予算委員会2日目…パルテノン多摩の改修を否定する意見はないけど。

20160314

パルテノン多摩の大規模改修が浮上している。しかし・・・あまりにも拙速すぎやしないか。なぜなら、全体で今のところの試算は約60億円という巨額。ホントに巨費です。

でも、「巨費だから、拒否」・・・なんて選択はできないでしょう。パルテノン多摩に対し、少なくとも・・・今日の予算委員会の中で、議員から「あの施設は不要。だから廃止せよ。」という意見はなかったことからも、あの神殿(伏魔殿)はきっと文化の殿堂として残す必要性がある、もしくは「残さざるを得ない」という判断が下されているのだろうと感じます。

ただ・・・「今の時期にやるのか?」という疑問。しかも、オリンピックや東北の復興への対応(土木系事業)を睨めば、最も物騰について見込まれる時期に・・・。

とは言え、もともとこの時期にパルテノン多摩は築30年を迎えることは事実。そしてまた、一応は大規模改修工事を行うタイミングにはなっていたわけで・・・残念ながら、時代状況の変化の中でめぐりあわせ、タイミング的に好条件が揃うのとは逆の事態に置かれてしまった・・・との見方もできます。「じゃあ・・どうするのか?」・・・「パルテノン多摩不要」の烙印を押さない限り、今回の工事の時期を変更するというのも一つの考え。ただ、その際には、おそらく現況を考えるなら、パルテノン多摩は「早く閉館した方がいい」と私は思います。そのくらい劣化具合は進行しているからです。特に、設備関係、もちろん建物もですが、「ダマシダマシ使っている」ということは否めない。今日の質疑でも「バスタブ曲線」という言葉が出てきたとおり、「故障が止まらない」みたいな状況にあるのです。「施設を大切に長持ちさせる」という発想は、イケイケどんどんの日本社会ではかき消されていた発想。そんな時期に林立してきた公共施設の大半は「長持ちさせる」発想で適切なフォローアップがなされてこなかったのです。これはパルテノン多摩に限らず、多摩市に限らず、他の自治体でも同じ現象はあると聞いています。今のパルテノン多摩は「開館している方が危険ではないの?」とすら思えるのは、パルテノン大階段に一時期ずっとブルーシートがかかりっぱなしだったからかもしれません(雨漏り)、そして、たまたま大ホールを借りたコンサートのスタッフでいた時に大雨に見舞われホワイエずぶ濡れになったのを目の当たりにさせられた経験があるからかもしれません。それにパルテノン多摩に行く手前にあった時計については、止まったことを理由に取り外され、別のデザインのモニュメント風になっているのですが、これがまた周辺は似合うと言えないようなシロモノになっていたということとか・・結構いろんな事態が起きていて、ヒヤヒヤものです。

実際に、行政から提出されている資料を見てもパルテノン多摩で発生している不具合もこの3か年で、もちろん減らないし、バスタブ曲線のごとく増えていることが明らか。とにかくも「ヒヤヒヤしないで」運営する施設にしたいというのがあります。そうすれば、もっと施設のソフト的な運営面で営業活動など強化が期待できるとも考えるので。正直言って「施設の安全管理、安心して使用できる」ことに自信が持てないとダメでしょ!って思うからです。

ただし、こんな議論も含めて、もっともっと早い段階できちんと整理されておくべきだったはず。にも関らず、PFIにするかしないかで決断を下すまでの時間のかかりっぷり・・・・もちろん、そのくらい吟味に吟味を重ねたと善意に解釈することはできますが、それなら、その分、スケジュールが延期されるのかと思えば、今回示されている工程を見る限りは、全く考慮はされておらず・・・・「オリンピック前」までに工事を完了させて、リスタートさせる!」とする無理やりというか「無茶な」工程。もちろん、今後目白押しになっている建設事業のことも考慮したうえで、「今、決断をするとき」としたのでしょうね。図書館本館やら、もっともっと大きな財源を伴うのが恐らく市庁舎の問題で、それらも含めて考え合わせれば、「今」なのかもしれません。そこにも一定理解はしつつ、でもやっぱり「めちゃくちゃすぎる」と私は批判したいというよりは、心配が先立つのです。これで本当に大丈夫なのだろうか?以前から求めてきた「多摩市の文化行政」に対する方針やらもちゃんと出ているわけでもなし、多摩センター全体のまちづくりにおけるパルテノン多摩の位置づけやら、存在意義を再確認できるような方針が明確になっているとは言えない側面もあり(これは行政だけの責任とも言えないけど)・・・・。不安と心配要素を上げればキリがないのかもしれません。

 

もちろん、お金の問題もそうですね。ただ、これに関していえば、ブログでも何度か触れているように、大きく一歩を踏み出せる後押しが「都市計画税の運用が緩和された」ということで、不幸中の幸い、大きな要因で、ピンチをチャンスに変えることのできる切符が手に入ったということにもなるかもしれませんが・・・。

 

だけど、絶対的に、その切符を切って、いい方向に進むかどうかについて・・・・・とてもタイトなスケジュールすぎてなんか釈然としないというか、切符を切っちゃっていいのかなと躊躇してしまう面もあるのですね。行き先が書いてない「切符」では嫌だなと思うので。

