予算委員会のはじまり…総括質疑。

20160311 

来年度予算の審議が始まりました。今日は総括質疑で・・・これまた、代表質問と同じく、大会派順に発言する感じなので、冒頭から’手を上げなければならず’でした。一番目に発言するのって、心の準備が整わないのでどうも苦手。

総括質疑と言っても、来年度の政策方向や取組みの内容は概ね代表質問でやりとりしてきたので、ポイントだけ質疑。①多摩市の高齢化がどんな具合で進んでいくのか。社会保障経費の伸びを確認。②市税構造の変化について。安定財源としての固定資産税と都市計画税の存在を確認。③都市計画税の運用方法が変更したことに伴う多摩市の対応。パルテノン多摩の大規模改修に都市計画税を充当できるようになっているけれど・・・今後の見込みなど。④行財政刷新計画のなかみ、中期財政計画のこと。

まずは多摩市の高齢化の進展と社会保障経費の伸び。現状通り推移するとすれば、あと10年後には、介護保険に必要な費用が1.5倍にふくれあがるという試算。介護認定は75歳、後期高齢者になると増えていくことが統計的に明らかになっているため、いわゆる団塊の世代が75歳に到達する2025年問題への対応は必至。健康づくり、「介護予防」への取組みが不可欠。

市税構造については、個人市民税は人口減少を考えても当然ながら減るのがトレンド。法人市民税についても経済状況などなど将来的にはどうなっていくか予測的ないところも。固定資産税と都市計画税については概ね堅調に収入を確保できる。個人的には市民の雇用の場を創出するという観点も含め、企業誘致を積極的に行ってほしいと思っているので、改めてその考えを主張しました。多摩ニュータウン再生に関連して、尾根幹線沿道のにぎわい創出が一つの課題になっていますが、そこに多摩市の活性化にふさわしい工場誘致とかできないかなあ・・・と個人的には思っています。とは言え、沿道沿いの他人の土地にあれこれ注文つけることはできないので、このあたりは簡単とは言えないですね。
都市計画税のことについては・・・。パルテノン多摩の大規模改修に都市計画税をつかっても「都市計画基金が底をつかない」という答弁があったので、その内容について具体的に聞いてみました。「なるほど、そういう見込みになっているのね。」と一応理解。同時に、パルテノン多摩の改修に都市計画税を使用できるのには秘密?!があることを改めて確認。つまり、パルテノン多摩は公園内の「都市計画施設」として法的に位置づけられている公共建築物である点が、いわゆる今、多摩市で話題になっている他の公共施設(図書館、コミセン、複合施設など)とは異なるのです。言ってみれば、都市計画税の運用方法に変更がなかったなら、パルテノン多摩の大規模改修への道筋はつかなかったかもしれません。道筋をつけていくために、都市計画税の運用指針を変更してほしいと国に対して働き掛けてきた、多摩市はこの間ずっと意見具申してきたのですね。その結果、街のリニューアルに対し、少しの光が見えてきたのです。国を動かすことはとても大変・・・でも粘り強い働きかけをしてきた行政職員さんたちの努力が実ったとも言えます。もちろん、地元の国会議員さんにも後押しをもらいました。ありがたい。

「なぜ、財政環境厳しい折、他の公共施設は統廃合など見直しをしなければならないのに、パルテノン多摩の大規模改修に(現段階の試算にて)約60億の巨費を投ずることができるのか」

市民的にはとても疑問だし、不思議だし、不満もあるかもしれませんね。でも、事実としては「都市計画税の運用変更に長年働きかけてきた多摩市の努力が実ったから。」とも言えますし、パルテノン多摩は「都市計画法上に認められた『都市計画施設』として存在するから」という点が大きい理由にあたると思っています。でも、だからと言って、約60億円に躊躇いがないわけではありません。あくまでもこの額は試算に過ぎないため、「安かろう悪かろう」にはしないけれど、できるだけ金額圧縮できるようにしなければならないとの問題意識は持っています。もちろん、使う市民の立場がもっと重視されるべき。一部の’ハイソ’な方々のために存在しているだけの施設なら不要・・・。運営にもっともっと工夫があるべき。ここは私の主張です。なので、大規模改修をするのであれば、多摩市の文化行政を再構築していく熱意と勢いを作っていくべきですね。そこに私はアリバイ作りではない市民参加を取り入れてほしいと考えています。「市民と共に考える場」づくりが必要だと思うのです。

現段階で、「場づくり」に関する行政の提案が薄っぺらすぎて、どうも私個人的にはすんなり頷けない。でも、過去の議事録を見ていると、パルテノン多摩建設時の市長さん・・・名誉市民でもある臼井元市長の答弁に惚れ惚れするのですね。文化行政に対する思いの強さ深さにより、あの場所は存在するんだなと理解できてきました。その思いを具現化するためにどこまで行動を積み重ねてこれたのか、実践できてきたのかが逆に問われています。「建物に魂を入れなおす」・・多分、パルテノン多摩の大規模改修で大きく問われているのはココ。

 

そんなことで、厳しいとは言っても、堅実堅実な財政運営をしているのが多摩市でもあり、中期財政見通しではアナウンスされている「厳しさ」があまり見て取れない感じもありますが、だからと言って楽観するわけでもなく、将来の街の姿を思い描きながら、「ベストを尽くす」ことが必要ですね。もっともっと本当は議論を尽くさないといけない・・・という印象を持っています。

 

とりあえず総括質疑が終わってヤレヤレ。パルテノン多摩の問題については、来週以降・・・質疑が飛び交うかな?と思っております。(→インターネット中継はこちら