議会は議員は災害時にどう行動すべきなのか?

20160508

2011年の東日本大震災をきっかけにして、議会での防災意識あるいは発災時対応に対する意識がさらに高まり、大規模災害が発生したときに「議会としてどう動くべきなのか?」あるいは「議員としてどう行動すべきか?」ということが課題に上がっています。これまで、議会運営委員会を中心にして議論が重ねられ、実際に被災地への訪問なども行っています。いつだったかは、代表者会議のメンバーも議会運営委員会の視察に合流する形で被災地へ行ったようにも思います。以上・・・改選前でしたので、昨年からは・・・以前の蓄積を活かしつつ、多摩市議会での「災害時対応マニュアル」を作成する方向で協議が進んでいて、現在は会派代表者で構成される代表者会議の案件になっています。

ところが、現在の代表者会議のメンバーに改選前に被災地訪問など調査に行った人は私を含めていないらしい・・・せっかくの蓄積が活かされているかと言えば「ん?!」という感じで・・・。議会運営委員会が他自治体の状況などを調査してきたものを一応は共有されている’ハズ’とは言え、しかし、やっぱり、直接話を見聞きした経験がないと、どこか何となく「お客様」的になっている気がしてなりません・・・これ、私個人的な感想。

とは言え、論評していても仕方がないので、何とかいい形のマニュアルができたらよいなあと思っているわけですが、大規模な災害がいざ発生するとものすごく混乱する中で、自分自身を含めて、どう行動するだろう?・・・想定できるようで想定できないことの連続に直面するような気がします。ただ、代表者会議のメンバーの共通見解では、「議員が市の災害対策本部なりに、個別に問い合わせをしたり、要望をしたり・・・ここは控えるべき。」ということですね。おそらく地域では議員への問い合わせなども殺到することが想定されるわけですが、それを議員個々人が五月雨で災害対策本部への問い合わせをするようなことは考えにくいですね。ますます混乱をきたすと思われます。ですので、情報の伝達、そしてまた災害対策本部で進めていることをどのように議員に情報共有していくか、その手法も含めて具体的に考えていく必要があります。もちろん、そもそも音声などによる連絡手段が一切取れない場合に議員の安否確認をどうするのか?ということからして問題。

例えば・・・・「議員の安否確認を行う」「議員は地域で情報収集する」

とだけ、マニュアルに書いてあっても、実際にはこれだけでどう動いたらいいかいまいちよくわからないですね。議会は市が設置する災害対策本部とも別扱いになっているため、地域で情報収集したとしても、それをどこにどう届けていくのか?とかとか・・・。東日本大震災の被災地自治体のとある議会の場合、議長さんが泊まり込みで災害対策本部に詰めていたとの話もあり、仮にも議長にその任務を果たしてもらうためには、議長室に議長用備蓄品が必要ではないか?とも考えられます。まだまだ検討すべき事項が多すぎて、なかなか煮詰まった議論にはならず、結論としては「やっぱり実地訓練をしよう!」ということになりました。

まずは参集訓練。これは以前に1度だけ行ったことがありますが、改めて実施する。毎年の恒例訓練になるといいかもしれません。あとは安否確認について・・・音声が使える場合、使えない場合・・・と想定してできるかどうかわかりませんが、抜き打ち的にやってみてもいいのではないか?という話も。あとは、多摩市が毎年開催している総合防災訓練への参加・・・今までは「来賓」としてお呼ばれしていたわけですが、来賓ではなく何か参加できるものがあれば、参加したらいいのではないか?という話も・・・。

ということで、ちょっぴり前向きな議論ができ、今日の会議は終了。議会における災害対策マニュアル・・・実際に活用できるマニュアルづくりはどこまで進んでいくのでしょう。マニュアルなんてあってないようなもので、実際に使えるようなものは少ないと言われるかもしれませんが、「マニュアルづくり」を一つのきっかけというか、言いわけにしながら、議会は議員は発災時にどう動くべきかを全体で共有しておくことが大切ですね。そしてまた、実際には予算対応が必要なケースなどがあった場合、「議会を開催する暇がない」として市長専決処分にて予算が支出されていくケースが多くなるとも思われますが、できるなら、きちんと議会が開催される方が望ましい場合もあるでしょう。そのことも視野に入れた体制づくりも必要かもしれません。

何はともあれ、萩原議長が災害対策などについては消防団での経験もあり、多くの情報や知識をお持ちなのが心強いですね。萩原議長のもとで、「災害発生時マニュアル」をひとまず策定していけるよう代表者会議も努力しなくっちゃ!