ペットボトルのキャップとラベルは外して!

今日は生活環境常任委員会のメンバーで多摩市の資源化センター「エコプラザ多摩」への見学でした。ごみ対策課の職員さんと共にエコプラザ多摩の事業を受託している多摩市リサイクル協同組合の方々に対応をしていただき、施設の見学と意見交換などしてまいりました。目的は…議会だよりの取材です。

私たちの委員会では「廃プラスチックの削減」を調査研究テーマの一つにしながら、議論にしてきたこともあり、本来はもっと最初の段階で足を運ぶべきだったのかもしれませんが、「やっぱり、多摩市の現場も見ておこう」ということで遅ればせながら訪問をさせていただきました。

資源化センター。もう20年は経過している建物ですが、見学コースはいつ行っても、ホント、掃除が行き届いていてきれい。利用者利用数との関係かなと思いますが、せっかくの建物であって、啓発もかねた見学コースがもっと活用されてほしいものだ…と思うものです。今日は施設内の見学もじっくりとさせていただき1時間ほど。

積みあがっている古紙。これは引き取り業者さん待ちのものですが、一つの塊で約1トン。すごい量です。大きな機械があり、プレスをするわけですが、回収された古紙の中には「古紙でないもの」や「古紙としてリサイクルできないもの」も入っていて、それらは目視でも除去しています。こちらは製紙工場などに引き取ってもらうわけであって、リサイクル紙の原材料になるわけですから、「商品」ということ。不純物はなるべく取り除く必要があるのです。

 

古布。ステイホーム期間中に増加したという古着などなど。すごい量ですね。これら、リサイクル協同組合さんのネットワークによって、引き取り先を何とか確保しつつ、他地域のように「古布の回収を一時中止する」ことはありませんでしたが、実際問題として、さらにこれらの行き先となる海外などでは、新型コロナウイルスの影響もあり港そのものが稼働していなかったりと、コンテナがそのまま積まれているという例もあるようです。

問題なのはこちら。「製品プラスチック」です。多摩市では「容器包装プラスチック」以外のものも改修をしています。一応「きれいな製品プラスチック」であって、汚れたプラスチックや傷んだプラスチックなどリサイクルできないものについては可燃ごみや不燃ごみにしてもらうようにとお願いはしているのですが、リサイクルにまわして原料にするのが難しいのではないか?と思われるレベルの製品プラスチックも混ざっているわけであって…これ、結構悩ましい課題。

そして、「製品プラスチック」まで回収するというのは、かつては画期的なことであって、リサイクルの徹底という意味では重要なことだったとはいえ…今は、これ…引き取り手が見つからずにヤードにどんどん積まれていく状態になっています。リサイクルするという名目で引き取り手を探すわけですが、今、中国もこうしたものの引き取りを拒否しており、リサイクル業界全体としても頭を悩ませているところですね。

できるだけ「燃やさない」をポリシーにしている多摩市ですが、このまま引き取り手が見つからないとなれば、どうするのか。ここ、問われていて、議会でも考えていくべき重要課題とも言えるでしょう。

 

私たちが手放ったプラスチックごみはこうして目視と手作業とで分別されています。プラスチック製のおもちゃや洗面器や、あとはクリーニングのハンガー、CDなどもここで分別されています。プラスチックの作業ラインは隔離された場所で行われていて閉鎖空間になっているため、他の場所よりも熱中症対策も必要であって、給水タイムなどを設けながら行われています。今は、新型コロナウイルスの対策もされています。ゴーグルなどを着用しもちろんマスクの着用しています。

 

そして何と言っても、資源化センターでリサイクルされているものの6割以上を占めているのがペットボトル。毎年毎年この量は増加の一途です。ビン、缶、ペットボトルということで回収されていますね。ちなみに、ビンは「緑、茶、白、その他」と色別に分けてリサイクルをします。回収されたビンをさらに目視と手作業で分別していきます。また、缶はスチールとアルミと素材別に分けられます。

アルミとスチールに分けたものがこうしてプレスされて出荷待ちの状態になっています。ということで、私たちの今日最大の驚きと言えば「多摩市のペットボトルの状態は多摩地域で最低ランク!」ということ。

どういう意味でしょう?

実は、多摩市では以前までペットボトルの回収、蓋を外さずもOKでラベルを外さずもOKということでしたが、つい最近1年前ほどから改修方針が変わり、蓋もラベルも外しましょう…になったことは記憶に新しいと思います。今までは容器包装リサイクル教騎亜のほうで、蓋もラベルも外さなくても引き取ってもらえたということです。ところが、「蓋とラベルをはずさなければならぬ」という方針の徹底がなされたということ。よくよく伺ってみれば、もともと「蓋もラベルも外さなければならない原則だったのに、多摩市では『外さなくてもよい』…としていたそうで」…あ、要するに、市民が楽をしていたということ?!

なので、まだその方針の徹底がなされていないというか、市民の認識が不十分であって、蓋もラベルもついてそのままという状態で大量のペットボトルが運び込まれるというわけです。一応、こちらも作業ラインではできるだけ蓋を外したりはしていますが、限度というものがありますから。

ですので、こんな感じです。一方、小規模な事業者のごみも一部引きとりをしているのですが、その際には「ルールの徹底」を伝えていることもあり、さすが…。事業者から運び込まれてきたペットボトルについては…。すごいクリア!…。

すごいクリア!…これ、他市では「当たり前」なんだそうで、多摩市が異例というのか、ルール徹底が図られていない。市民の認識を上げていかねばならないということだそう。

もっともっと啓発していかねばいけない。今までと同様の啓発活動では、おそらく改善は見込めないでしょうから、力を入れていくこと重要だと思われます。

ということで、私たちは改めて、「ペットボトルの蓋とラベルを外してキャンペーン」をしていく必要性を感じたということです。施設見学でもすでに満腹というか、いろんな課題を感じつつ…その後の意見交換をさせていただいたのですが、やはり、こうして身近な場所に足を運び、委員会のメンバー全員で共通認識をつくっていくことが大事だなと感じた次第です。

この内容を「議会だより用」にまとめたいと思いますが、やっぱり、「ペットボトルの蓋とラベルは外そう!」をとにかく呼びかけたい!と思っています。

24時間365日。私たちの暮らし…快適が守られ、維持されている。ここで働く皆さんに感謝し、そして思いをはせ、私たち一人ひとりもできること、そして、守るべきルールを守ってゴミ出しをすることが必要ですね。ペットボトルの作業ラインでそれはそれはすばやく蓋を取り外している姿…「当然」ではないのですから。

施設見学の間、対応をしていただく…その間、作業現場を離れて…ですから。余剰人員などはいないのが民間企業であり民間の事業者(もちろん、行政に余剰人員がいるというわけではないですが、民間事業者のほうがそこはシビアですからね)ということで、リサイクル協同組合の皆さまありがとうございました。