「ぬるま湯」だ!・・・に反論できるか?

20160204 

一昨日に引き続いての、公立図書館大会に行ってきました。慶應義塾大学の糸賀先生の講演。武雄市の図書館は「公設民営のブックカフェ」だと思っているとの持論から始まり、税金で図書館を運営する意味を確認するためのポイント解説、図書館を民間の採算ベースにのせて経営することは困難であることを指摘したうえで、今後の図書館に求められる方向性を示していただいた感じです。やはり重要なことは、図書館職員が、地域情報へのアンテナを高くし、市民との対話を大切にし、地域や市民が何を求めているか的確につかんでいくことなんでしょうね。

ところで、図書館サービスの基本とも言えるのが「資料の貸出や予約サービス」という認識が多摩市読書活動振興計画案に書いてあった記憶がありますが、「本当にそうなのかなあ・・・と個人的にはやや疑問なんです。「公立図書館の任務と目標」を読み返すと、

「図書館サービスの基本は,住民の求める資料や情報を提供することである。そのために,貸出,レファレンス・サービスを行うとともに,住民の資料や情報に対 する要求を喚起する働きかけを行う。住民の図書館に寄せる期待や信頼は,要求に確実に応える日常活動の蓄積によって成り立つ。その基礎を築くのは貸出であ る。」

ってあって、基本と書いてしまえばそうなのかもしれないけれど、多摩市図書館の認識がここの表現に集約されている感じで、私としては不十分にしか思えないのですね。でも、きっと貸出冊数とか予約数の多い少ないが図書館活動量の評価指標になっている限り、こうした認識に留まらざるを得ないというか、なってしまうのでしょうね・・・きっと。ここが変わっていかないと図書館の役割も存在意義も希薄になっていく気がしてなりません。

糸賀先生は、民間に委ねられている図書館はとても学習をしていて、本の配架や展示の仕方がは他の図書館でも参考になるということ、そしてまた、研修などの受講姿勢を比べれば公務員よりもはるかにやる気があり、積極的なのが民間企業の図書館職員である!という指摘をされ、公立直営の図書館員さんたちは「ぬるま湯」に浸かっている!、危機感がない!と語気を強めておられましたが、図書館が税金を投入しなければならない施設として市民に認識され、そしてまた直営で運営することの妥当性に頷き納得されるためには、今以上に図書館職員さんたちが努力していかねばならないでしょうね。私も同感です。

そういう意味で、読書活動振興計画の案を丁寧に読み返してみると、「読書活動を振興したい!」って本当に思っているのかなあ・・・・って感じずにはいられないとする市民のみなさんの素朴な感想に私も同意するのです。

さて、多摩市の図書館長をはじめとして、教育委員会は「ぬるま湯!」と指摘をした糸賀先生に反論していけるでしょうか?

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午後から自治体議員立憲ネットワーク主催の学習会に参加。久しぶりに山口二郎先生のお話を伺う。ほぼ、この記事の内容にあるようなお話しでした。国会で重要なことが議論されているけれど、十分な報道ができないというか、なされないような気がしてならないですね。もっと伝えるべきことがあるのでは?と思うのですが、こんな時に限って、世間の注目を集めて騒がせるような有名人の話題がさらっていくなあ・・・。