「食」を学びの中心に。

ちょっと用事があり、恵泉女学園大学へ。いつ足を運んでも、広場のお手入れが行き届いていて、季節の変わり目、植物も疲れてしまうような時期で、お花もそれほどきれいに咲かない時期のような気もしていますが、大学内に入り景色を見るだけで、心地よい気分になれる場所だなと思います。

先日、土曜日になりますが、愛和小学校に続いて、エディブルスクールヤードの取組みを始めることになる中央区の阪本小学校が活用するガーデンへ行ってきました。

ガーデンは空に近いところ、東京証券会館の屋上にあります。中央区ならではというか、ニョキニョキと立ち並ぶビルを眺めながらの園芸作業。多摩市とはまた違う文化を取り入れながらのエディブルスクールヤードになりそうですね。すごく楽しみなプロジェクトになりそう。愛和小学校と阪本小学校で交流ができるといいなあ‥‥と思ったりしつつ、いよいよ始まる阪本小学校のガーデンクラスに備えた準備作業を手伝ってきました。

 

久しぶりにエディブルスクールヤードジャパンの堀口博子さんにお目にかかることができましたが、「愛和小学校の実践無くして、次はなかった。」とおっしゃる言葉どおりで、公立小学校で取り組めたのは当時の校長先生の着眼点が素晴らしかったから。そしてまた、当時の教育委員会もいろんなことがありつつも、取組み自体を見守る姿勢があり、当時の教育長もまずは受け止めていたことが大きかった気がします。

 

しかし、校長先生が交代し、教員の人事異動があるたびに存続が危ぶまれるような状態にもなり、多様性が大事とか、個性は大切と言いつつも…横並びが求められがちな日本の公立学校文化の中で、愛和小学校だけが「特別」になりそうなところを認めたがらない管理的な発想に翻弄されてきた経過もあります。とにかく管理したがる教育委員会で、「受け入れがたし」と捉えられてきたことは否めません。

 

でも、こうして継続してこれたのは「無くさないでほしい」と願う子どもたちと支える保護者達の存在があったからこそ。エディブルスクールヤードの取組みが始まったころから、ずっと見守ってきた私は、今もなお愛和小学校で継続されていることに感慨深ささえ覚えます。やっぱり、この取り組みの本質を否定など誰もできないと思いますし、そこに誰しもが共感すると思っているので。もちろん、これを実践するとなれば、「大変そう」…との思いが先立ち、やる前から重荷を感じることもあるだろう…想像に難くありません。ただ、エディブルスクールヤードに込められている哲学は今の時代にこそ必要なものだと思っていますし、アリス・ウォータースさんに私も共感するところばかり。多摩市の学校で取り組んでいるESDとか、そしてまた、SDGsとか…「食」に寄せた取り組みにしていくことが求められるような気がしています。「おいしい革命!」っていいなあ。

ちょうど、タイミングよく…島根県の離島…隠岐の島の海士町にある出版社「海士の風」さんからサンプル本が届きました。「スローフード宣言 食べることは生きること」アリス・ウォータース著です。ご縁のある出版社さんが、版権を得たと伺って、本当に驚いたのですが、日本の公立小学校でエディブルスクールヤードの実践をどう重ねてきたか、海外でやっていることをそのまま取り入れることは難しいことを念頭にチャレンジを重ねてきた愛和小学校が多摩市にあることは私にとっては自慢の一つ。

 

 

「食には、人と人のつながりを深め、人間らしい組織をつくり、窮地にある環境を癒し、元気にする力があります。しかし同時に、食には私たちの健康と地球を破壊する力もあります。私たちは、今も目の当たりにしているのです。職を取り巻く産業構造が、人の暮らしと地球環境に不正を働き、劣化させていることを。」

食べ物がいかに人の生き方を変えるかを繰り返し学んできたというアリス・ウォータースの考え方がじわりじわりとでも広げることしたいなあと思っています。差し当たっては…ぜひ。離島の出版社を応援するためにも、ぜひ、本書を手に取っていただけるといいなと思っています。来月出版予定になっていて、予約できます!

 

 

ちなみに、海士町にはスーパーもコンビニも、ファストフード店も一軒もなく、「ないものはない!」をスローガンにしたまちづくりが行われていて、そこも魅力的。私たちの暮らしは、多摩市を考えてみると、そこそこ「何でもそろう」「何でもある」のに…なのに、でも、何かが足りなくて、「無い」んですよね‥‥魅力に欠ける。とてもとてーも、考えさせられます。