気候変動とジェンダー

「気候変動とジェンダー」をテーマにしたオンラインセミナーを受講。北九州市に本拠地を置いている公益財団法人アジア女性交流・研究フォーラムの主催です。そもそも「気候変動」と「ジェンダー」との関連性についても学んだこともなく、テーマそのものが興味深いというわけです。

でもインターネットでちょっと検索してみると、気候変動とジェンダー格差のことが話題になっていて、ついていけてない自分を痛感しながら、ただいま俄仕立てながら勉強中…です。今日のセミナーではブータン王国の「女性と子どものための国家委員会」事務局長クンザン・ラームさんが同時通訳にてスピーチをしてくださいました。ブータン王国と言えば、「世界一幸せな国」としてメディアなどでも多く取り上げられ話題になりましたね。「国民総幸福量」指標を設けながら、取り組みを進めているようですが、そのなかにも「ジェンダー」の視点が明確に盛り込まれているようです。アジアの中では後進国と言われている国ですが、しかし、ジェンダー格差のことについては意識的に女性の地位向上をめざした施策展開を進めようとしていて、「意思決定レベルに女性を増やす」必要性が強調されていたのが印象的でした。

日本でも「ジェンダー」の問題はかねてから指摘されているものの、一見…女性の社会進出なども進んでいるかのようにも語られ、実際に、過去と比較をすれば(どの時点と比較するのかにもよりますが)、随分と格差問題についても是正され、解消されてきつつある面もありますね。

とはいえ、やっぱり「意思決定レベル」で考えるとまだまだ女性の少なさは目につくわけであって、「多摩市議会は女性が多いから」と言っても、「だから?」という状況になってしまうのは…市長部局に目をやれば部長や課長など管理職の圧倒的多数は「男性」であって、議会に女性が多いから「◎」というわけにはいかないと感じる今日この頃です。

そしてまた、都議会あるいは国会レベルに目を向ければ、もっともっとその傾向が強いわけであって、結局、「女性を増やそう」と言葉では言うものの、伴う実態にしていくための動きは遅々として進みません。三浦まり先生の「政策のレガシーではなく看板のレガシー」というご指摘に思わず納得してしまいましたが…。まさに下記の通りだと思いますので、引用させていただきます。

全体の2割にも満たない女性議員がトップになっても、それは主流派閥が担ぎ上げた「お飾り」でしかないかもしれません。自民党が苦境に立たされた時に、クリーンで新しいイメージを持たせるためだけの、実権が伴わない「軽い神輿」になる可能性があります。

話を戻しますが、結局、「気候変動とジェンダー」について言えば、特に日本で考えておくべきは「災害時」のことですね。避難所のことをはじめとして、災害が発生したときに女性に対するDVをはじめとして性的被害の発生などなど…見ておくべき点はいくつもあります。表面化しないところの問題にアプローチできるかどうか、そうした視点で避難所づくりをすること重要です。この間の議会でも…「スフィア基準」という言葉が出てきましたが、こうした言葉を聴き流すことなく具体的な避難所計画や運営に落とし込んでいけるかどうかが問われるというものです。

災害対策については市民的な関心も高く、議会などでも取り上げる議員の方も多いので「女性の視点」を施策に織り込んでくことの必要性は認識されていると思いますが、具体的にどうなっているか?…ここは多摩市の場合にも改めて点検していくことが大事かもしれませんね。

また、週末には台風が来るということなので…心の準備を忘れずに。私もベランダの植木鉢とメダカの鉢をちょっと移動させておこうかなと思っております。