学校と連携もしてくれる‘塾’

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ご縁があり、立川にある学習塾「Leaf」さんに訪問し、私よりも若いけれどほぼ同い年の教室長さんと意見交換をさせていただきました。運営しているのは株式会社りたりこさん。当初は障害者の就労支援に取り組むことからスタートした会社でベンチャー企業。塾のスタッフなども含めた社員さんの年齢層はとても若い!元気な企業です。「ビジネスで社会を変えたい!」という思いが、企業活動にそのままつながっているような感じ。塾の内容ももちろんですが、障害者の支援を中心にした事業展開をなさっていて、今度は会社さんにも訪問し、お話しを伺ってみたいとの気持ちになっています。

こちら立川校には、同じビルの階下に幼児部門も併設されていて、こちらは児童発達支援事業での展開。利用しやすくなっています。

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ちょうどパパに連れられて一緒に帰る子どもとすれ違いましたが、こちら、立川校には近隣市などから全体では約450名の子どもたちが通っているそうです。支援を必要としている子どもたち、子どもたちの療育に対する保護者の関心は高まり、ニーズは増えています。口コミで利用者が増えているとの話でした。

さて、小学校以上部門。まずは通塾は親子同伴で・・・が基本。ここで思い出したのは所沢市での通級指導学級。所沢市の場合も親が原則同伴で、指導の様子をビデオモニターで見ながら、親自身も学んでいくスタイルになっていました。リーフも同様。すべての教室にはカメラがついており、指導の様子が映し出されます。子どもへの指導の様子を保護者はモニターで見ます。これが何よりの子ども支援にとつながるのです。

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それぞれの部屋ごとのモニターにヘッドホン。保護者達は画面を通じて、日々の子どもへの接し方も学ぶという方式。私・・・やっぱり確信しました。子どもたちの様子が映像で見れるような仕組みが必要!ちょっとした声かけや対応の工夫で、保護者や学校の先生の前では落ち着くことのできなかった子供がちゃんと落ち着いて行動することのできる姿が目の当たりにできる。学習は個別で、そしてまたソーシャルスキルトレーニングは複数の授業編制で実施していています。通塾児童は、週に1回ないしは遠方在住者は月に2回などと回数は異なりますがいずれにせよ子どもたちがスモールステップにて成長していくことを一歩ずつ支えていこうとする先生たちの姿勢・・・子どもと接する保護者のストレスを少しでも軽減し、親子に寄り添い見守りながら運営している様子が伝わってきました。

で・・・指導者なんですが・・・教員やら心理士やら・・・と何か資格があるのかどうかと伺ってみたのですが、指導者のうち何らか免許のある方は約30%。あとは独自の研修システム、そしてまたかなり密度濃く研修をしていることが何となく伝わってきたのですが、そのなかで経験も積みながらやっていくのだそう。ちなみにアドバイザーとして専門家がきちんと対応する体制もあり、研修でもいろいろと相談ができるようです。

 

こちらの塾・・・・スカラシップ制度も準備されていますね。一人でも多くの子どもたちに視点を当てるとき、所得の格差にも目が向いている・・・設立趣旨を感じられる制度です。

そして、保護者の希望があれば学校との連携も可能とのこと。保護者によっては学校に通塾を知られたくない場合もあるという話で、全ての子どもたちへの対応ではありませんが、希望があれば保護者を通じて学校への連携も積極的に実施しているとの話。ここ・・・素晴らしい!・・・しかし、学校長の考え方により大きく左右されるらしく、「そういうのお断り!」という学校もあるというのが、現実で苦労もあるようですね。しかし、塾の学習内容、そしてまた個別指導計画などを学校に渡すなど等・・・「へえ!」と驚くような対応があるのもまた大きな特徴。これはいいですね。塾のノウハウなど出したくない!って思うのが一般的な気がしますが、「子どもを中心」にすれば、大人の理屈で仕切る方が考えてもみればおかしな話。毎日、塾の開始時間前には学校連携などのために訪問したり等などしているそうですよ。「想いが熱い!」って思いました。企業マインドですね・・・。

「変わらなければいけないのは周り。」・・・その子どもを変えよう変えようとするのではなく、大人の対応、取り巻く環境を変えていくことで、子どもが見違えるほど変わっていく、成長もできるという話を伺うことができたのもまた、大きな収穫でした。

 

私が確信したこと・・・・やっぱり、指導風景をしっかり記録しておくこと大切。そして、ひとつひとつの子どものリアルな姿を保護者はもちろんのこと、子どもに関わるすべての関係者で共有できるような体制が必要。特別支援教育の充実、まだまだ設備環境をどうするのかとか、課題は多そうですね。そもそも指導風景を記録するなんて方針を指導者自身が受け入れることができるかしら?・・・・というのも公立学校だと課題になるような気もします。なぜなら、自分自身の指導内容や技術がさらけだされることを「良し」としない文化が学校にはあるような気がしてならないからです。「子どものため」を考えると、やるべきことってあると思うのですね。先生自身も問われるところかもしれません。

 

今回、決算特別委員会の健康福祉常任委員会の施策評価が「発達障害児(者)支援事業」なんですね。ですので、委員会の皆さんの意見も拝聴しながら、私も質疑でいくつかの点を指摘したいなと思っているところです。ご意見ありましたら、どうぞお寄せ下さい!