昨日に続いて、研修。

本日11月11日はポッキーの日とのこと。夜遅くに聞いたので、買ってこなかったなあ。今日くらいはポッキー、久しぶりに食べたかったかもしれない。

昨日に引き続く研修会に参加。今日は埼玉県の学力向上をめざした取組みについて講演がありました。埼玉県では独自の学力調査を実施しており、調査結果に基づいてPDCAサイクルをまわしているといいます。どんな風に?…と興味津々でした。

特徴としては、同一児童や生徒の変化を継続的に把握できるようになっていて、文科省が全国で実施する学力テストのように「その年度のその学年の」というものとは異なっているところには「なるほど」と思います。出題については「項目反応理論」に基づいているそうで、異なる調査であっても学力の比較が可能な内容になっているのだとか。「項目反応理論」なるものは説明は理解できても、それが一体どんなかたちで一定水準に保てるのかは不明ですが、そこは本題ではないのでスルー。

また、同時に「非認知能力」や「学習方略」についても調査をしているようで、子どもたちの自己肯定感や学習への向き合い方なども明らかにできるようにしているのだとか。

この調査によって、学力を伸ばしている学校やクラスまでわかり、それぞれの取り組み状況を共有しながら、水平展開できるものはしていける…しっかりと根拠となるデータを示しながら、学校運営や先生たちの授業改善に役立てていくというものだそうです。埼玉県学力・学習状況調査のページからは膨大な資料が閲覧できますね。ちょっと全部を見切るには時間がかかりそう。

いずれにせよ、この調査を県レベルで実施し、その内容を市町村の教育委員会、現場と共有しながら進めていくという話しです。昨年度は県の教育委員会から市町村や学校に268回の訪問を実施し、全国学力調査の結果や埼玉県の学力調査結果を根拠とした学校への助言を行ったということですが…県教委直接的にが市教委や学校現場を日常的に訪問するというのは、珍しいことなのかもしれませんね。現状、都教委の場合はどうなのか?と思ったりもしますが、今日の話では訪問回数のことが話題に出ていたので、珍しいことなのかななんて受け止めました。

データに基づく県教委のフォローということでは、学力が伸び悩んでいる学校などに対して人員を手厚く配置したり、スーパー教員というのか実績や実力がある教員派遣による授業改善のヒントを共有するなどなどさまざま取り組んでいるようで、「その結果はどうなの?」ということはあえて尋ねることはしませんでしたが、少しずつは成果が見え、手ごたえを感じておられるようでした。

やはり、データに基づく・・・というのは重要であって、これまでに蓄積されてきたビックデータの活用という点では慶應義塾大学SFC研究所と連携して取り組んでいるということ。その結果までは十分に聞き取ることはできませんでしたが、データ分析を行い、次の取組みにつなげていくという視点は重要だと思っています。

ところで、学力を伸ばしている学校の特徴について伺いましたけれど…「チームで取り組めている学校」というのがキーワードになりそうです。要するに先生たちのチームワークということですが、そこには学校をマネジメントする管理職、校長の力量が問われるだけの話…。校長先生がどのような意識を持ち、日々の学校運営を行っているのかが大きく左右すること間違いなしだと個人的にも改めて確信をしてしまいました。多摩市でも校長先生のリーダーシップの発揮されている発揮されていないは一目瞭然というのか、学校全体の「明るさ」にもつながっている気がします。校長先生が「管理志向」にあると、先生も子どもたちも窮屈そうなので。校長先生のマネジメント力がいかほどなのか…そこは言い訳できないほどに明らかなのではないかと感じております。

埼玉県の取組みに関しては、県教委と市町村教委との連携がどのくらい進んでいるのか、あるいは、小中連携と接続における取組の工夫など含め、まだまだ現状を突っ込んで調べたいことばかりでした。また、「非認知能力」という観点では、いきなり学齢期に入ってからというよりは、就学前教育の重要性も指摘されている部分ですから、市町村との連携が欠かせないところですし。引き続き関心を寄せながら、埼玉県の取り組みを学んでいきたいと思います。

個人的に言えば、「学力向上」にあれこれと取り組みをしているわけであって、実際に「学力向上」が図られていることは…埼玉県の実ならず、他の場所でもPR材料などに使われていることもありますが…。

だとすれば、「学力低下」の原因と要因は一体何なの?…ということについても解き明かしてほしいと思っているのですね。ゆとり教育で子どもたちの学力が下がった云々などとさんざん指摘する声があったわけですが、それはなぜだったの?ということも含めて。そこがなかなか明らかにされないまま、子どもたちが逆に詰め込み教育に再び放りこまれている気がしています。このコロナ禍で授業時間が不足しているからと言って、わからないことをそのままにしてどんどん進んでいく授業の在り方とか…置き去りになっている子どもたちが多数いるのではないかと捉えています。なんか、英語だのプログラミングだの…新しいことばかりが学校現場には降り注いでいるし…と思います。ぜひ、「学力低下」が言われていたころ、一体何が悪かったのか…どこに原因があったのか、もっとはっきりとさせてほしいですね。

アクティブラーニングの時代へ。そしてまた、「学びの質」と「学び方の質」も今まで以上に問われていく時代へ。その中で、子どもたちを翻弄することないようにしていくことが大人の責任。さて、多摩市の現状はどうなっているのか、見ていく必要がありそうです。