので残念でしたが。

 

いずれにせよ、全国から終結する議長さんたちですので、重鎮的雰囲気を放っておられる方など様々いらっしゃいまして、その向こう側にそれぞれ地域の市議会の在りようを感ずることもできました。そして、何と言っても…女性がいない。今日の会議で言えば、指折り数えて、両手にも満たない。これが…まだまだ地方議会の現状でもあり、政治の現場だなと痛感。多摩市議会では女性議員は半数近くいる状況ですが、やっぱりこれは全国から見れば「普通」ではないことも実感。やっぱり、まだまだ政治に女性の力が足りてません!