 

なぜなら、やっぱり現段階で示されている「60億円」・・・・。このご時世に・・・目を疑う金額すぎる、莫大すぎる・・・・。もっと、市民にきちんと説明できなければならない。

だからこそ、その後の運営についてもしっかりと視野に入れた改修工事ができていくのか何よりも気がかりになるわけですね。ここに投ずる税金が本当に価値あるものであるために、価値ある投資にしていかなければならないと思うのです。けど、・・・その保障がなさすぎる。そこに確信が持てるような道筋が今の段階で描けていないのでは?という大きな不安があります。せっかくの行き先がなくて、切符だけ持たされている状態じゃないですか?・・・という印象がどうも払拭しきれないのです。それについては、質疑した人もしていない人も、ほぼ全議員が指摘したい事項に違いないと思っているのです。なので、「しっかりと市民の声を入れていくべき。そのために今示されているスケジュールの中で、拙速に進めるのはどうか。今、利用していない人が利用したくなる、利用したいと思えるような施設にするべき。市民と今後の構想についてちゃんと共有していかなければならない。大事な手順を端折ってはいけない。市民の納得度をきちんと確保する必要がある。」などなど・・・どれもこれも私も共感できる指摘が次々に飛び交った気がします。

裏を返せば、これは今のパルテノン多摩の現況に対する議会の評価とも言えるでしょうね。(こんな評価しか下せない現況を作り出したところに・・・議会の責任が全くないとも言い切れないと私は自己反省も含めて思うところはあります。)

で、もう一つの懸念ですが、結局、今日の質疑を経て、議会から各種出された意見を無視することはできない、特に市民の意見を聞くことにしてはおざなりにはできない・・・なんて言って、アリバイ的な市民参加の道筋だけ描くなんてことはしないでしょうね?!・・・って思います。「その後の運営(いわゆるソフト的な部分)のことについては、時間をかけて議論したい」という答弁も一定引き出すことはできているので、あとは、そこにどう取り組んでいくか手腕が問われるわけですが、「見せかけに」してもらっては困るので、「期待して見守る」と遠巻きに優しく眺めているのではなく、「厳しく監視の眼を光らせながら、ちゃんとやり抜いてもらう」ことを促すしかないって私は今のところ考えています。

 

「やってもらわないといけない。やってもらわねばならない。」・・・行政として覚悟をもって提案してきた内容なので、それについてきちんと説明し、理解され、納得されるだけのパフォーマンスを出してもらわないと困る。議会として今回の予算を認めていく運びになっていくなら、絶対に絶対に議会で出された意見に誠実に耳を傾け、行動してもらいたい・・・そこが議会と行政の信頼関係の構築にもつながる・・・って主張したい!副市長は「60億円に対する批判をかわせるだけのパフォーマンスを出せるのか?」という質疑については、私の失礼な聞き方に対する憤りを抑えつつ「そんな観点で仕事はしていない(そんな考えで仕事をするなんてもってのほか!)」という態度をちゃんと示してくれ、持てるだけの力をきちんと出し切っていく・・・ということは表明してくれたと思っているので、あとは議会としてもまだまだ行政に任せてはおけないところを引き続きフォローしていくのが仕事になっていくでしょうね。あっ、でも、予算が通るという前提でのことです。

 

まあ、いずれにせよ「行政任せにしない」ところで議会が果たすべき役割を再認識して、気合いを入れなおす・・・ここはあらゆることに関していえることかもしれませんけど。

 

なんか、今日の質疑。発言時間の持ち時間は28分しかないためやりくりの工夫が必要で、他の質疑を犠牲にしたくないと思ってすっごい早口になったあげく、なんか言い忘れたことがあった感も否めない。もっと本当は突っ込めないといけないのかもしれないとさえ思ったら、終わった途端なんか反省が次々と湧き出てきました。ただの一議員、一個人だけの意見をこうして述べたところで、執行するみなさん(行政)には響いていくのかな?とか・・・私はいわゆるトンカチハード的な議論について言えば、ホント素人だなと痛感させられるし、中途半端で浅い理解でしか発言できていないな・・・と思えるところもあって恥ずかしくもなるし・・・もっと勉強しなければならないとかとか・・・。しかし、設計屋さんの仕事ととか、ホント・・・よくわからない。ま、最終的には行きつくところ、私がおばあちゃんになったとき(今回の大規模改修の次の段階の大きな改修時期を迎えるころ)に「あってよかった」って思える施設にしたいということだけなんですけどね。そして、もちろん多摩センターが発展し続けて今以上に文化都市になっているということも含めて、まちの再開発ではないけれど、再開発するくらいの意識を持ちながら、将来に向けたビジョンを描いていく必要があるということを多くの人たちと共有したいってことなんですけどね。

 

あまりにも発言時間を消費しすぎたので、明日以降は黙って座っているだけの時間になりそうです・・・。予算の審議はとても重要なので、発言時間一人28分を増やすための議会改革をやりたい。

20160314_1

久しぶりに「黒糖梅酒」ではなく、農家のてづくり梅酒。今日一日の反省のお供に、10年以上ぶりの自家製梅酒。大事にいただくことにします♪